- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062203333
作品紹介・あらすじ
清水勇介は「奇跡の水、ミラクルネイチャーウォーター」の訪問販売をしていた。ペットボトル10本を担ぎ、足を棒にして歩いても契約は一件もとれない。諦めてアパ―トのチャイムを端から順に鳴らしていると、一室のドアが開き、小学校時代の友人・小山田と再会した。
連絡をとらなくなって久しいが、昔は当時流行っていた特撮ヒーロードラマの真似をして遊んだ仲だ。
小山田はいとも簡単に、宅配水の契約をしてくれるという。その言葉につられて家に上がると、小山田はCDラジカセのスイッチを押し、予言者・ケンジのラップを流す。ラップの内容は、清水がこの部屋に来ることを予言したものだった。さらに小山田は、世界は八百四十一年後に終わることが決まっており、世界の終わりを防ぐため、ケンジに会って「世界を守り隊」に入ってほしいと頼まれる。
どうする、清水?
感想・レビュー・書評
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「世界が終わる」スケールの大きさと、身近なところでピースが繋がっていくアンバランスさが面白い。
神は小さきところに宿る、という事か。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あー面白い。若干詰め込みすぎ感あったけどそれでも散らばってたいろんなエピソードが終盤にかけて一本の線になる様は見事、何度もページ巡って戻ってを繰り返しちゃった。
以下ネタバレあり
あのとき、マンホールから中に入り込んだ男としかつるまない篠田さんだけでてきていない気がするのですがいた?? いない…よね?
伏線が多すぎてちょっと回収でき損ねてる感があってマイナス1。でも面白かった。
正解を選ぼうとするから間違える、という言葉がとても重く響いた。正解を選ぼうとしちゃってるわー、間違いまくってるわー、波多さん、、!!
あと清水の元カノ亜衣ちゃんのコンパでのはじめの水牢の話、ブラックすぎてたまらないね、それもこれも全て一本に繋がってて、まさにヒーローの選択でうっとりした。面白かった!!-
確かに篠田さんいない・・・。合コンの巻き髪女は篠田さんって名前だけど、別人のような・・・ですよね。
行成さんの小説本当に面白いです。もっと...確かに篠田さんいない・・・。合コンの巻き髪女は篠田さんって名前だけど、別人のような・・・ですよね。
行成さんの小説本当に面白いです。もっともっとみんなに広めたいです。2016/12/22
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それぞれに重い理由がありつつ、コミカルな話運びで繋がっていくのが良い感じ。
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ラッパーの予言?からのドタバタ劇以上のものが隠されているのかと最後まで読み進みましたが、自分には見つかりませんでした。文中に「世界はとてつもなく広大で、自分が小さな歯車のひとつに過ぎないことに気づくだろう。この世界にヒーローなんていないことも、スーパーバワーが自分に備わっていないこともにも。歯車はどちらに回るのか悩みぬいて選択するしかない。そういう小さな選択が世界を回す最初の一歩になるかもしれない。」とありますが、これが作者の言いたいことなのでしょうか?これが著者の言いたいことであれば、同書の筋書きは、飛び過ぎではないでしょうか?この飛び過ぎ感が好きな方も居るのでしょうが、自分には、合いませんでした。 -
ミネラルウォーターの営業先で幼馴染みに出会い世界を救う仲間にさせられる主人公。様々な出会いも偶然じゃなくて必然というか予言通りというか。予言が当たるところは面白いけれど、爽快感はなかった。
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ちょっと風変わりな小説でした。未来は決まってるのか決まってないのか、自分はそれに関わっているのか、何を選択するのか。まとめ方は良かったです。
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飲料水の訪問販売をしている清水は売上ワースト1の名を返上すべくアパートを1つずつ回っていく。最後の部屋を訪れると小学校の同級生・小山田が契約と引き換えに無理難題を吹っかけてきた。
「このままいくと、世界が終わるんだ」
は? 以外の台詞は出ないわな、普通。預言者ケンジにボクサー崩れのロッキー、小山田、売り方を迷走しているアイドル・ヒカルは世界を救うために悪と戦うのだ!
所々笑えるし、しんみりもするのだけど。着地点が私にはしっくり来なかったなあ。 -
予言者ケンジは、ラップのリズムにのせて予言する。宅配水の営業マン清水は、841年後の世界の終わりを防ぐため、「世界を守り隊」の一員となるが・・・
世界はすべて繋がっていて、因果応報という言葉が頭に浮かぶ。 -
ほんと面白い。そして今作は、行成さんとセットだと思っていた過去2作のような寂寥感はなかった。相変わらず読後感は最高。ほんと面白い。胸がすくような傑作。
誰もがヒーロー。誰もがヒロイン。その選択は世界を変える力を持っているのだ!
ハチクマにヒカりんって、ももクロとあかりん?「アレもダメ。コレもダメ。全部ダメ。」ってあーりんのあの歌?という楽しみ方もあったりして。そもそもこの物語自体が「泣くのは自分次第、笑うのも自分次第、さあどうすんのか決めな」「人生、それは死ぬまでのY字路」「いつか来る悲しみなら、ちゃんと来るかわからない。そんなもののせいで今からグズグズしちゃダメだ。」という「DNA狂詩曲」を彷彿とさせる。と思うのは僕だけでしょうか?
いろんな伏線、いろんなつながりの妙はどうしても伊坂さんチックな印象から抜け出せないけれど、正直、完成度は伊坂さんをすでに超えていると思います。そして何より、読後の良心的な心地良さは格別です。絶対にみんなにも読んでもらいたい。
(亜衣の考え方だけがちょっと引っ掛かっているのは玉さんに瑕ってことで。)
それにしても、各章のネーミングはなんだろうこれ?なにかのモチーフがあるはずだと思うんですが、誰かに説明してもらいたいです。