辺境図書館

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 388
感想 : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062205351

作品紹介・あらすじ

知れば知るほど
読めば読むほど
好きになる。

《この辺境図書館には、皆川博子館長が蒐集してきた名作・稀覯本が収められている。知らない、読んだことがない、見つからない――。
そんなことはどうでもよろしい。読みたければ、世界をくまなく歩き、発見されたし。運良く手に入れられたら、未知の歓びを得られるだろう。(辺境図書館・司書)》

小説の女王・皆川博子が耽溺した、完全保存版ブックガイド。(書き下ろし短編も収蔵)

感想・レビュー・書評

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  • 目次のあとの扉にはこう記されている。
    「この辺境図書館には、皆川博子館長が蒐集してきた名作・稀覯本が収められている。貸出は不可。読みたければ世界をくまなく歩き、発見されたし。運良く手に入れられたら、未知の歓びを得られるだろう。  辺境図書館 司書」

    この言葉通り、その名を聞いたことさえない本が次々紹介される。各章のタイトルであげられている本は三十作あまりだが、既読のものは僅かに二作であった(「アサイラム・ピース」と「心は孤独な狩人」)。文中ではさらに多くの本に言及されていて、さすがだなあと感嘆してしまう。こういう芳醇な読書が下地となって、あの唯一無二の作品群が生まれるのだと深く納得した。

    やはり自分が読んだことのある本(たった二作だけど)の紹介が強く心に残る。著者が真に心ふるわせ読んだことが、ひしひしと伝わってきた。優れた書き手はよく読む人でもあるのだと再認識。

    装丁も素敵だ。小ぶりな本で、表紙にはお月様が箔押しされている。目次やタイトルページのデザインが著者らしく優雅で、巻末につけられている、罫線の入ったメモ用紙風のページも嬉しい。いや何か書いたりはしないんだけど、なんとなく。

  • そんじょそこらのブックガイドブックではないのだ。
    館長が皆川博子なのだから。
    言うことなしだし、短編もいい気分にさせてくれる。
    ブックデザインも小ぶりで上品で瀟洒で素敵。

    ホセ・ドノソ ミック・ジャクソン ブルーノ・シュルツ ルイジ・ピランデルロ フェルナンド・アラバール アントワーヌ・ヴォロディーヌ マルセル・シュオッブ アンナ・カヴァン 野溝七生子 ジョン・マックスウェル・クッツェー ジュリアン・グラック スティーヴ・エリクソン 石上玄一郎 ハンス・ヘニー・ヤーン パウル・シェーアバルト パトリック・ジュースキント 佐藤亜紀 ミシェル・トゥルニエ ロード・ダンセイニ ウィリアム・バトラー・イェイツ 横山茂雄 カースン・マッカラーズ 鳩山郁子 エリック・ファーユ フセヴォーロド・ミハイロヴィチ・ガルシン 岩田誠 間宮緑 川村二郎 アルフレッド・ド・ミュッセ 郡虎彦 杉山正樹 皆川博子

  • 鍵のかかるひきだしに、そっとしまっておきたいような。

    中には手に入りにくい本もあるが、探し出す楽しみもある。
    どこかで出会えたら、それもまた僥倖と思えるだろう。

    後続の作家たちの作品もあれこれ読まれているようで、恐れ入る。しかも決して高いところからではなく、丁寧に敬意を持って語られるので、更に恐れ入る。

    どの章も宝石のようで、ため息と共に読んだ。
    極めつけはカースン・マッカラーズ。それからアンナ・カヴァンも再読しなくっちゃ。

    最後の一篇がまた素晴らしい。

  • 皆川博子による書評集。著者が自身の偏愛する古書・稀覯本を紹介していくというスタイル。図書館と称して貸出は不可、それと著者の紹介に「辺境図書館館長」とあるところにクスリとした。お茶目だ。
    偏愛の書を紹介するというだけあって、装丁はさすがの美しさ。本自体もしっかりした作りで、小振りながら少々重みがある。愛する本を語るこの内容でそっけない本だったら嘘だよね。

