福袋

著者 :
  • 講談社
3.60
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本棚登録 : 245
レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062206099

作品紹介・あらすじ

本書は著者初の完全独立短編集です。江戸時代の江戸を舞台に、この時代をこよなく愛する著者が描き出す、喜怒哀楽にあふれた庶民の物語。
その日暮らしの気楽さ、商売のさまざま、歌舞伎の流儀、祭の熱気、男女の仲……。
生き生きとした暮らしの賑やかさ、大都会だった江戸の町の日常の騒ぎを、実力折り紙付き、今もっとも新作が待たれる時代小説家が、興趣豊かに綴ります。

感想・レビュー・書評

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  • チャキチャキの江戸っ子達の日常を描いた短編集。
    まかてさん流の小粋な言い回しは相変わらず心地好い。
    絶妙なリズムのある文体は、まるでベテランの落語家さんの小噺を聴いているみたい。
    またどの短編もオチが実に見事でニヤリとなったりホロリとなったり。
    まかてさんお得意のスカッとした清々しさにこちらまで笑顔になれる!

    特に湯屋のお晴、浅草のお琴、絵師のおようの気っ風のいい江戸弁や所作には惚れ惚れする。
    次の話はどんな話なのか、「福袋」を開ける時のようなワクワクしながらの楽しい読書だった。

  • 江戸っ子の心意気と庶民の生活を描いた、珠玉の短編集。
    これまで長編しか読んでいなかったまかてさんですが、短編なのに、ギュッと凝縮された江戸のエッセンスの濃さ!たちまち江戸へ連れて行かれます。そのため、ちょっと奇をてらった「ぞっこん」が最初でない方がよかったような・・・。
    役者、銭湯、絵師に古着屋、江戸の100円ショップ?あり。江戸の人々が、生き生きと描かれている、落語のような人情話。どの話も面白かった!

  • 朝井まかて氏の本やっぱり面白いというか読みやすい
    先生の御庭番、雲上雲下に続きこちらもとてもよかった
    8作品からなる短編集なのだけど、どれも人情人情また人情。
    ほっこりしたり、悲しくなったり笑えたりいろいろあってどれも楽しめる
    どれもこれも良い作品なのだけど、これは!と思ったのが
    「ぞっこん」(まさかの筆が語り部になるという不思議さなのに違和感がないのが不思議。めっちゃいい筆だった)
    「莫連あやめ」(スカッと爽快とはこのことを言うのねくらいスカッと爽快。ドラマ化してほしい)
    「ひってん」(同じように過ごしていた二人の人生の岐路を見た感じ。一番最後の話、すごい切ない)
    また同じように短編集があれば読みたい

  • 図書館で借りたもの。
    初読みの作家さん。

    その日暮らしの気楽さ、商売のさまざま、歌舞伎の流儀、祭の熱気、男女の仲……喜怒哀楽にあふれた庶民の8つの物語。

    湯屋の話「晴れ湯」が面白かった。
    「福袋」は、昔話にありそうな感じ。
    他の作品も読んでみたいな。

  • 江戸時代の江戸を舞台に、この時代をこよなく愛する著者が描き出す、喜怒哀楽にあふれた庶民の物語。
    その日暮らしの気楽さ、商売のさまざま、歌舞伎の流儀、祭の熱気、男女の仲……。朝井亭「読む落語」だよ、寄っといで!商人も職人も、その日暮らしの貧乏人も、江戸の町は賑やかで、笑いと涙にあふれてる。江戸庶民の暮らしを綴る珠玉の時代小説短編集。

  • まかてさん新作!8編からなる短編集。短いながらも面白さが凝縮されていて、読み応え充分。中でも家業の湯屋が大好きで自ら三助になる娘、お晴がかわいくてほほえましい「晴れ湯」が一番よかった。全然働かないお父っつぁんとの会話がなんとも愉快。ダメ親父ではあるけれど、でも憎めない。そして泣かせるラスト。いいなあ。お喰らいの出戻り姉と弟のドタバタ「福袋」、この姉、ただの大喰らいじゃない。鋭い嗅覚と人並みはずれた味わう能力で見事に出世する。弟よ、姉の言うことにもっと耳を傾けていれば、、。他6編も文句なしの逸品揃い。拍手!

