決戦!忠臣蔵

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062204996

作品紹介・あらすじ

夢枕獏が、山本一力が、諸田玲子が……「忠臣蔵」を描く! いままで戦国時代を舞台にすることが多かった「決戦!」シリーズだが、今回の舞台は江戸は元禄、テーマは「忠臣蔵」。当代きっての名手・七人が、日本人が愛し続ける物語に挑む。
義挙を前にした人々の悲哀、本懐を遂げた男たちの晴れ晴れとした思い。そして、主君を守れなかった吉良方の無念……。今までにはない、”涙”の「決戦!」シリーズの誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 『決戦!』シリーズ、いつか読みたいと思っていたら、
    なんと大好きな『忠臣蔵』があると知り、昨年の12月に読みました。

    印象深かったのは、
    朝井まかてさんの#妻の一分
    大石家の唐之介なる忠臣の語りがユニークで、個人的にツボです。
    時の将軍・綱吉ということかな。

    梶よう子さんの#雪の橋
    唯一吉良家側から書かれている。
    吉良家の小姓・清水一学の目線で語られる吉良夫妻。
    主君と愛しい人を守ろうとして散った彼の覚悟。
    泣けた。

    諸田玲子さんの#与五郎の妻
    神崎与五郎が、討入り前に離縁した妻に会う話。
    今生の別れ…行列を待つ場面で終わってくれてよかった。

    山本一力さんの#笹の雪
    討ち入りの日、義士を迎え入れる泉岳寺の様子が書かれている。
    粛々とお沙汰を待つ義士たちのふるまいに、心が静かに澄んでいく。
    (大高源吾らの辞世の句は、この時泉岳寺で彼らのお世話をした雲水によって伝えられたとのこと。)

    浅野家側から語られることの多い「忠臣蔵」ですが、
    「殿中で刃を振るった主君の愚行こそ憎め、我大殿に落ち度なし」
    清水一学のこの言葉に、どちらの側にも”真実”があったのだと改めて思い知らされる。

    • koshoujiさん
      うさこ様。業務連絡です(笑)。
      1年半ぶりくらいにレビュー書きました。
      しかし、自分で読んでも全く面白くありません(笑)。
      だめですね...
      うさこ様。業務連絡です(笑)。
      1年半ぶりくらいにレビュー書きました。
      しかし、自分で読んでも全く面白くありません(笑)。
      だめですねえ、文章は書き続けないと。悲しい。(T_T)
      読んだ本は辻村さんの最新刊「青空と逃げる」です。
      この本、なんと仙台が出てくるんですよ!!
      取り急ぎご報告いたします。<(_ _)>
      2018/05/22
    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      これは面白そう!
      いつかの忠臣蔵のようにならなくて済みそう(笑)
      私はこれを今年読むね♪
      もし覚えてい...
      こんばんは(^-^)/

      これは面白そう!
      いつかの忠臣蔵のようにならなくて済みそう(笑)
      私はこれを今年読むね♪
      もし覚えていたら11月に声をかけて(*≧艸≦)

      吉良側の話があるのがいいね。吉良さまも好かれていたって話だよね。
      私はどうしても大石さまが好きだからねぇ。敵になっちゃうけど。
      2018/05/29
    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、またまたこんばんは~♪

      この本、面白かったです!
      いつかの忠臣蔵…そういえばそうだったね。うふふ。

      レビューにはあ...
      けいちゃん、またまたこんばんは~♪

      この本、面白かったです!
      いつかの忠臣蔵…そういえばそうだったね。うふふ。

      レビューにはあえて書かなかったけど、けいちゃんの大好きな不破数右衛門さまが登場するお話もあるよ♪

      11月ね、はっ!しかと覚えておきまする!
      責任重大だわ(^^♪

      では、またね(^^)/
      2018/05/30
  • 直木賞作家3名を含む豪華執筆陣。朝井まかて「妻の一分」は、唐之介なる語り手がユニーク。事件が綱吉の治世で起こったことを強く印象付ける。夢枕獏「首無し幽霊」は、「陰陽師」と「大江戸釣客伝」を足して二で割ったよう(笑)。梶よう子「雪の橋」は、吉良家家臣目線で討ち入りを語る。吉良家死者は17人。当然彼らにもそれぞれ愛しい人生があったのだ。諸田玲子「与五郎の妻」は、義士の元妻目線。別れたくないのに別れざるを得なかった家族。泣かせる。 山本一力「笹の雪」は、討ち入り日の泉岳寺の様子を描いていて興味深い。

