KZ’ Deep File いつの日か伝説になる

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 237
感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062205597

作品紹介・あらすじ

君たち若者が持つ快活さと真摯さ、繊細さ、どんな事にも真っ直ぐに向かっていく妥協のない気持ちは、今後いつの間にか消えていき、二度と戻ってこないものだ。輝くような今の時間を大切にするといい。(本文より)

古都、長岡京で開かれる旧財閥の懇親会。厳重な警備の中、ナイフを持ち込む少年の目的は!? 二つの蜂の巣、焦げた陶器、誘拐された少女、次々とからむ因縁の糸はどこに続くのか!? 真実を追う少年たちの夢と挫折、友情と葛藤を描く、書き下ろし長編。

感想・レビュー・書評

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  • ヒーローになるんだ。

    上杉は疎遠になっていた幼馴染の小林を誘い、小塚とともに京都へ向かう。黒木からの誘いだった。そこには村上聡をはじめ旧財閥の三住グループの重役たちが揃っていた。かつて小林が大変な時に寄り添えなかったことを気にしていた上杉は、彼の中に潜むエネルギーに不穏なものを感じる。いつになく荒れている黒木、相変わらず自分の興味にまっしぐらな小塚とともに、灼熱の古都で上杉たちが出会った謎と正義とは。

    石綿と手榴弾はすぐに気付いたが、肝心のなぜ隠されていたかは掴めず。古都は古都でも長岡京というのが面白い。早良親王になぞらえた兄と弟の関係性が明らかになるところは、すべてがつながっていく感覚でミステリの醍醐味。

    ミステリアスで大人びた黒木が上杉の胸で泣く。ここはなかなか重要なシーン。全体的には上杉の語りがメインで、いつものように上杉は数学の客観性と絶対性を愛しながらも、曖昧で繊細な人間関係の綾に手を伸ばす。小林や黒木にぶつかっていくだけでなく、ラストで犯人にも思いをぶつける上杉。閉じこもらない上杉はカッコいい。カッコつけきれてなくていつもより生身っぽい黒木もいい。

    ゲストキャラ、アウトローの小林。頭の良さは上杉の語るエピソードでもわかったが、彼の本当に魅力的なところは、大それたことを計画しながらも人情を捨てきれていないところ。ヒーローを志す人間なのだから、情に弱くて当然といえば当然なのだが。それにしてもアパートの部屋に残された赤い文字はなかなか中学生男子の自意識が効いている。多くは夢想しても実行できず、ヒーローにはならないわけで、結果だけ見れば小林も行動は起こせなかった。しかしKのための志は別のかたちで果たし、上杉の視点では1人のためのヒーローになれそうである。

    小林の心をほぐした小塚。あまりにまっすぐな言葉が出るところは確かに中学生男子の世界では生きにくいかもしれないが、彼にはそれを凌駕する森羅万象への情熱と、周囲との距離を気にしすぎない決心があった。もし小塚が何も起こらず蜂の巣から石綿の秘密を知ったならどうしていたのだろう。村上に伝えたら隠蔽される可能性を考えて、警察に持っていっただろうか。村上の良心を信じて伝えただろうか。森羅万象の観察から真実を掴む者としての小塚の姿が好きなので、ふとifを考えた。

  • 生まれた命は器のようなもので中に何をいれるかは自分で決める。自分らしい満たしかたをする。それが人生になる!。いい言葉でした

  • 最近読んでる青い鳥文庫もいいけど、やはりオール藤本ひとみの本もいいなぁ。

    えっ、黒木くん、そうなの⁈

    と今更ながら新しい発見もありました。

    他のDEEP fileシリーズも読もうと思います。

  • 発売日に即購入。
    毎回思うがこの子たちは本当に中学生なのか…?
    みていてドキドキする。

  • 頭が良くて行動力があり、お互いを大切にしている中学生が、友人を更正させ、その友人と関係のある企業の謎に迫る物語。

  • 設定が、君たちは本当に中学生なの?とつっこみたくなる水準の高い子達。そうは言っても都会とかにはこんな子が沢山いるのか?
    なんか目が話せない感じで一気に読んでしまった!

  • KZ’は読んでて、この本書くのにどれだけの知識や下調べが必要なんだ…といつも思うけど、Deepはそれがさらに深まっているからほんとすごいなって思う。今回の内容も知識の引き出しと絡め方が上手くて、読んでて楽しい。

  • 和典は黒木の誘いで小学校時代の友人健斗を伴い
    小塚もくわえ4人で古都長岡京で開かれる旧財閥の懇親会に参加する

    謎を秘めた健斗のもくろみ
    大財閥の総帥村上の隠された過去
    スズメバチの巣から明らかになる戦時中の闇

    「俺の夢はヒーローだ。多くの人間を救って英雄と呼ばれ、死んだら伝説の男になるんだ」

    思春期男子の友情と葛藤に社会問題をブレンドした極上のミステリー
    シリーズ累計140万部、青い鳥文庫の大人気シリーズスピンオフ第3弾

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著者プロフィール

長野県生まれ。西洋史への深い造詣と綿密な取材に基づく歴史小説で脚光を浴びる。フランス政府観光局親善大使を務め、現在AF(フランス観光開発機構)名誉委員。パリに本部を置くフランス・ナポレオン史研究学会の日本人初会員。著書に、『皇妃エリザベート』『シャネル』『アンジェリク 緋色の旗』『ハプスブルクの宝剣』『皇帝ナポレオン』『幕末銃姫伝』『失楽園のイヴ』など多数。

「2022年 『密室を開ける手』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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