八月は冷たい城 (ミステリーランド)

  • 講談社
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本棚登録 : 611
レビュー : 87
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062203456

作品紹介・あらすじ

夏流城(かなしろ)での林間学校に初めて参加する光彦(てるひこ)。毎年子どもたちが城に行かされる理由を知ってはいたが、「大人は真実を隠しているのではないか」という疑惑を拭えずにいた。ともに城を訪れたのは、二年ぶりに再会した幼馴染みの卓也(たくや)、大柄でおっとりと話す耕介(こうすけ)、唯一、かつて城を訪れたことがある勝ち気な幸正(ゆきまさ)だ。到着した彼らを迎えたのは、カウンターに並んだ、首から折られた四つのひまわりの花だった。少年たちの人数と同じ数――不穏な空気が漂うなか、三回鐘が鳴るのを聞きお地蔵様のもとへ向かった光彦は、茂みの奥に鎌を持って立つ誰かの影を目撃する。閉ざされた城で、互いに疑心暗鬼をつのらせる卑劣な事件が続き……? 彼らは夏の城から無事に帰還できるのか。短くせつない「夏」が終わる。

感想・レビュー・書評

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  • 光彦は夏流城の林間学校へ参加していた。
    みどりおとこに差し出された招待状の意味を、夏流に住んでいて知らないものはいない。母親が緑色感冒に侵され、施設へ隔離されてから覚悟はしていたはずなのに、光彦の気持ちは考えるほどドライには成れなかった。
    光彦のほか、幼馴染の卓也、どこか中世的な少年幸正、体の大きな一見おおらかそうな耕介の四人はともに理不尽なひと夏を過ごすこととなる。彼らは城に到着してすぐ首をおとされたひまわりを見つける。ご丁寧に人数分4つ並べられたひまわり。そして彼らの周りで悪戯では済ませられない事件が起こり始める。

    7月よりおどろおどろしかった。というか途中までホラーへまっしぐらだった。ラストでころりと感動してしまったけれど。蘇芳を主人公にした物語がいつかでたらいいな。もちろんそっとミチルや光彦もでてほしい。

  • 『七月に流れる花』と一対になった物語というか続編のようなもので、『七月〜』を先に読んでおくべき。こちらを先に読んでしまうと、『七月〜』がすべてネタバレしてしまう。
    林間学校に行った男子たちの話で、こちらは林間学校に呼ばれた理由はみんな知っているが、不穏な事件が続き疑心暗鬼になってゆく。
    『七月〜』で疑問だった点が少し解明されたが、みどりおとこの真実はかなり怖い。

  • 世界観そのものを謎とした『七月』だったけれど、その状況が改めてしっかりと認識された上で物語を作られると、少年少女にはあまりにヘビーな状況だったのだな、と痛感させられた。
    『七月』は状況そのものが謎なためファンタジーに近い印象だったけれど、状況が明らかになっている『八月』では、ホラー+ミステリ要素が強めになっている。
    同じ世界観でこれだけテイストの違う話を作れるのはすごいと思った。
    そして最後に明かされる真相は、やはりこれはミステリーランドだったのだな、と痛感させられる。決して子供向けでは無かった…。

  • 7月に流れる花と対になっています。こちらは後で読みました。

  • 7月は・・・と同時に読んだ
    サクサク
    ちょっと物足りない

  • 「七月」が女子バージョンで、「八月」が男子バージョン。どちらから読んでもいいかというとそうではなく、やはり「七月」からが順当だったな、と、読み終えて思いました。

    奇妙な夏休みのお話。
    その最後の最後の「謎」というか「推理」には、「え、・・・それは・・・」と思うものの、読み心地はグロテスクといよりも、もの悲しいと感じてしまうのが、自分でも不思議でした。

    酒井さんの挿絵も効果的で、雰囲気がよくあってました。さすが。

  • なんて贅沢な装丁!
    高かったけど、納得!
    2冊も恩田陸の新刊が読めるなんて幸せ過ぎて、勿体無くてなかなか読めなかったけど、ようやく読了。
    恩田陸らしい内容で、とても満足。
    終わり方もきちんとしていて、素晴らしい。

  • 『講談社ミステリーランド』最新刊。
    同時刊行の『七月に流れる花』の、『男の子側』から見た物語。
    ミステリーランドは『毒』のある物語が多かったが、本書もかなりのものだった。
    叢書自体も秀作が多かったので、もう出ないというのは残念。忘れた頃にぽつぽつと……で構わないので、出し続けては貰えないだろうか。無理かなぁ……。

  • 久しぶりに恩田陸できちんと話がまとまって完結した作品。七月を読んで自分なりに考えて八月を読むと全く違った謎が隠されていてアハ体験が出来る。装丁も凝っていて家に置きたい。

  • 「七月は~」との連作。
    こちらのほうがミステリーっぽさがあったかな。

    でも七月のほうがおもしろかった。
    夏流城の謎がわかっちゃってるからかな~

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著者プロフィール

1992(平成4)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞を、2006年『ユージニア』で日本推理作家協会賞を、2007年『中庭の出来事』で山本周五郎賞をそれぞれ受賞した。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木賞と第14回本屋大賞を受賞。

「2021年 『薔薇のなかの蛇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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