• Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062205047

作品紹介・あらすじ

〈黒い結婚篇〉中島京子、窪美澄、木原音瀬、深沢潮
〈白い結婚篇〉成田名璃子、瀧羽麻子、森美樹

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    結婚は墓場かパラダイスか?
    人気作家7名が男女の不思議なかたちを描いた競作

    ● 窪 美澄     水際の金魚
    ● 深沢 潮     かっぱーん
    ● 木原音瀬     愛の結晶
    ● 中島京子     家猫
    ○ 成田名璃子    いつか二人で。
    ○ 森 美樹     ダーリンは女装家
    ○ 瀧羽麻子     シュークリーム

    装丁がとっても凝ってました。
    本の作り方が、白と黒で上下読む方向を変えててびっくりしました。
    私は、何気なく黒い結婚を先に読んだのですが、どちらを先に読むかで
    結婚の印象がぐっと違う気がします。

    黒い結婚は、ダブル不倫・結婚詐欺・男性の妊娠・精神的DVと
    強烈なテーマでパンチが効いてて、嫌――――――って思いながらも、
    あるよね。あるよね。って思ったし楽しめた。
    その後、白い結婚を読んだので、何だか良いお話なのでしょうが、
    最初の成田さんのお話がすぐに読めてしまったり…(p・Д・;)アセアセ
    どこかぼんやりとしてしまったイメージです。
    そして、白い結婚も天国ばかりじゃないなって思った(*'-'*)エヘヘ
    それぞれが抱くイメージによって、思いや考えによって、
    良くも悪くも、幸せか不幸かも紙一重なのかもしれない。

    深沢さんはやはり韓国を絡めて、韓国人結婚詐欺の罠に落ちた
    地獄の結婚を描いてた。
    中島京子さんの家猫が特にゾワッとしました。
    白い結婚では、瀧羽さんの作品が良かったかなぁ。

  • 第一印象は、大胆な装丁!黒/白で、天地が逆になっているとは。造りの面白さは勿論だけど、結婚生活を人気作家たちがそれぞれ黒い結婚篇/白い結婚篇で描くというテーマも気になって手に取ってみた。全体的な印象としては、とにかく黒のえげつなさが半端なく、白は思ったほど白くはなかったなと。(純白すぎてもシラケてしまうので、ほどよいくすみ具合ではあったけど。)
    後味の悪さは別として、どの作品も面白く読めました。白で一番好きだったのは、森美樹「ダーリンは女装家」。ほどよく乙女チックでほどよく斬新で。黒で印象に残ったのは、深沢潮「かっぱーん」。結婚詐欺の話が怖すぎて!結婚に焦る女性の気持ちがこじれすぎてこんな展開になるとはと心底ゾッとした。
    全体を通して圧巻の出来だったのは、中島京子「家猫」。語り手を替えながら描かれる結婚の側面。それぞれの思惑が、別の視点によって明らかになる。伏線の回収が見事すぎて…!背筋が寒くなった。
    欲を言えば、白も黒と同じ4篇収録にして欲しかったな。黒白交互に読み進めるつもりが、黒の毒が強すぎて白を2篇続けて読んでから、黒4篇白3篇だったことに気付いてバランスが悪くなってしまったという。そのせいもあって黒の方がインパクトが強く感じてしまったかも。でも、今回は半分が初読みの作家さんで、色々新しい発見があってよかった。アンソロジーの面白さを堪能できたかな。

  • *結婚は墓場かパラダイスか?人気作家7名が結婚の謎に迫る*

    結婚に関する様々なシチュエーションの短編集。黒と言ってもグレーだったり、白と言ってもベージュだったり…一筋縄ではいかないのが結婚なんだよなあ、としみじみ。
    個人的には「ダーリンは女装家」が好き。その人の欠けていたり足りなかったりする部分も含めて愛しいと思える…これこそが理想の結婚だと思うので。

  • 結婚をテーマにした7人の作家による競作。「人気作家」と謳っているが、読んだことがあるのが、窪美澄のみで、あとは全て初読みの作家さん。でも、抵抗なく読めた。表紙にもあるように、「結婚は墓場か、楽園か」をテーマにしており、黒い結婚の方は、今流行りの「ゲス不倫」や宗教絡みに近い結婚詐欺など、読んでいて、本当に「墓場」と感じた。その分、後から白い結婚を読むと、ほっとするから、良く出来た内容だと思う。

  • 結婚の幸せな部分と、闇の部分のアンソロジー

    ■水際の金魚 窪美澄
    この人の話が読みたくて手に取った本。こういう闇を書かせたら右に出るものはなかなかいないと思う。
    いわゆる喪女がお見合いで喪男と結婚するが、仮面夫婦で、昔付き合っていたとも言えないようなイケメンクズ男にお金を渡す代わりにセックスするっていう救いのない話。しかも夫も実は若い女と不倫していたっていうおまけ付きで話は終わる。
    クズ男ってどうして人を惹きつけるんだろうね。

