渋カジが、わたしを作った。 団塊ジュニア&渋谷発 ストリート・ファッションの歴史と変遷

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062205023

作品紹介・あらすじ

1985年、当時主流だったDCブランドに対するカウンターカルチャーとして、アメカジに身を包んだ若者集団“チーム”が渋谷にこつ然と現れた。渋谷センター街を拠点としたかれらのファッションは、口コミで東京都内の高校生に広がり、やがて“渋カジ”と呼ばれるようになった。本書は、1985年のアメカジから1988~89年の渋カジ、1990年~91年のキレカジ、ハードアメカジ、1991~92年のデルカジまでのアメカジをベースにした7年間のストリート・ファッションの変遷を「渋カジ」と総称し、その誕生の経緯、細かいスタイルの変遷を詳細に記録したものである。

渋カジは、1967~1977年生まれのおよそ10年の世代が経験した大きな流行で、戦後のアメカジの流行のなかで最も規模の大きいものだった。主な担い手は1971~74年生まれの団塊ジュニア世代(世代人口は800万人超)。男女共通の流行としてまるで“学外の制服”のように、世代全体で楽しんだのである。本書は、日本のファッション史の貴重な記録であり、この世代の青春時代の“回顧録”でもある。

また、渋カジのカリスマショップだったラブラドールリトリーバーの中曽根信一、ジョンズクロージングの河原拓也、渋カジのミューズだった女優の田中律子ら、15人の渋カジ関係者のインタビューも掲載。〈リーバイス〉のヴィンテージのGジャンの“セカンド”という呼び名や、ハードアメカジの制服的存在だったレザージャケット〈バンソン〉のTJPが生まれた経緯など、初めて明らかになる歴史的な事実も満載である。

著者はGQ JAPAN、SWAG HOMMES、Fashionsnap.com、東洋経済ONLINEなどで健筆をふるう気鋭のファッションジャーナリスト、増田海治郎。「団塊ジュニア世代は“不遇の世代”ではなく“七転び八起き世代”である」というメッセージを込めた、シンプルで力強いあとがきも必読である。

感想・レビュー・書評

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  • 渋カジって団塊ジュニアが作ったのね。
    チーム・チーマーの歴史がたどれる。最初は明大中野だったのか。そのころ輝いていた人たち(田中律っちゃんとか)のインタビュー集が面白かった。

  • 光陰矢の如し。あの時、ボクはなに着てた?上京して初めて買った服が原宿のビームスだったりとか、憧れていた女の子に薦められてバックドロップでスタジャン買ったりとか、また付合った娘が洋服大好きで本書の第5章「渋カジ・ショップ・マップ」に出てくるお店巡りがデートコースだったりだとか、忘れていた記憶がどんどん蘇りました。自分は全然オシャレさんじゃなかったけど、渋カジの女の子はマジ可愛いかった。パルコ、西武などの渋谷への資本投資があって、DCからのアメカジ、渋カジが団塊ジュニアの購買力を顕在化させ、渋谷系という音楽が時代の空気を作るぐらいまでが渋谷=新しい東京という感じでしたが、コギャルが跋扈し始めた世紀末渋谷からは足が遠のきました。また新しい都市開発で渋谷大改造が行われていますが、そのベースは団塊ジュニアが、親たち団塊世代の聖地、新宿とは違う街として渋谷を作り上げていったことが、始まりなのかもしれなせん。しかし2020年に向けての新渋谷はIT企業の本拠地でもあり、ITがファッション業界を変えてしまっていることを考えると、本書にあるフィジカルなカルチャーとしてのファッションはどう生き残るのか?それは今や50代になろうとしている団塊ジュニアがなにを着るのか?にかかっているのはもしれません。一見、唐突に思える最終章の「団塊ジュニアは“七転び八起き世代”である」は力強い筆者のアンセムに見えました。

  • 80年代後半から90年代前半の渋カジについての変遷と、関係者へのインタビュー集。

    私にとって中高大がこの時期で、まさに懐かしの時代。

    ただ、ファッションにそれほど頓着がなかったし、ファッション誌を読んでないので、この本を読んで、なるほどそういう流れだったのか、と改めて、歴史から自分の周りの雰囲気を再認識させてくれる本。

    アメカジ→渋カジ→キレカジ→ハードアメカジと変化していく過程が具体的でなかなか面白い。

    DCブランドブームがそれまでのIVYやハマトラなどの海外からの輸入もののはやりだったものを、断ち切り、日本のデザイナーの勢いから、ハイデザインをアート的にはやらすという画期的なものであったが、庶民が自分なりにコーディネートすることが難しい。

    そこでバブル期の大学生のサークル活動などのお揃いのスタジャンを作るなど(私は大学時代のそのノリが大嫌いだったが)をして、青春を謳歌していたものを高校生たちが、マネをし始める。渋谷で有名私立高のチームが発生。この層がインポートショップから大量に服を買うようになり。という流れ。

    若者の風俗、時代背景、いままでの流れ、当時の渋カジ学生たち、ショップの店員等のインタビューから立体的に、渋カジとは何かが浮かびあがっていて面白い。

    チーム、チーマーの歴史も、確かにあったなーと、私の高校にもチーマーいたけど、完全に自分とは違う人たちとしてみていたなー。改めて、こんな恐ろしい世界には入れないなーと思った。

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著者プロフィール

ファッションジャーナリスト。1972 年埼玉県出身。神奈川大学卒業後、出版社、繊維業界紙などを経て、2 0 1 3 年にフリーランスのファッションジャーナリストとして独立。
「G Q JAPAN」「Mens Precious」「LAST」「SWAG HOMMES」「毎日新聞」
「F a s h i o n s n a p . c o m 」「東洋経済O N L I N E 」などに定期的に寄稿している。年2 回の海外メンズコレクション、東京コレクションの取材を欠かさず行っており、年間のファッションショーの取材本数は約250 本。メンズとウィメンズの両方が取材対象で、モード、クラシコ・イタリア、ストリート、アメカジ、古着までをカバーする守備範囲の広さは業界でも随一。仕事でもプライベートでも洋服に囲まれた毎日を送っている。

「2017年 『渋カジが、わたしを作った。 団塊ジュニア&渋谷発 ストリート・ファッションの歴史と変遷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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