高倉健 七つの顔を隠し続けた男

著者 :
  • 講談社
3.06
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本棚登録 : 110
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062205511

作品紹介・あらすじ

高倉健――小田剛一(おだたけいち)。1931年に生まれ、2014年に83歳で没した、戦後最大の映画スター。『網走番外地シリーズ』 『ゴルゴ13』 『八甲田山』 『幸福の黄色いハンカチ』 『駅 STATION』 『ブラック・レイン』 『鉄道員』などで様々な役を演じきった高倉健は、実は私生活でも、多くの顔を隠し持っていた!
 スポットライトが当たっていないときの高倉健の人生は、むしろ陰影に支配されていた――当代最高のジャーナリストが日本全国で徹底取材した、 人間の本質を抉り出すノンフィクション!!

感想・レビュー・書評

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  • 映画俳優高倉健についての本ではなく、小田剛一という特異な人物についてのルポルタージュです。いかにも、週刊新潮、新潮45的な手法と筆致で面白く読ませ、グイグイ惹きつけられます。高倉健の周辺に現れる様々な人物と併せて、人生論のつもりで読めばいいと思います。
    個人的には、江利チエミがいとおしくてたまりません!

  • 事実は小説よりも奇なり・・・奇々怪々なり

  • 高倉健の江利チエミの不本意な離婚はとても気の毒に思えた.お金がありすぎるとそれを悪用する人に付け込まれ,普通の幸せが壊されていくのを地でいく様な話.そして筆者も取材で明らかにできなかった養女の事実が,小説でもなかなか無いような謎に満ちている.本人のインタビューではないので彼自身が何を考えていたかはまるでわからず,ただ,高倉健の人間関係がざっとわかった次第.

  • 俳優になっていなかったら、何をしていたのか。親族、お世話になった人に対して義理人情に厚く、深く人間関係を結ぶものの、ときどき人を見る眼や自身が選択した行動を訝しく思う話も。俳優業という大きな業績を上げていることで相殺されているが、個人が持つ危うい部分を垣間見ることなりました。それも俳優業のイメージに比してという大きな期待値があるので、読者として公平な判断ではないかもしれません。

  • 私生活がほとんど明らかにならず、寡黙な印象そのままに亡くなってしまった高倉健氏。
    生涯収入100億円とも言われ大俳優の名声を欲しいままにしたであろうに、何故か心の闇があったのだろうか。養女と言われる最後に看取った女性の謎。亡き後の様は、故人の望みとはかけ離れたものになってしまったのが悲しい。
    親族や氏と触れ合った人々を丹念に取材した本。それ故か、読了後に言うのもどうかとは思うが、「まぁ昔の話…そっとしとけば、よかじゃないね」という妹さんの言葉が、印象に残る。

  • 通常の伝記かと思って読んだら、かなりの違和感があった。
    江利チエミと結婚していた時期にチエミの異父姉(本当にそうなのかも実ははっきりしない)が家に入り込んで、それまで貧しく過ごしていた恨みを晴らすかのようにマネージャーを務めていたチエミの兄に女をあてがって結婚させ追い出し、高倉・チエミの稼ぎをどんどん使い込んでいくあたりはほとんど楳図かずおかと思うような不気味さ。

    週刊誌を騒がせた晩年の養女の騒動も似たところがあって、親戚が誰も知らない間にいつの間にか養女になって遺産を継いだばかりか、遺された車やクルーザーをオークションにかければずっと高く処分できるのをとにかく金に換えるのを優先させたように売り払い、信心深かったという高倉の墓も作っていないというあたり、ひどく気味悪い。

    Amazonの星取でひどく不評が目立つのも、そういう違和感のせいだろう。
    そして結局使い込んだらしき相手がどうなったのか、どういうつもりだったのかわからないままというのはひどくもやもやした気分になる。

