ジェリーフィッシュ・ノート (文学の扉)

  • 講談社
3.40
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本棚登録 : 41
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062206044

作品紹介・あらすじ

2015年全米図書賞ファイナリスト、ニューヨーク・タイムズ児童書部門ベストセラー、全米図書館協会2015ベストブックリスト・児童書部門ベスト10、パブリッシャーズウィークリー・中学生向けベストブックス他、選出、受賞15以上! 

12歳のスージーは、夏休みに親友のフラニーが海で溺れて死んだことを知る。大人たちは仕方ないというが、5歳から特別仲の良かったスージーは納得できず、原因を突き止めようとする。
 実は、夏休み直前、フラニーとケンカして別れしたままだった。突然、彼女はいなくなってしまい、本当の思いを伝える機会が永遠に失われてしまったのだ。新学期が始まると、いじめられっ子で孤独なスージーは、ついに言葉を発せなくなってしまう……。

 繊細な年頃の2人が迎えた、ケンカと永遠の別れ。理系で頭はすこぶる良いが人付き合いの苦手なスージーが、挫折を味わいながらも、一歩ずつ自分の足で苦しみを乗り越えていくようすを、ていねいに描く。
 シンプルな表現で、心の痛みにきちんと向き合う。示唆に富んだ言葉と知識が織り成す、美しい物語。

感想・レビュー・書評

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  • 科学が好きな12歳の少女スージーは、幼馴染みで泳ぎの得意なフラニーが海で溺れて亡くなったと知ってから言葉を話すことをやめた。秋の遠足で訪れた水族館で、小さくて透明な猛毒を持つイルカンジクラゲの存在を知った彼女は、クラゲが、フラニーの死因になったかもしれないと考え、調べ始めるとともに、そのことを専門家に聞いてみたいと思うようになる。

    思春期の少女が、自分の心を見つめ、喪失から歩み始める過程を、彼女自身の言葉で綴る。


    話が進むにつれて、彼女と親友だったフラニーとの幸せな関係が壊れていっていた様子が描かれ、なぜ彼女が親友の死因をあんなにも追求したいと思ったかが明らかになってきます。

    アメリカの物語らしく、さらっとお兄さんとボーイフレンドの良好な関係も描かれています。
    また、物語に用いられる科学の情報にも、それだけでも好奇心をそそられます。

    主人公は12歳ですが、中学生だし、友人の死を扱っているので、中学生以上からお薦めします。

  • くらげの研究と女子のねじれた友情を合わせるという設定は興味深かった。
    一度ねじれた感情が、どんどん増幅して、自己完結していく感じは10代だなあ。
    幼なじみが親友とは限らない。
    二人だけの世界では見えなかった、相手との違いが見えたのだから、さっさと手を離すべきだったのだ。
    自分にジャスティンやサラが現れたように。

  • 親友が死んだのはクラゲのせいかもしれない。主人公は、親友の死因をつきとめるため、クラゲについて調べはじめる。

  • 水泳の得意な親友のフラニーが海でおぼれて亡くなった。あんなに泳ぎの上手なフラニーが溺れるはずがない。スージーは信じることができない。水族館でクラゲを見てから、スージーはフラニーの死の原因はクラゲにあるのではないかと思い始める。
    フラニーの死後、話すことをやめてしまったスージー。理科のレポートでクラゲを調べていくうちに、イルカンジクラゲの毒性の強さを知り、フラニーはクラゲに刺されて死んだのだと思うようになる。オーストラリアに住む生物学者でクラゲに詳しいジェイミー・シーモア博士に会い、それを証明したいと考え、一人でオーストラリアへ行こうと計画する。

    主人公は日本でいえば中学1年生。思春期の気持ちのすれ違いから、微妙な立場になっていく少女たち。そんな追い込まれた状況の中で起きた親友の突然の死。亡くなる直前の自分の行動に限りない後悔を抱いているスージーの精神的な立ち直りを、過去の二人と現在のスージーの状況を交互に描きながら、真相と立ち直りをうまく描いています。

    他の作品でもあったが、現代はパソコンからホテルでも飛行機のチケットでも予約や購入ができて、カード支払いなら子どもだってできてします。この作品の場合、主人公が12歳で保護者の許可なく海外渡航ができなかったが、もう少し頭の回る子なら成功してしまうかも。便利な世の中になった事は、危うさと隣り合わせなのだ(これは、余談だが)。

  • むー。原書を読みはじめたときにも感じたんだけど、この主人公、思い込みが強すぎやしないか。
    親友とだんだんそりが合わなくなる話はよくあるけど、彼女の行動はちょっと受け入れられないよ……。あと友人の溺死の原因がクラゲじゃないかというのも、なんかほかの理由は一切考えられない感じで、オブセッションと言っていいレベルなのだ。
    そういう意味で、カウンセラーにかかっているのは納得なんだけど、緘黙症の描写が、まるで本人の意思で話さないみたいになってるのもイマイチ納得行かない。本国の評判はいいみたいだけどもうひとつ響かなかった。

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著者プロフィール

アメリカ・ニューヨーク出身。ノンフィクション作品として、HIV陽性の若者ペイジ・ロールと共に書いた『ポジティブ』、サッカー選手でトゥレット症候群のティム・ハワードの回顧録『ザ・キーパー』がある。ニューイングランド科学読本作家連盟会員。「ボストングローブ」等にも執筆。

「2017年 『ジェリーフィッシュ・ノート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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