大雪物語

著者 :
  • 講談社
3.49
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本棚登録 : 118
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062203371

作品紹介・あらすじ

ある冬、N県K町が観測史上初の99センチという豪雪に見舞われる。町民をはじめ観光客、仕事のため車でK町に訪れた人々は、駅や車中など長時間足止めを余儀なくされた。町、県、国レベルの除雪作業も追いつかず、町の深刻な状況から災害救助法が適用され、自衛隊の派遣も要請される。そんな非日常のさなか、紡がれる6つのストーリー。、避難所を設ける花屋、車に閉じ込められた人たちの救済支援にあたる自衛隊員、独居老人を救った青年の過去など「冷たいからこそ、人はより一層心を温かくさせる」

感想・レビュー・書評

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  • 6話から成るオムバニス形式の物語で、記録的な大雪で陸の孤島となる町を舞台に、非常事態の中偶然起こった出会いによるそれぞれのドラマが、興味深くて面白かった。
    非常事態の中の偶然は、平時のものより数倍面白く感じた。

  • まるで空が破けてしまったかのように
    降り続く雪に、
    あっという間に覆い隠されてしまう日常生活。
    交通も遮断され、除雪も追いつかないほどの
    雪に閉ざされた世界は、
    きっといつもとは違う異次元の世界に
    少しだけ入り込んでいるに違いない。

    思いもかけない出会いがあったり、ずっと会えずにいた人が訪ねてきたり
    心が揺れたり、願いが叶ったり。。。
    それは雪のない世界では決して起こらなかったであろう物語たち。
    雪が降ると誰もが感じる、あの
    いつもより少しだけロマンチックになる気分を
    たっぷりと堪能できた一冊でした♪

  • 暑い夏には情景が浮かんで涼む気がする。短編。葬儀屋とピアニストの話がよかったな。

  • 今年は大雪だったので、読んでみた。

    イニシャルで表記されてはいるけれど、何度も足を運んだことがある、軽井沢てある事はすぐに分かるし、モチーフになった場所は大体察しが付いたから、読みながら頭の中に映像が流れてきてあっと言う間に読み終えた。

    全てのエピソードが面白かったが、特に6話が良かった。

  • この作者の作品を読むのは初めて。文庫が新刊コーナーにあり純粋にタイトルに惹かれて手に取った。
    書かれている男女の関係になんだか時代錯誤な感じを受ける。どことなく男性優位な目線だったり、出てくる女性は少なからず水商売に携わっていたり男性の前では受動的だったり、『雨だれのプレリュード』の男女の会話なんて現実にそんな会話あるかという位薄っぺらかったり。
    そんな中で「スマホ」等と新しい言葉が使われ、それはそれで浮いている。自然災害の中でも情報が手に入る便利さ、人間関係の希薄さを象徴したいのはありありと分かるが、短絡的。
    内容以前に、人々の心の動きを描く割には文体が淡々としすぎていて決まった事実のみ順番に告げられているような感じ。
    ビッグネームというだけで売ってるんだろうなあ。

  • 既視感のあるエピソードばかり。好きな作家さんだったから、ちょっと残念。おもしろかったけど。

  • H31/4/12

  • 吉川英治文学賞受賞作
    藤田氏が暮らす『K町』といえば、もちろん軽井沢ですよね(^^)
    奥様の小池真理子さんと飼い猫ちゃん達と 閉じ込められて酷い目にあったのかな?
    そんな想像が膨らんでしまいました。
    全体的に淡々としつつも暖かさを感じさせる内容です。第二話「墓掘り」が特に印象的だった。

  • 2017年 第51回 吉川英治文学賞受賞

  • さすがの藤田さん。
    安心できる。
    そして、なんとタイムリーなお話。
    今年の雪はかなり深くて酷い。
    K町(藤田さんがお住まいの軽井沢なのが見え見え(笑))ほどではないけど、数年ぶりの大雪です。
    大雪の休日は、外出なんかしないで、食事もありもので済ませて、家に籠るのが一番。
    そのときに、読んだ本がこれで、まさしく、上質な雪の一日となりました。

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著者プロフィール

1950年福井県生まれ。早稲田大学文学部中退。パリ滞在中エール・フランスに勤務。76年『野望のラビリンス』で小説デビュー。95年『鋼鉄の騎士』で第48回日本推理作家協会賞長編部門、第13回日本冒険小説協会大賞特別賞をダブル受賞。その後恋愛小説へも作品の幅を拡げ、99年『求愛』で第6回島清恋愛文学賞、2001年『愛の領分』で第125回直木賞受賞。17年には『大雪物語』で第51回吉川英治文学賞を受賞した。その他『タフガイ』『わかって下さい』『彼女の恐喝』など著書多数。2020年逝去。

「2021年 『ブルーブラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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