    高倉の父親が朝ドラ「花子とアン」で有名になった炭鉱王伊藤伝右衛門の所有する炭鉱で監督を務めていたとは知らなかった。

  • 小田剛一 オダタケイチ

    養子縁組の書類のひらがな ゴウイチ

    養女 貴倉良子

  • 高倉健関連の本は少しずつ読んでいるが、森 功はノンフィクションライターで、特に高倉健のファンというわけではないので、他の本のようにただ高倉健を讃えるタッチになってないのが好感が持てる。

    プライベートにも踏み込んで都合の悪いことも書いている。高校時代から暴れん坊で、明治大学も親の伝で入る。しかし講義には出ずに酒とケンカの放蕩の生活をおくる。「明治の小田(本名)」として有名だったとか。就職先もなくしょうがなく俳優になる。



    ヤクザの家に泊まっていたこともあって、以後もヤクザとの付き合いも深い。一般人と別け隔てすることをしなかった。



    女性との交際も多く、児島美ゆきとしばらく同棲しているなんて知らなかった。



    江利チエミとの破局は有名だが、異父姉が復讐のために二人に近づき、家に入り込み、兄を追い出し二人の仲を裂いていく。そのための「復讐ノート」なるものも作っていた。おなじみの話だが心が痛む。



    晩年、高倉健が小田貴という人を養女にしたのだが、この人が高倉健の死後異常な行動に出る話は驚くばかりだ。

    勝手に密葬して葬儀は行わず、遺骨を親戚にも渡さない。一般の人が高倉健の墓参りをしたいと思っても墓がない。



    ありがちな遺産相続争いかと思ったら、高倉健の住居、車、クルーザー、江利チエミとの水子の墓までも、いっさいを短期間に処分している。いずれも使えるものばかりで、高倉健が使ったものと言えばさらに高く売れるのに解体している。なので金目当てでもない。高倉健という痕跡を消し去ろうというような行動だ。



    筆者はそれについて「瞋恚(しんい)の炎」という言葉を使ってる。知らない言葉で辞書をひくと「燃え上がる炎のような激しい怒り・憎しみ、または恨み。」とある。



    瞋恚の正体は分からないが、10年以上一緒にいたのに、高倉健の心の中にあるのは江利チエミだけだったというようなことではないかと筆者は推測している。



    これだけ多くの人に愛された俳優の一番側にいた人が彼を一番憎んていた人というのはなんという悲劇なんだろう。どこか江利チエミの異父姉とダブルところがある。

    人間ってなんと邪悪で残酷な存在だろうかと思う。

  • 勝手に期待していた内容とはかなり隔たりがありました。週刊〇〇の記事を一冊分にとりまとめたという印象を抱きます(実際はそうではないのですが)。さもありなんという高倉健さんの一面が詳しく紹介されていますが、最後の方の章はかなり中途半端な後味の悪さを感じました。

  •  私の中では「自分、不器用ですから」で有名な高倉健さんの謎に迫るノンフィクション。
     いろいろな側面から、彼が、高倉健という役者を守るためにプライベートを隠していた事実が明らかになる。けれども、なぜそこまで高倉健を守ろうとしていたのか、周りの人のインタビューは聞けども、小田剛一の本心にはほとんど近づけていないように思う。
     小田剛一は、高倉健を守り抜いたのかもしれない。

     そして、芸能界のフィクサーというかタニマチというか、あまり公にしたくない付き合いがたくさんあり、おそらく今もそれは形を変えつつ生き延びているのだろう。芸能界はやはり怖い世界だ。

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著者プロフィール

1961年、福岡県生まれ。ノンフィクション作家。岡山大学文学部卒業後、伊勢新聞社、『週刊新潮』編集部などを経て、2003年に独立。2008年、2009年に2年連続で『編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞』を受賞。2018年には『悪だくみ「加計学園」の悲願を叶えた総理の欺瞞』で大宅壮一メモリアルノンフィクション大賞受賞。『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』『官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪』『ならずもの 井上雅博伝』など、著書多数。

「2021年 『鬼才 伝説の編集人 齋藤十一』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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