あさきゆめみし 完全版5

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 32
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062204040

作品紹介・あらすじ

養女にして亡き恋人の娘。その美しさが、光源氏(ひかるげんじ)の理性を失わせた。亡き恋人の娘を、養女に迎えた光源氏。姫を貴婦人に育て、最良の縁談を調えようとしたのは、親心のはずだった。しかしその美しさに心を奪われ、養父としての一線を越えてしまう……。

読むだけで、源氏物語がよくわかる。ハードカバー愛蔵仕様。

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  • 春の日のうららにさしてゆく船は
     棹のしずくも花ぞ散りける

    ーーうららかな春の光の中を行く船は
       竿のしずくまで花のように散ってゆきますーー


    京の都に戻った源氏は、かねてからの夢を実現させた。

    「静かな住まいを。どうせならば心ゆくまで趣味をつくして」

    南東(たつみ)の町(源氏、紫の上、明石の姫君)ーー春。
    「私たちの住まう南東の町は春の園だ。春になればここはは春の花々でいっぱいになる」

    北東(うしとら)の町(花散里、夕霧)ーー夏。
    「北東の町は夏の園だ。さわやかなご気性の花散里の住まいにふさわしく夕霧もいっしょだ」

    南西(ひつじさる)の町(秋好中宮)ーー秋。
    「南西の町は秋の園。秋をお好みの梅坪の中宮さまの里内裏に」

    北西(いぬい)の町(明石の上)ーー冬。
    「北西の町は冬の園。そこに住む人にふさわしく…」

    ゆかりの人々をよびよせて、理想の生活がはじまるはずだった。

    だが、人の悩みが尽きることはない。

    生きていくことそれ自体が、理想と現実の狭間でもがくことだからだ。

    美しく、そして今を懸命に生き抜く源氏の物語が続いていく。

  • さてそろそろ女性を絵で判別するのが難しくなってきた。親の姿を見て子は育つ。朝顔の君然り、秋好中宮然り、夕霧然り。源氏の、心はいろんなところにありながらも、紫の上に「君には何でも話すよ」という態度もいかがなものか。親の都合で引き離される夕霧と雲居の雁。小さい子が悲しむ姿はいつの時代でもインパクトがあり、たとえそれが1000年前のしかも架空の話だとしても、助けてあげたくなる。夕霧が自分の力で立ち直ることを期待する源氏はさすが。そして雲居の雁につり合う男になるために努力する夕霧はいじらしい。最後にかっさらうダークホースひげ黒。玉鬘がっ!

  • でた!近江の君!
    打てば響くように和歌を作り上げる教養深い人々の中にいて、強烈な存在感を放つ近江の君が登場。
    そして夕霧の忘形見の玉鬘も登場します。源氏の子供たちのお話も入り混じりながら、物語は中盤を迎えました。

    いくら美男子でも、中年になった源氏は、昔ほどモテなくなっています。やはり若者がいい、ということなのか、養父と冷泉帝だと、冷泉帝のほうが美しく感じる玉鬘や、梅壺の中宮の反応を見ると、若いときのようにいかない源氏の年齢を感じます。今見ると完全にセクハラな源氏の言葉や親密な行為をなんとかかわしていく玉鬘。

    わりと源氏をちゃんと読んでいない人は、全編通して源氏がとにかくモテ続ける印象を与えるようですが、好きだけど違うの、なんて形で振られることもこの頃から増えてきます。それも女性によって形が違い、私としては朝顔の君の源氏拒絶理由が印象的でした。女としての生き方には、本当に結婚しかないのか?この時代からこんな葛藤を持つ女性がいたとは。源氏と結婚して仕舞えば、女としての苦しみが引き起こる。その闘争の中にいたくないという、当時の女性ならではの悩みを見据えて、結婚という形や、お互いに愛を交わす形をあえて取らない生き方がカッコよかった。
    また、主要人物ではない中、花散里の言葉は考えさせられました。
    美しいと相手からの愛を独り占めできないことに思い悩む。それが故に自分はこんなものと立ち位置が理解できている花散里は、源氏を愛する喜びだけに浸っていられる。

    男ってやつは!と思いたくなるエピソードもたくさんあります。でも女性は女性で負けてない。女が自由でない時代だから、どんな覚悟を持って生きるか、それが問われるように思います。

    で、ラストの髭黒…。玉鬘のことを考えると不憫でならない。

  • 六条の住まいが完成。
    南東に紫の上。北西に明石の上。
    待つことしかできない女たち。
    男と女の関係を避けたい槿の姫君の気持ちも分かる。

    そして玉鬘の君。
    母の夕顔はたおやかで好きだった。
    父の内大臣に内緒にして、あわよくばと思う
    源氏は本当にしょうもない男だと思うけれど、
    実際、目にしたら、
    理屈では分かってても拒めないんだろうな。

    そんな中、夕霧と雲居の雁の恋、ホッとする。

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著者プロフィール

1948年生まれ。1966年デビュー。代表作『はいからさんが通る』『あさきゆめみし』『ヨコハマ物語』『N.Y.小町』など。『はいからさんが通る』で第1回講談社漫画賞を受賞。作品の映像化、舞台化も多数。

「2021年 『総特集 大和和紀 デビュー55周年記念』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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