野村證券第2事業法人部

著者 :
  • 講談社
3.48
  • (24)
  • (56)
  • (66)
  • (15)
  • (5)
本棚登録 : 560
レビュー : 63
  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062204620

作品紹介・あらすじ

トヨタを上回る約5000億円もの経常利益を叩きだし、日本一儲けた会社だった野村證券。その黄金の日々を克明に描く。
厳しいノルマで次々と社員が辞めていくなか、飛び込み営業で新人トップの成績を上げ、「コミッション(手数料収入)亡者」とまで呼ばれるようになった著者。後に社長になる「小タブチ」こと田淵義久氏に抜擢され、第二事業法人部へ。待っていたのは個性派でアクの強い先輩たち。彼らとぶつかり合いながら、順調に出世していった著者は、役員の登竜門でもある新宿野村ビル支店長を最後に退社、独立する。
ところが、第二事業法人部時代に付き合いのあったオリンパスと仕事をするうち、巨額粉飾決算事件に巻き込まれ、刑事被告人に。「飛ばしの指南役」などと名指しされた著者が、激しくも懐かしい野村時代と人生を暗転させた事件のすべてを実名で書いた。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 実際に野村證券で長年働いてた著者による自伝。
    いわゆる内部事情に関する暴露本。

    内部事情に関して面白おかしく書いており、読んでいて痛快。株や証券の知識が必要なところあり。

    後半はオリンパス事件の詳細について、検察批判など。

    しかし、あくまでこれは著者の見解であるということに注意は必要だろう。

    オリンパス事件以外の部分、特に前半の内容が面白かった。オススメの一冊。

  • シンプルに考えれば当たり前だけど、気がつかなかった。証券会社は購入者のためではなく発行会社(客)のため、コミッションのために売っている。購入者の損得はどっちでもいい。本質を見抜く力が無ければ付き合えない世界だわ。

    今、何かが表沙汰になれば、多くの人がやっぱりなって、思うのではないか。
    一度失った社会的信用を取り戻すことは難しい。人は入れ変わっても「業」は、ずっと消えないのかもしれない。宮部みゆきの「ペテロの葬列」を思い出す。
    本来、会社とは社会を豊かにするために存在する。これに共感して投資をするが、この本の前半では、金融業界のドロドロした裏側をあっけらかんと語られ、戦慄が走った。
    何も知らない人を騙し大口顧客にその金を横流しして、潤わすなんて、それが本当にビジネスなの?彼らは死ぬ間際に、いい人生だったと思うのだろうか?
    なんて本気で考えさせられるということは、この本は、リアルで優れた作品なのかも知れないと感じた。
    後半は、裁判の話で、日付がどうとか、ちょっと分かりづらかった。

  • 稼げば何でも許される

  • 損するとわかっている金融商品を無知の顧客に売り付ける前半の辺りは,ある意味ホラー.
    顧客のことを「客」と呼ぶ辺りに色々感じるものがある.
    ページをめくる度に心が痛んだが,その生々しい描写は下手なドラマよりも面白く,興味深くはあった.
    野村證券というか,証券業界って昔はこんな感じだったんだろうな.
    証券会社がどんな業務を知ているのか初めてよくわかった.

    後半は冤罪の怖さを感じた.真実はわからないけれど,仮に著者が冤罪だとすると,全く恐ろしい話.
    「起訴されて無罪となるのは0.1%.でも私は野村證券の中でもっと低い確率の中で勝ち残ってきた」の件はなかなか良い.

  • オリンパス事件の黒幕と言われる、野村證券出身のコンサルタント横尾氏の半生記。
    野村證券時代の前半と、横尾氏本人から見たオリンパス事件の内実。
    前半は「野村證券全体がキチガイなのか、横尾氏個人がサイコパスなのか、それともその両方なのか?」という感じで、会社の利益とコミッション稼ぎのために客を騙してはめ込み食い物にしていくのを武勇伝として語る。当時は違法/犯罪じゃなかったと、当時の緩いルールのすれすれを付いた手法を損失補填じゃなかったと言い切る思考回路。一般人から見たら犯罪者以外の何物でもない。少なくともホリエモンが捕まるなら横尾氏は終身刑ものにしか見えない。というかライブドアこそ、こういう証券会社の人間にいいように食い散らかされたんだろうな。