    本を読むとはこんなに楽しい、とあらためて思える一冊。各章が直接取り上げる作品はほとんど知らないものばかりなのに、館長の紹介を通して、その魅力の一端に手を触れさせてもらえるのが意外なほどに楽しかった。おかたい書評でなく、他の色んな作品やその著者に言及したり、著者自身の創作への影響を想像したりと、ほどよく緩い雰囲気なのがよかったかも。
    ブクログのようなとっつきやすさと、緩やかにくるまれた中の館長の読書体験と人生経験、そして何より愛と憧憬が美味しかった。アンナ・カヴァンとマルセル・シュオッブ、野溝七生子はぜひ読んでみたい。
    書下ろし短編「水族図書館」には溺れた。きっと本望。

  • 読書欲に火がつく本。未だに手に取ることができないでいる本が多いが、美しい装幀と文体に導かれ、開いた本は著者の言うとおり、どれも印象的で本当に面白い。長らく遠ざかっていた読書習慣が蘇り、自分では決して選ぶことはなかったであろう本との出会いを作ってくれた一冊。時折読み返したくなる。

  • 辺境図書館 [著]皆川博子 | レビュー | Book Bang -ブックバン-
    https://www.bookbang.jp/review/article/532834

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    知れば知るほど
    読めば読むほど
    好きになる。

    《この辺境図書館には、皆川博子館長が蒐集してきた名作・稀覯本が収められている。知らない、読んだことがない、見つからない――。
    そんなことはどうでもよろしい。読みたければ、世界をくまなく歩き、発見されたし。運良く手に入れられたら、未知の歓びを得られるだろう。(辺境図書館・司書)》

    小説の女王・皆川博子が耽溺した、完全保存版ブックガイド。(書き下ろし短編も収蔵)
    http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000190265

  • 購入当初、こだわり抜かれた装丁の美しさに、直接触れることを躊躇しました。
    本文もそれを裏切りません。
    皆川博子さんは他の追随をゆるさない、精緻な骨と爛熟した肉のような文章をお書きになると、ご著作を拝読して私は勝手に思っております。けれど本著からは皆川さんの、アンナ・カヴァンや野溝七生子、マッカラーズ(寡聞にして初めて知りました)に通ずる「少女性」が窺える気が致しました。
    それは世間には容易く傷つかされるけれども、文学にーー否、物語に真っ直ぐ相対し、おことばを借りるならそれをブイにして生き抜こうとする透明なたましいの響きにも感じられます。

  • 読みたい本が見つかった。
    面白かった!

  • 最期の日まで、本に溺れる。小説の女王が耽読した、妖しくも美しい本の数々。書き下ろし短編「水族図書館」も収蔵。(アマゾン紹介文)

    序文の「司書」の文章から、架空の本及び著者の話かと思っていました(クラフト・エヴィング商会みたいな)。

    この本を読まなければ知りえないような幻想小説の紹介が多く、満足。中には絶版もあるけれど、図書館使って読んでみたい。

  • 眠る前のひととき、一章ごとに大切に読み進めていく至福。
    大好きな作家さんのルーツの小片を知ることができるなんて、装丁や取り上げられている作品達のおかげもあって、甘美で後ろめたい秘め事のよう。

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著者プロフィール

皆川博子(みながわ ひろこ)
1930年旧朝鮮京城生まれ。73年に「アルカディアの夏」で小説現代新人賞を受賞し、その後は、ミステリ、幻想小説、歴史小説、時代小説を主に創作を続ける。『壁・旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞(長編部門)を、『恋紅』で第95回直木賞を、『開かせていただき光栄です‐DILATED TO MEET YOU‐』で第12回本格ミステリ大賞に輝き、15年には文化功労者に選出されるなど、第一線で活躍し続けている。著作に『倒立する塔の殺人』『クロコダイル路地』『U』など多数。2019年8月7日、『彗星図書館』を刊行。

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