- Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062204620
作品紹介・あらすじ
トヨタを上回る約5000億円もの経常利益を叩きだし、日本一儲けた会社だった野村證券。その黄金の日々を克明に描く。
厳しいノルマで次々と社員が辞めていくなか、飛び込み営業で新人トップの成績を上げ、「コミッション(手数料収入)亡者」とまで呼ばれるようになった著者。後に社長になる「小タブチ」こと田淵義久氏に抜擢され、第二事業法人部へ。待っていたのは個性派でアクの強い先輩たち。彼らとぶつかり合いながら、順調に出世していった著者は、役員の登竜門でもある新宿野村ビル支店長を最後に退社、独立する。
ところが、第二事業法人部時代に付き合いのあったオリンパスと仕事をするうち、巨額粉飾決算事件に巻き込まれ、刑事被告人に。「飛ばしの指南役」などと名指しされた著者が、激しくも懐かしい野村時代と人生を暗転させた事件のすべてを実名で書いた。
感想・レビュー・書評
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実際に野村證券で長年働いてた著者による自伝。
いわゆる内部事情に関する暴露本。
内部事情に関して面白おかしく書いており、読んでいて痛快。株や証券の知識が必要なところあり。
後半はオリンパス事件の詳細について、検察批判など。
しかし、あくまでこれは著者の見解であるということに注意は必要だろう。
オリンパス事件以外の部分、特に前半の内容が面白かった。オススメの一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
稼げば何でも許される
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損するとわかっている金融商品を無知の顧客に売り付ける前半の辺りは,ある意味ホラー.
顧客のことを「客」と呼ぶ辺りに色々感じるものがある.
ページをめくる度に心が痛んだが,その生々しい描写は下手なドラマよりも面白く,興味深くはあった.
野村證券というか,証券業界って昔はこんな感じだったんだろうな.
証券会社がどんな業務を知ているのか初めてよくわかった.
後半は冤罪の怖さを感じた.真実はわからないけれど,仮に著者が冤罪だとすると,全く恐ろしい話.
「起訴されて無罪となるのは0.1%.でも私は野村證券の中でもっと低い確率の中で勝ち残ってきた」の件はなかなか良い. -
顧客を食い物にし、損を「大損」にしなかったことを誇らしげに語り、当時を回顧し悦に入り、それを武勇伝として正当化する、不愉快を通り越して恐怖を感じる。オリンパス巨額粉飾事件への関与は冤罪なのかもしれないが横尾氏ならやりかねない印象を持ってしまった。野村證券時代の用意周到な人物像に対してGCI時代のザル体質は違和感を感じるし、疑惑の出来事は詳述すぎる。
もちろん横尾氏の卓越した営業センスや相場観は認めざるを得ないし唸らされるような優れたスキームも多々ある。また高度経済成長期からニクソンショックを乗り越えバブルへ昇華し崩落する激動の時代を、中心的人物である野村證券の第一線に居たことは興味深い。しかし、例えばワラントを使ったマイナス金利による資金調達など自信満々に披露しているが、上昇相場前提でリスクを無視した結果オーライの欺瞞に満ちたスキームだ。ほか群栄や日商岩井を稚拙や狡猾などと名指しで批判し、上司同僚たちの品位を貶めるような本書は狂気に満ちていると言わざるを得ない。 -
営業をやってると、自社や商品に自信がなくなることが必ずあります。そんな際にみてもらいたい究極の暴露本。圧倒的にダメな商品を、死んでも売らないと生き残れなかったあの時代。
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どこにの部署に配置されても結果を残しとても優秀な営業マンだったことがわかる。
ブラックマンデー時にワラント取引を考えつき電卓計算して利益だすとこがしびれるカッコ良さ。
こんな営業マンからだったら手数料払って買う価値ありますよね。
証券会社が銘柄を推奨禁止→株価低迷
バブル崩壊後にはこんな背景があったんですね。
そして、オリンパス事件では、オリンパスの山田がとんでもない悪すぎる。
横尾さんは無罪を主張しているし信じてあげたい気持ち。
いつも監視銘柄にしてる会社が登場するので面白かったです。