    後半のオリンパス事件の内幕も、本人は自分が無罪と信じ込んでいるのが凄い。本人の経緯を読んでるだけでも怪しくってしょうがないと感じるのに、本人は「こういう経緯だから俺は潔白」と言い張っていて読んでて怖くなる。野村證券時代の悪行の数々を自慢しまくった挙句に、退職してコンサルタントになった途端に金融スキームにはノータッチで、ベンチャー投資に注力して料理機器メーカーの実務に邁進していたとか読者が納得すると思ってるんだろうか?おそらく横尾氏の記憶はそうなっているんだろうけど、現実は全然違うんだろうな、と。
    勿論オリンパス経営陣の証言もほとんど信用できないのだろうけど、ご本人の弁明読むだけでも有罪感に溢れていて、ある意味尊敬。

  • 顧客を食い物にし、損を「大損」にしなかったことを誇らしげに語り、当時を回顧し悦に入り、それを武勇伝として正当化する、不愉快を通り越して恐怖を感じる。オリンパス巨額粉飾事件への関与は冤罪なのかもしれないが横尾氏ならやりかねない印象を持ってしまった。野村證券時代の用意周到な人物像に対してGCI時代のザル体質は違和感を感じるし、疑惑の出来事は詳述すぎる。

    もちろん横尾氏の卓越した営業センスや相場観は認めざるを得ないし唸らされるような優れたスキームも多々ある。また高度経済成長期からニクソンショックを乗り越えバブルへ昇華し崩落する激動の時代を、中心的人物である野村證券の第一線に居たことは興味深い。しかし、例えばワラントを使ったマイナス金利による資金調達など自信満々に披露しているが、上昇相場前提でリスクを無視した結果オーライの欺瞞に満ちたスキームだ。ほか群栄や日商岩井を稚拙や狡猾などと名指しで批判し、上司同僚たちの品位を貶めるような本書は狂気に満ちていると言わざるを得ない。

  • 横尾さん、めっちゃ頭いいー!
    読み終えて思うのですが、日本めっちゃ怖い。無罪1000人に1人だって!裁判になったらほぼ有罪って…もう絶対冤罪ありますよねこれ?検察も警察もぜったい脳みそ筋肉しかいないだろうから、確実に「冤罪が出るのは仕方ない!」って思われてるんだろうな。捜査がちゃんとオープンになりますようにと願ってやまない。っていうか、捜査自体ずさんだし、何も解ってないし、こんなバカな人たちが捜査して大丈夫なのか本当に不安。
    それにしても、頭良すぎたんでしょうね。ホリエモンとか村上さんとかが頭をよぎります。世間もね、ただのオジサンが痴漢で捕まると「かわいそう!冤罪!」って言ってくれるのに、高学歴高収入の勝ち組野郎が逮捕されると嬉々として「ざまぁぁぁ!」ってなりますよね。なんでだろうね?
    前半の証券時代も、後半のオリンパスの山田氏の計画に巻き込まれていくところもハラハラしながら読みました。図解されてるので、完璧には理解できなくても大体は「こうやってお金動かしてごまかしてたのね」と思える。
    私は冤罪だと思うけどな。もしかしたら、少しは知ってたのかもしれないけど「疑わしきは無罪」ですから。


  • 記録

  • 前半はおもしろかった。ブラック企業過ぎる。絶対に自分は耐えられない…。
    後半はよくわからなかったのでほとんど読んでいない。

  • 「これ読んでみろ。うちよりブラックな会社があるぞ」と前職で上司に言われて読んだ本。

    確かに、成績悪いから家族を呼び出されて泣かれるのは、どんな罵声よりきつい・・

    今仕事でこの会社と取引する事になったので、改め読み返してみた。

    いつも電話ではフレンドリーな担当者の方も、背景がこのような環境なのかな・・と考えると、フレンドリーの笑顔に騙されないようにしないと・・

全63件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1954年、兵庫県出身。京都大学卒業後、野村證券に入社。オリンパス巨額粉飾事件で粉飾の「指南役」とされ金融商品取引法違反等の容疑で 2012 年に逮捕される。966日(約2年8ヶ月)の未決勾留の後、最高裁まで争うも全て有罪判決を受け、本書刊行時は横須賀刑務支所にて服役中。

「2020年 『宣政 元気ですか ー 人質司法966日を耐え抜いた母と息子の往復書簡』 で使われていた紹介文から引用しています。」

横尾宣政の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊賀 泰代
リンダ グラット...
恩田 陸
ヴィクトール・E...
塩田 武士
村上 世彰
有効な右矢印 無効な右矢印

野村證券第2事業法人部を本棚に登録しているひと

ツイートする
×