    ■かっぱーん 深沢潮
    初めて読む作家。窪氏と同じR18文学賞受賞者。
    韓国俳優にハマったことと、同僚の結婚を羨む気持ちから、韓国人男性と結婚できるという詐欺に引っかかってしまう話。洗脳して、正しい判断も他人に相談することもできなくさせて、人生を奪う宗教って怖い。
    闇というか、ただただ怖かった。最後、日本のジャーナリストに助け出されたのは良かったけれど、今度はその男に思いを寄せてまた痛い目にあいそうで心配な結末。

    ■愛の結晶 木原音瀬
    人工子宮の開発によって男も妊娠できる世界。しかも、女性が妊娠するよりも低リスク。国の政策によって男女平等に妊娠出産を担うことを推奨されて、恐怖と不満にがんじがらめになった1人の男性の話。
    妊娠って肉体的にも精神的にも社会的にもこんなに大変なのよ!!っていう強い主張を感じた。

    ■家猫 中島京子
    息子のために、と言いながらごりっごりの押し付けエゴ(無自覚)母親と、そのバツイチモラハラ(無自覚)息子と、モラハラ元夫から逃げて再婚して幸福になったモデルの元嫁と、モラハラ息子のマンションに居候しながら妊娠(ちなみに誰の子かは不明)した若い女(ビッチ)の話。モラハラ息子にはビッチくらいがちょうど良いよ。

    □いつか、二人で。 成田名璃子
    人生を共にした老夫婦の最期。先立った夫が妻を何十年も待って、一緒に旅立つ話。イイハナシダナーって感じ。特に感動もリアリティも何もない。

    □ダーリンは女装家 森美樹
    白い話の中で一番好き。この人もr18文学賞受賞者
    十代の頃に憧れて恋い焦がれてこじらせるほど好きだったバンドマンと40代になって再会したら、相手が女装家になっていたっていうぶっ飛んだ設定。
    家族、愛、結婚って誰のためのものなんだろうね。
    偏見とか周りの目とか、そんなの気にせず生きられる人が幸せなのだろうな。

    □シュークリーム 瀧羽麻子
    これは、白でいいのか?ちょっとグレー入ってないか?という印象のお話
    婚約者のはなんでもソツなくこなして要領よく生きていく「いいとこ取り」のタイプ。シュークリームのクリームだけ食べて、皮だけ彼女に食べてもらうような。
    人当たりも良くて誰とでもうまくやっていくし、きっと誰から見てもいい旦那、いい父親になるのだろう。でもその裏で、シュークリームの皮だけ食べることになる自分の人生はどうなってしまうんだろう。作中では、考えすぎかなという結論で落ち着いてしまったけど、そういう歪みみたいなものって結婚において重大だったりすると思うんだよなあ。

  • 黒→白の順で読みました。
    「水際の金魚」「かっぱーん」がまさに黒って感じでインパクト大。

  • 結婚に関する幸せな感情とマイナスな感情に関するアンソロジー。
    行動や言葉の裏にある相手を思った行動なのか自分の利益だけなのかは相手にも伝わって、空気として共有されていくのかなぁと感じた。
    男性が人工子宮で妊娠できるようになった世界の話は、痴漢や性被害の話題で男女いろんな置き換えの話があるけど、ここまでなっても役割意識が変わるのは難しいんだろうと感じる。
    シュークリームの皮を残す男の話と、男女で全く認識の違う読者モデルの離婚話が印象的だった。

  • 黒いほうがマジ黒くてひくほどだった。これだと、白い方は印象が薄くなるなあ。

  • 「結婚」をテーマにしたアンソロジー。
    結婚というもののグロイ部分と美しい部分と黒白色んな作品がならんでて、なかなかに面白かった。
    後味良く読み終わりたい派なので、黒→白の順で読んだ。
    個人的にはそれで正解。

    好みの作品は、男性も妊娠できる世界を描いた「愛の結晶」女装家になった初恋の元バンドマンと結婚する「ダーリンは女装家」の2作品。

  • 20180811 「いつか、二人で」が心にしみた。「シュークリーム」も、これからの二人の将来が明るくなる序章のような話。

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著者プロフィール

中島京子(なかじま きょうこ)
1964年東京都生まれの作家。『FUTON』でデビュー。著書に『小さいおうち』(直木賞)、『かたづの!』(河合隼雄物語賞・柴田錬三郎賞)、『長いお別れ』(中央公論文芸賞)等。2019年5月15日、新刊『夢見る帝国図書館』を刊行。

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