- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062204705
作品紹介・あらすじ
第52回メフィスト賞受賞!
4人の女には、それぞれ表の顔と裏の顔がある。ブログで賞賛されたいがために、虚偽の「幸せな育児生活」を書くことが止められない千夏子。年下の夫とのセックスレスに悩む結子。職場のストレスで過食に走り、恋人との結婚だけに救いを求める保育士の春花。優しい夫と娘に恵まれ円満な家庭を築いているように見える柚季。
4人それぞれの視点で展開する心理サスペンス!
彼女たちの夫も、恋人もまた裏の顔を持っている。
もつれ、ねじれる感情の果てに待ち受ける衝撃!
「この先、いったいどうなるのか?」
ラストまで一気読み必至!!
感想・レビュー・書評
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(Amazonより)
4人の女には、それぞれ表の顔と裏の顔がある。ブログで賞賛されたいがために、虚偽の「幸せな育児生活」を書くことが止められない千夏子。年下の夫とのセックスレスに悩む結子。職場のストレスで過食に走り、恋人との結婚だけに救いを求める保育士の春花。優しい夫と娘に恵まれ円満な家庭を築いているように見える柚季。
4人それぞれの視点で展開する心理サスペンス!
彼女たちの夫も、恋人もまた裏の顔を持っている。
もつれ、ねじれる感情の果てに待ち受ける衝撃!
もっと若い頃は私も周りをとても気にしていました。
子供作るということ、子供を育てるということ、子持ちで仕事をするということなど、それらのことを通して周りの人達との関わりがとてもややこしくてめんどくさくて 今若い人が結婚しない、子供を持たないという気持ちはわかるような気がしています。自分自身、子育てを美化し過ぎてたと思っていたので…
でも嫌な事ばかりでもないんですよね。
子供のおかげという部分もとても大きいんですよ。
めんどくさい人間関係も よく話してみると案外、自分と合う人もいるのかもしれないと思います。
だけど、他人が考えている事は自分にはどうすることも出来ない、深く考えすぎると疲れてしまうし 結論なんて出ませんよね。
SNSに振りまわされるのも疲れてしまう。
程々に…ということでしょうか…
ラストはいい方向に向かっていて 読んでいた時の気持ちのドロドロしたものがなくなっていて スッキリした感じがした。 -
メフィスト受賞作。作者初読み。
ブログで虚偽の生活を発信することで、憂さ晴らしをする千夏子。年下の旦那とセックスレスなのに、不妊治療に通う結子。千夏子の子供が通う保育園の保育士で、婚活パーティで知り合った彼の異様さに怯え、千夏子の弱みを握り、千夏子をブログで攻撃する春花。そして、何かから逃げるように引っ越してきた柚希。
主にこの4人の目線で、物語は描かれる。
この4人以外にも、それぞれの配偶者や恋人も、闇の部分が多く、最初のうちは読んでいて、不快感しかない。
実際、子供を巡る記述は読んでいて、気持ちのいいものではない。
子供がいないから、共感出来ないのはしようがないかもしれないけど、そんなに自分の思い通りになると考えている人が多いのだとしたら、世の中を見る目が変わってしまいそうな内容だった。
しかし、それぞれが持っている闇は後半で明らかになり、かなり救われる展開に。途中までは、不快感しかなかったけど、最後まで読むと、意外とすっきり。 -
なぜこうも誰かに利用されなければならないのか。
図々しくも、持ち得ない権利を行使する人でなし共。
でも自分こそその権利を行使したい。
厚顔無恥にも、貰うことや奪うことにしか興味がない。そんな悪意に当てられ
職場や家庭の繋がりに三者三様に苦しむ姿がこちらまで打ちのめす。
けれど絶望だったはずの繋がりが希望にもなっていた。
誰かに利用されることと、必要とされることは違った。
人は善意を込めて誰かを頼れるし、そこには敬意があるから、頼られることもときに救いになる。
一方的ではないもの。 -
《図書館本》最初は登場人物が虚栄心の塊でドロドロとしていて、読んでて気持ちの良いものでは無かったけど、終盤それぞれの事情がわかってくると、「大変だったんだね。頑張ってたんだね」と言ってあげたくなった。たまには素直になって弱音を吐いて誰かに頼る事も必要なんだなと思った。読んでよかった。
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いるいる…こんなオンナのヒト。
ホント嫌だなぁ。
さいごは綺麗にまとまり過ぎた感もありますが、
イヤな感じで終わるよりは良かったです。 -
嘘のブログを綴りながら、子供に愛情が持てない千夏子。
新婚半年でセックスレスの結子。
結婚退職を望む保育士春花。
ママ友との関係からストーカー被害にあっていた柚季。
育休明けに保育園の空きが無く職場復帰が出来ずにいた夕香。
立場の違う5人の負の感情が渦巻いていて、終章に至るまで、嫌な気持ちになることが多かったです。
女の子が欲しかった母親、セックスレス、不妊治療、特別養子縁組、保育園の待機児童問題など、どこかに自分と同じ境遇の人がいてもおかしくないほど、テーマは目白押しで、とても興味深く読みました。
終章に至り、それぞれの問題にそれぞれが向き合い、解決へ進むような終わり方で良かった。
自分の子を否定するような言葉を発する千夏子には、嫌悪感を感じていましたが、ラストシーンでその気持ちは彼女達を応援する気持ちに変わりました。
夏紀の心の傷を埋められるよう、頑張って欲しいと思います。
素晴らしい作品でした。