〈世界史〉の哲学 近世篇

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  • 講談社
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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062204538

作品紹介・あらすじ

遅れた封建ヨーロッパの中世末期になぜルネサンスと宗教革命という相反する運動が同時進行したのか。ラテン語で書かれた聖書を読めないカトリック信者のジレンマとはいかなるものか。科学革命のハイライトともいうべき「万有引力」は、合理的思考が忌避する遠隔作用ではないのか。西欧だけがなぜ近代へと飛躍しえたのかという謎が今、解き明かされる!

感想・レビュー・書評

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  • 社会学者、大澤真幸の近年のライフワークという印象のある「<世界史>の哲学」シリーズ。現在までに古代、中世、東洋、イスラーム、近世の5つの時代を舞台として出版されているが、資本主義と神の問題を改めて考えるきっかけとして、最も時代が近い本書をセレクト。

    本書では、ルネサンスと宗教改革という正反対の運動が同時に起こり、科学革命という近代社会へ繋がる運動も起こった中世を舞台にして、大澤真幸独自の概念である「第三者の審級」をキー概念として、神を疎外したかに見える近代社会は、実は第三者という形で神を内面化しており、その影響から逃れ出ていないということが描きだされる。

    読みながら、本当の知性というものはここにあるのかもしれないという知的興奮が止まらず、500ページの大著ではあるが、スムーズに読めてしまった。政治学、美学、宗教学、経済学など様々な要素が神の存在を媒介として繋がっていき、美しい論理が構成される一冊。

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著者プロフィール

1958年生まれ。社会学。個人思想誌「THINKING「O」」主宰。『ナショナリズムの由来』で毎日出版文化賞を受賞。『自由という牢獄』で河合隼雄学芸賞を受賞。著書に『不可能性の時代』『〈自由〉の条件』『〈問い〉の読書術』『考えるということ』など。共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』『憲法の条件』『げんきな日本論』『21世紀の暫定名著』など。縦横無尽なジャンルで現代を解きあかすスタイルで、社会学の第一線を担う。

「2018年 『今という驚きを考えたことがありますか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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