  • 抜群に相性のいい作家の朝井まかてさん「福袋」、2017.6発行、短編(独立)8篇です。ぞっこん、千両役者、晴れ湯、莫連あやめ、福袋、暮れ花火、後の祭、ひってん(何もないこと、貧乏なこと)の8話。私には、晴れ湯、莫連あやめ、福袋、暮れ花火が秀逸でした。

  • 朝井まかての本、初めて読んだ。落語のSNS で紹介されていたので手にとった。

    市井の人たちのほっこりする話。
    とはいえ、どの話でも焦点化されている人物にどきっとする出来事がおこり、心の中に波風がたつ。
    だから読む側は目が離せなくなる。
    「福袋」「くれ花火」「ひってん」がよかった。

  • 江戸庶民の生活の情景を描いた短編集。
    ぞっこん・・・筆供養。字を書く職人と筆の熱い関係。
    千両役者・・・歌舞伎。中通りの花六の進む先は千両役者か、咎人か。
    晴れ湯・・・・・湯屋。家業を案ずるお晴。母と娘、夫婦の想い。
    莫連あやめ・・・莫連。不料簡なあやめと出来過ぎの兄嫁に事件が。
    福袋・・・大喰い会。離縁を軸に、姉を利用し算段する佐平の行く末。
    暮れ花火・・・羽裏絵師。羽裏に笑絵を依頼されたおようが見た絵は。
    後の祭・・・神田祭。お祭掛に選ばれた家主の徳兵衛に更なる役目が。
    ひってん・・・貧乏(ひってん)長屋。寅次と気ままな生活を送って
         いた卯吉だが、ある出来事をきっかけに商いを始める。
    短編8編収録ですが、短いながらもどれも奥深い作品です。
    御上の締め付けはあろうとも、貧乏だろうと、どんな職だろうと、
    お江戸の庶民は生きている。そんな彼らにも事件は起こる。
    そんな悲喜こもごもな人生の一端を味合わせてくれます。
    湯屋、損料屋、悉皆屋のような仕事、
    歌舞伎の世界の内情、宵越しの金が無くても生きられる生活等、
    お江戸の様々な面が垣間見られるのも、良い。
    神田祭の熱気、お晴の健気さ、実はスゴイお壱与など、はらはら
    ドキドキしながら楽しめました。

  • 短編集。江戸の市井の人々のお話。
    まかてさんの話を読むと江戸にはそういう職業の人がいたのね、と思うことがよくあります。そしてその中で起きる騒動や、ほろりとした人情話に胸がほっこりします。でも時々、苦い結末の話もあり、それが思うままにいかない世の中を思わせてくれて、ほろ苦さに癒されることもあります。まかてさんの話には人々への愛情があり、そんなまかてさんの話が好きだなぁと読む度に思います。
    この本では『晴れ湯』や『莫蓮あやめ』が良かったです。

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著者プロフィール

1959年、大阪府生まれ。甲南女子大学文学部卒業。2008年、第3回小説現代長編新人賞奨励賞を『実さえ花さえ』(のちに『花競べ 向嶋なずな屋繁盛記』に改題)で受賞してデビュー。2013年に『恋歌』で第3回本屋が選ぶ時代小説大賞、2014年に同書で第150回直木賞、『阿蘭陀西鶴』で第31回織田作之助賞、2015年に『すかたん』で第3回大阪ほんま本大賞、2016年に『眩』で第22回中山義秀文学賞、2017年に『福袋』で第11回舟橋聖一文学賞、2018年に『雲上雲下』で第13回中央公論文芸賞、『悪玉伝』で第22回司馬遼太郎賞。2019年に大阪文化賞。2020年に『グッドバイ』で親鸞賞、2021年に『類』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。他の著書に『ちゃんちゃら』『ぬけまいる』『藪医 ふらここ堂』『輪舞曲』などがある。

「2021年 『草々不一』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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