十一月のマーブル

著者 :
  • 講談社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062203043

感想・レビュー・書評

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  • 6年生の11月、波楽(はら)くんにある出来事が起こります。きっかけは父の書斎で見つけた一枚のハガキ。戸森センセイによれば、「人生に不要なピースはない」とのこと。波楽くんの人生を埋めるピースに注目。

  • 表紙に惹かれて読みました。
    子どもが読むには重たいテーマが折り重なっているような気がしますが、小学6年生が悩みながらも前向きに向かっていく姿に、純粋に感動しました。そして、主人公の周りにいる大人たちの温かさに、自分もこうありたいと感じるところが多かったです。
    設定もよく考えられていて、子どもが読みやすく、理解しやすい文章になっていると思いました。
    最後のどんでん返しにはびっくり!

    ・神様はかならず、その人に必要なピースを与える
    ・未来は明るいって、いっしょに信じて
    ・好きだけど、いっしょにいると傷だらけになりそうだから

  • 11月末。タイトルに “十一月” とある本を借りてきた。

    父親との...親友との...複雑な関係性が...。そういう本だったのか。テーマは少し重い。表紙からは想像できない。でも悪くない読了感。

  • 11月のマーブル
    人間は1個体、1個体につき高度に複雑な精神世界をもつ生き物であるが、生命であることには変わりない。

    道徳とか倫理とか、他の個体と協力するための社会にまつわる精神と、生と死の存在を自覚するがゆえの人間特有の精神性は強いものに思われるが、
    生命としての本能もそれに劣らず強烈に人間を突き動かす。

    コントロールの行き届かない生命の力が、人間特有の苦しみを生む。この話では不倫によってできた血縁関係のない家族の悩み、性同一性障害の悩みなどが扱われる。

    大きな視点で見れば人間のやっていることは、他の生き物のそれと大差なく、穏やかに過ぎる時間の流れのなかでシンプルな生命の営みが続いているだけである。しかし人間の視点から見るとそこにはさまざまな苦しみと幸せな感情が渦巻いていて、それが数ある生き物の中で人間という種として生を受け、この世を謳歌する、一番自然なやり方なんだなぁと月並みなことを思った。

  • 女の子だったんだーって感じ

  • 小4の姪からお薦めされたから読んだけど、これ子供が引き受けるにはかなり重たいし内容が濃いと思う。主人公と血の繋がらない家族、本当のものすごく若い父親、一番好きな女の子で男の子の親友。ものすごく重たいものを主人公たちは背負っていて、でもいい人しか出てこないこんな複雑な世界を不幸だとしてしまわなかったためにみんなお金には困っていないところがちょっと減点かな。小4姪は読書家です。

  •  波楽(小6)は、は、小説家の父に頼まれた資料を探していて、一枚の葉書を見つける。その葉書は、波楽の産みの母・華子の七回忌を知らせるものだった。波楽の両親は、波楽が一歳の頃に離婚していた。
     家族との関係、友人レンのこと……最近の児童書って、子どもの置かれている状況が複雑だな。

  • 子どもの本かと思いきや、テーマは重い。
    自分の子どもには中学生以上で勧めたい。
    さらっと読めるが、最後にはどんでん返しもあり、始めに戻って読み直してしまった。
    実際にあれば辛すぎる現実だろうが、登場人物が全員素敵なキャラクターなので救われる。
    波楽ファミリーもレンも凪カップルも幸せになれますように。

  • 小5の子どもにすすめられた本。

  • 血がつながっていない家族の話。戸森しるこさんの本は初めて読みました。ぶっきらぼうにも思える簡潔な文体から苦しさとか優しさとかが伝わってきて、すごく好きな感じです。
    レンも、売れっ子作家のおとうさんも、マーブリングギャラリーの凪さんとサキさんも、人間味があって素敵なひとたちでした。

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著者プロフィール

1984年、埼玉県生まれ。武蔵大学経済学部経営学科卒業。東京都在住。『ぼくたちのリアル』で第56回講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。同作は児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞フジテレビ賞を受賞。2017年度青少年読書感想文全国コンクール小学校高学年の部の課題図書に選定された。『ゆかいな床井くん』で第57回野間児童文芸賞を受賞。その他の作品に『十一月のマーブル』『理科準備室のヴィーナス』『ぼくの、ミギ』『レインボールームのエマ』『すし屋のすてきな春原さん』 (以上、講談社)、『トリコロールをさがして』(ポプラ社)、『しかくいまち』(理論社)、『れんこちゃんのさがしもの』(福音館書店)、『ジャノメ』(静山社)などがある。

「2023年 『ぼくらは星を見つけた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

戸森しるこの作品

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