  • こちらも近所の図書館の福袋企画にて、借りたもの。

    今まであんまり忠臣蔵に興味が湧かなかったなぁ。(年がバレるが)子どものころ、父が好きで観ていた年末時代劇で放送されたのを観たというだけの記憶があるのみです。中身までは理解していなかったかあるいは覚えきれなかったか。いずれにしても、大石内蔵助や浅野匠守、吉良上野介といった人物名が少しと、四十七の赤穂浪士が吉良家へ討入りを果たしたということくらいしか脳みそのなかには入っていない……
    忠臣蔵を知る良い機会になったかも。

    好きな朝井まかてさんや読んだことのある作家さんと、まだ読んだことのない方とで半々くらい。新しい出会いがあるといいなぁ。

  • 戦国以外の決戦シリーズ第2弾。今回の舞台は、皆大好き忠臣蔵。

    語り部が飼い犬の「妻の一分」が残ったかなぁ。
    畜生でも恩義は忘れない、というのはテンプレの語り部なんだけど。題材が忠臣蔵という御恩と奉公の代名詞みたいなものなので、乗せられたというか。
    御恩と奉公の使い方違うけども、表現しやすいので。

  • 夢枕獏が、山本一力が、諸田玲子が……「忠臣蔵」を描く!

  • 「妻の一分」が楽しかった。
    犬目線が面白いし、江戸っ子な語り口も楽しい。大石家への愛情に満ちていて、心あたたまる。
    「笹の雪」は、討ち入りそのものではなく、泉岳寺でのできごとを描いているのが、新鮮。
    「雪の橋」「与五郎の妻」は、どちらも切なく、じーんときた。

  • 短編集。『与五郎の妻』が一番良かった。

  • 2017年3月講談社刊。6編は、小説現代2017年1月号、3月号に掲載されたものに加筆、修正。1編は書下ろし。忠臣蔵をテーマにしたアンソロジー。そうそうたる執筆メンバーですが、話もいまいち工夫不足で、あまり楽しめませんでした。

  • 戦国では無い決戦シリーズ。
    やはりこうなってくると、単なるアンソロジー。
    書き下ろしですらないし。
    とはいえ、中々なメンバー、それなりに読み応えはあり。

    話としては梶よう子「雪の橋」が好き。
    諸田玲子もいい。
    期待した朝井まかては、イマイチだったなあ。
    夢枕獏はらしすぎて、ある意味、笑える異質感。

  • 7人の人気作家による短編アンソロジー。
    初出は2017年の「小説現代」早っ!(冥土の契りのみ書き下ろし)

    葉室燐の「鬼の影」は内蔵助が堀部安兵衛を毒殺しようとする緊迫感を描くが、いつもの重厚さがない。
    朝井まかての「妻の一分」は江戸弁を話す犬の視点で描かれる。
    夢枕獏の「首無し幽霊」は、吉良上野介が、釣りの指南書に紹介されている釣り針の工夫者の名前の文字が原因で化けて出る異色の話。
    長浦京の「冥土の契り」は赤穂藩から追放されていた武士が内匠頭の亡霊から腕を見込まれて契約し、討ち入りに参加するという怪異譚なのだが、亡霊に対する覚悟と緊迫感がなかなか読ませてくれる。「死ぬのが少しだけ楽しみになった。」という独白は面白い。
    梶よう子の「雪の橋」は、上野介を「赤馬の殿様」と親しんで呼ぶ吉良家の知行地で士分に取り立てられた清水一学の恋と忠義の話。
    諸田玲子の「与五郎の妻」は、津山藩の改易で赤穂藩に再仕官した神崎与五郎が、討入り前に改易で離別した妻に会う話。さすが諸田玲子、泣かされる。
    山本一力の「笹の雪」は、宿毛歴史館に伝わる大高源吾らの辞世の句が、当時泉岳寺で義士の世話をした雲水によってもたらされたという意外な実話を踏まえていておもしろい。

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著者プロフィール

1951年、北九州市小倉生まれ。西南学院大学卒業後、地方紙記者などを経て、2005年、「乾山晩愁」で歴史文学賞を受賞しデビュー。07年『銀漢の賦』で松本清張賞を受賞し絶賛を浴びる。09年『いのちなりけり』と『秋月記』で、10年『花や散るらん』で、11年『恋しぐれ』で、それぞれ直木賞候補となり、12年『蜩ノ記』で直木賞を受賞。著書は他に『実朝の首』『橘花抄』『川あかり』『散り椿』『さわらびの譜』『風花帖』『峠しぐれ』『春雷』『蒼天見ゆ』『天翔ける』『青嵐の坂』など。2017年12月、惜しまれつつ逝去。

「2023年 『神剣 人斬り彦斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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