KZ’ Deep File 桜坂は罪をかかえる

著者 :
  • 講談社
3.85
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本棚登録 : 372
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062202688

作品紹介・あらすじ

大人気シリーズKZの深層をえぐる、ディープなKZ'D 「KZ'Deep File」。

北海道函館山に姿を消した友人。救出に向かう数学の天才たちの前に立ちふさがる桜坂の秘密。美貌の修道女の企みとは!? 中世フランス修道院の設計図、幕末日本の私文書の謎を追い、迷路に踏みこむ少年たちの友情と葛藤!! 書き下ろし長編。

それに比べて自分は、まったく冴えていない。カッコよくやりたくても外見的に問題があるし、自分が黒木を真似しても滑稽なだけだとわかっていた。どうしていいのかわからないから、女を避けているのかもしれない。このままいくと将来、胸で獣が吼えるようになってもどんな女にも相手にされず、彼女さえいればこんな事はしなかったと言った大量殺人犯のようになるか、あるいは複素解析空間論を作った岡潔や、世紀の難題といわれるポアンカレ予想を解いたグレゴリー・ペレルマンのように世間との交渉を断ち、自給自足の生活をしながら数学と向き合って暮らす道しか残されていないのかもしれなかった。

感想・レビュー・書評

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  • 若武は男前すぎるし、上杉くんはカッコ良すぎるし、黒木くんはミステリアスすぎて美人すぎる。

  • 図書館で児童文学の棚を眺めていて、児童文学らしからぬダークな装丁に惹かれてジャケ借りした本。読みながら、もしかしてこれは何かの続編なのかな?と思って読了後に調べたら、青い鳥文庫から出ているシリーズの一部だった。なるほど。

  • 宗教は怖いと思った。
    やっぱりアーヤは皆の天使だった

  • 中学生が扱うには、危険過ぎな事件…
    でもそこは、フィクションだから。

    こんな事件を解決できる中学生、普通はいないよね、多分。

  • もっとスマートに生きたいのに。

    上杉のところに小塚からかかってきた電話が、若武の修道院入りを教える。訝しがる小塚の頼みを聞いて、上杉は黒木とともに北海道へ向かった。桜が見事な修道院で上杉が出会ったのは――。

    青い鳥文庫のシリーズでは、憧れのように書かれているステータスが、こちらのDeep Fileでは枷のよう。母親の束縛を嫌い、数学の世界に自分を置きたい上杉は、人間の感情の割り切れなさを厭う。一方で、その人間関係をさらっとこなす黒木に劣等感を抱いたり、自分を捨てても他人を助けたいと動く若武に敗北感を覚えたり。ガツンとくる話でした。上杉先生、大人に一歩踏み出す、というところかな。

    咲蘭の矛盾。人間の肉体は悪魔が作り出したものとし、教義に輪廻転生があるアルビ派。それを信仰するのは、失った恋人に再びこの世の姿で会いたいため。でも、結婚は罪、輪廻転生は罰。どこまでも清らかに、矛盾したものを追い求める咲蘭の姿に、ついつい惹かれてしまう上杉。今の人生に倦んでいる、新しい人生があるのなら。その誘惑を振り切ったのは、面倒だと思いながら関わった人たちから教わったこと。死ななくても生まれ変わらなくても、今から戦い始める、新しい人生があるということ。

    なんだか妙に上杉と黒木の距離が近く感じてしょうがない。黒木って性別関係なくタラシなのでは。上杉先生がめっちゃフラフラ惹かれているように読んだのは、私がいけないのだろうか。

  • 青い鳥文庫の人気シリーズスピンオフ第二弾。
    今回はいなくなった若武を上杉くん&黒木くんが探しに行く話。
    舞台は北海道。

    修道院が出てくる話で、どこか神秘的な雰囲気があります。
    題材、登場人物共にとても好きです。もちろん表現も。

    私は、KZのメンバーの中で一番黒木くんが好きなのですが、今回は上杉くんもかっこよくて迷います。(何に?)
    まあ二番目は上杉くんなのですが。
    というわけで、この巻はすごくオイシイ話でした。
    二人の意外と子供なところが見れて大満足です。
    あれ、上杉くん、キャラ変わってない?
    英雄とか、若武のキャラじゃない?
    と思ったりしましたが。
    かっこよければ良いのです。うん。
    彩ちゃん目線と本人目線は違うということですかね。

    あと、黒木くんの過去(生まれ?)にびっくり。
    重っ!

    でも、カッコイイですよ。作者の黒木くんの描写が美しすぎる…。

  • う~ん。
    どんなもんだろう。他も読んでみよう。
    うけるのか…

  • これってシリーズなんですね。青い真珠は未読なので読んでみようかな?
    内容はともかく、黒木の呼び方が途中から名前に替わって戸惑ったのは私だけでしょうか?濁点抜けてたり校閲大丈夫?って思った。

  • 初出の記事がないため書き下ろしか。

    中学生のワクワク冒険物語で、作者には珍しいライトノベル。

    函館で行方不明になった友人を探しに来たスーパー中学生2人が、名探偵顔負けの調査力を駆使して、カトリックで異端とされる死によって救済されるという教義の修道院に友人がいることを突き止め救出に向かう。

    箱館戦争時の埋蔵金の話まで出てくる!(⌒-⌒; )

  • おとなの男にあこがれる若武、黒木、上杉、小塚の中学生時代を描く
    青い鳥文庫の大人気シリーズスピンオフ第2弾

    所在不明になった若武をさがして函館にやってきた上杉と黒木

    うつくしく不思議な雰囲気をただよわせる咲蘭という女性を追って
    聖なる光修道院にたどりつく

    友人でありライバルでもある若武を心の底から心配する上杉
    その出自にかかえる悩みの深さが明らかになる黒木
    そしてほとんど登場しないのに圧倒的な存在感を示す若武

    友情と思春期男子の悩みに親子の葛藤をブレンドした極上のミステリー

      手の中にスマートフォンがあるつもりで、そのボタンを押す。
      さ を三回、か を二回、た を一回で濁点、そして や を三回押し、
      送信した。

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著者プロフィール

長野県生まれ。西洋史への深い造詣と綿密な取材に基づく歴史小説で脚光をあびる。フランス政府観光局親善大使。著作に、『新・三銃士』『皇妃エリザベート』『シャネル』『アンジェリク緋色の旗』『ハプスブルクの宝剣』『王妃マリー・アントワネット 華やかな悲劇のすべて』『幕末銃姫伝』『i維新銃姫伝』など多数。青い鳥文庫ではKZのほかに「妖精チームG(ジェニ)」シリーズ、『マリー・アントワネット物語』『三銃士』も手がけている。

「2019年 『探偵チームKZ事件ノート 特装版 校門の白魔女は知っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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