決戦!桶狭間

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感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062202954

作品紹介・あらすじ

累計10万部へ!「決戦シリーズ」第五弾!!
成り上がりへの壮大なプロローグ――桶狭間の戦い!

花村萬月(今川義元)
冲方丁(織田信長)
宮本昌孝(今川氏真)
富樫倫太郎(松平元康)
矢野隆(毛利新介)
木下昌輝(岡部元信)
砂原浩太朗 第2回決戦小説大賞受賞者(前田利家)

信長、家康、そして秀吉……「天下布武」へのそれぞれの道は、ここから始まった。
戦、戦、戦――この男たちの熱を体感せよ。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです!この本を読んでやっぱり信長の強運はすごいなと改めて感じました。戦国最大の逆転劇、面白かったです。決戦!桶狭間TOP3は・・・①矢野隆の「首ひとつ」②木下昌輝の「義元の首」③沖方丁の「覇舞謡」です!【小5】

  • 今まで読んだ決戦シリーズで一番おもしろかった。武将たちの心情とか考え方とかがすごくよくわかる。
    桶狭間の合戦の地図からお話を選べるのもいい。
    ベスト3は、1.「覇舞謡」(冲方丁)2.「わが気をつがんや」(富樫倫太郎)3.「非足の人」(宮本昌孝)。(小6)

  • 決戦シリーズ、桶狭間。7編の短編集。
    砂原浩太朗のいのちがけが面白い。
    冨樫倫太郎のわが気をつがんや、宮本昌孝の非足の人、木下昌輝の義元の首など、大好きな作家の短編がたくさんあり、読み応え充分。

  • 関ヶ原がとても面白かっただけに…

  • 今から5年ほど前の2014年の年末に、この決戦シリーズ「関ヶ原」を読んだことがあり印象に残っています。特徴は、同じ場面を主人公を変えて(視点を変えて)書かれていることです。

    私が今まで読んできた歴史小説のほとんどは、主人公から見た景色、考え方で書かれることが多かったですが、この本では、その事件に参加した主な登場人物の目から、各章ごとに書かれています。

    今回のテーマは、私の最も興味のある「桶狭間の戦い」この戦いでは、今川義元、織田信長、せいぜい、改名前の徳川家康程度ですが、この本では義元嫡男の氏真、今川義元の家来、当時は蟄居中であった前田利家の視点からも書かれています。

    このシリーズは他にもたくさん出されているようです。令和2年初めての三連休で楽しませてもらいました。

    以下は気になったポイントです。

    ・今川勢の目的は、自分達とその民を食わせrことである、神社の宮司・寺の住職・町衆の長を都合の良い人間にすげ替えることができる。それがわかっているから、町衆の方が城持ち武将よりよっぽど必死であった。信長の出馬を心から喜び、率先して兵を提供した(p14)

    ・動かざること山のごとし、その代わり、心が決まったら迷ってはならない、「はやきこと風の如く」(p121)

    ・1554年、今川義元、北条氏康、武田晴信(信玄)が駿河の善徳寺に集まって攻守同盟を結んだ、この同盟によって今川は東と北の脅威から解放され、西にすべての力を注ぐことがきるようになった(p122)

    ・大高城は最も西にある今川方の城で、義元が尾張に打ち込んだ「楔」のようなもの、織田勢にとっては目障りなので、東側に、鷲津砦・丸根砦という二つの付け城を築いた(p140)

    ・戦国期の大名と国人領主たちの関係は、自家の利益と生き残りを第一とした。武田氏滅亡のさい、その本国甲斐の国衆でさえあっさり織田へ寝返ったのも、国人領主としてとるべき最善の道であり、避難されることではなかった(p162)

    ・今川本軍は、5月13日には朝比奈泰朝の居城、掛川城へ、14日には曳馬城(浜松城の前身)に着いた、17日には池鯉鮒(ちりゅう)へ到着。狭奈岐大明神(さなぎ)の境内の池に、明神の使いという、鯉と鮒が多く泳いでいることからついた地名と伝わる(p174)

    ・江戸幕府の老中・松平定信が、国を亡ぼす因として、足利義政の茶の湯、大内義隆の学問、今川氏真の歌道、をあげている(p183)

    ・織田が今川領を併呑してしまった場合、武田・北条と境を接することになり、領地が何百万石あっても上洛はおぼつかない(p249)

    2020年1月12月日作成

  • 桶狭間の戦いが舞台、いろんな男を主人公に7人の作家が短編を書いたアンソロジー。合戦の様子をリアルに書いた作品あり、信長と敵方の駆け引きを書いた作品あり。なかなか濃い内容の作品ばかりだった。ほとんど作家の創作だから作家の力量に魅せられる。最後の短編は作家の意図によるものだと思うけどかなり独特。文章のくぎれがなくページいっばいに文章がびっしり。なおかつ義元の首が語るという設定。読むのを途中で断念した。

  • 作家さんにもよるけど今川好きは読むとがっかりするかも?
    酷い書かれ方だけど、首視点というところは面白かった。首視点というところだけは。

  • 今川義元、一文で延々と綴られる文に義元の歪んだ性格、生まれ育ちが反映されてる様。皆がもつコンプレックスが生々しく描かれており、非常に人間臭かった印象。首なのに。

  • 桶狭間の戦い、有名な割に実はよく知らないのだと改めて気づかされた。

    岡部元信の戦いなんて全く知らなかった。
    仏と神の代理戦争という視点は興味深かった。
    そして、そういえばそうだったかもとは思ったけれど、今川氏真が長寿を全うしていたとは。
    ダメダメな彼が活躍する「非足の人」は、なかなかに爽快だった。

    しかし、花村萬月はあまりに独特。一人異彩を放っていた。
    読みにくいのに読まされてしまう。そこは流石と言うべきか。自分では絶対に読まないので、貴重な体験ではあった。

  • 決戦!シリーズの第5弾。桶狭間の限定された時空に凝縮された義元の首を巡る七つの物語。どれも傑作です。七つ目の物語が首になった義元の語りになっていますが、こちらの読む気力が無く、評価できませんでした。
     六つの物語を評価すると5点満点中、平均は4.8点になりました。
    ①覇舞謡 幸若舞の敦盛をバックミュージックに信長公記を素直に解釈した作品。斬新性は有りませんが、冒頭にあることで、桶狭間の戦いのガイドストーリーになっています。 4点
    ②いのちがけ 信長の勘気を被っていた前田利家の主従の物語。ネタバレ出来ない傑作。 5点
    ③首ひとつ 毛利新介と共に、戦場を駆けめぐる!臨場感抜群。5点
    ④わが気をつがんや 家康が格好良すぎる? 5点
    ⑤非足の人 義元の嫡男、氏真は蹴鞠の達人。蹴鞠したさに沓掛城まで来たが… 5点
    ⑥義元の首 最前線の今川方の守将、岡部元信。義元の首は信長が丁寧に供養し、元信は降伏して命は助けられたと、信長公記にあり、信長らしくないと思っていましたが、実は…5点 
    ⑦漸く、見えた。義元の首はかく語りき 評価に含まず
    以上、合計29点平均4.8

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著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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