横濱エトランゼ

著者 :
  • 講談社
2.93
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本棚登録 : 371
レビュー : 71
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062206129

作品紹介・あらすじ

「港の未来」は誰にとっても
明るいものでありますように―― 

女子高生・千紗はタウン誌のアルバイトを通して
横浜の歴史、不思議、そこで暮らす人々の想いを知る。

元町百段、山手洋館、馬車道 etc.
ノスタルジックでハートフルな傑作誕生!  

横浜育ちでも、知らない歴史や場所がまだあるんだと、
新たな視点で街並みを眺めてしまいます。
     ――紀伊國屋書店横浜みなとみらい店 三谷薫さん

読了後、心がぽかぽかして横浜の街を歩きたくなりました。
青春の甘酸っぱさも楽しめて、おすすめです!
    ――BOOK EXPRESS横浜南口店 鈴木詩織さん

高校3年生の千紗は、横浜のタウン誌「ハマペコ」編集部でアルバイト中。
初恋の相手、善正と働きたかったからだ。用事で元町の洋装店へ行った千紗は、
そこのマダムが以前あった元町百段をよく利用していたと聞く。
けれども善正によると元町百段は、マダムが生まれる前に崩壊したという。
マダムは幻を見ていた? それともわざと嘘をついた? 
「元町ロンリネス」「山手ラビリンス」など珠玉の連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 横浜のタウン誌「ハマペコ」でアルバイトをする高校生の千沙が出会った横浜に関する謎を解決していく、日常もの。この作家さんの本がそこまで好きな訳ではないが、自分が知らない横浜のうんちくを期待して、手に取った本。山手の洋館、根岸競馬場、横浜三塔…すでに知っている内容が多く、あまり新しい出会いがなく、残念。
    でも、横浜を大事に思う人たちの謎を一生懸命解明していく千沙の姿はほほえましい。
    作品の中に、「過去を知ったところで、過去が変わる訳じゃない」と言うフレーズがあるが、私は過去を知ることで、自分も未来も変わると信じてる。
    そんなふうに言い切ってしまう人の人生は、少し寂しい。

  • スゴく知的好奇心をそそられる内容だった。
    本当は実際に歩きたいけど、横浜の地図を見ながら位置関係を理解して読む。
    https://hamakore.yokohama/hamaguide/map/
    http://www.hama-midorinokyokai.or.jp

    大学推薦が決まり、受験から一足早く解放された高校三年の千紗は、地域情報誌「ハマペコ」の編集部で、卒業までの間イラスト担当兼雑用係としてアルバイトすることに。
    編集長が病気で入院し、千紗の片思いしている善正がその間代打をすることになったからだ。
    たまにちらりと出てくる善正の思い人の話に、チクチク心が痛む千紗の片思いの様子が、申し訳ないけど可愛い。
    横浜を舞台にしていて、読んでいてへぇ~と思うことばかりだった。気になってブラタモリ横浜編を借りて調べちゃったくらい。
    でも、一番いいなと思ったのは、最後の善正と千紗の会話(色気は全くない)。
    日本開国後に海外からやって来た外国人の立場に立つと、彼らも慣れない高湿度で言葉が通じない異国の地で、奇異や嫌悪の視線で見られてどう思っただろうというやり取りの中、共感した千紗が、藤沢よりの戸塚に住む自分が横浜市民と名乗るのは、おこぼれもらってるみたいで気まずい、よそ者って悲しい言葉だとこぼす。
    善正は、横浜は元々100戸程度の村で、開国後に次々移住者が住んで発展した街なのだ。新しく入ってきた人に対して開かれた街であってほしい。という。
    自分も新しい環境になったばかりで、そこの文化に慣れなくてスゴく精神的に辛いので、自分は新しく来た人に優しくしよう、とノウハウ集を作り始めた。善正の言葉が身に染みた…✨


    以下ネタバレ

    元町ロンリネス…善正の忘れ物を取りに行った洋裁店で元町百段階段の話にまつわる夫婦のエピソードを店主の老婦人より聞いた千紗。
    ところが善正は千紗からその話を聞いて、時系列の違いに気づく。元町百階段は関東大震災で倒壊しており、婦人の年齢と一致しない、と。
    無知な女子高生だと思われたのか、それとも記憶があいまいになっているのか…と落ち込む千紗。
    しかし事実は婦人の無くなった夫が描いた元町百段階段の絵。
    善正に見せた絵は記憶にある震災で無くなった兄と婚約者で、千紗に見せてくれた絵は、同じ構図で旦那と婦人で描かれていた。


    山手ラビリンス…ハマペコの読者ハガキに書かれていた洋館の七不思議のサイト。そのサイトに書かれていた話を、編集長の同級生のシェフにしたところ急にシェフの様子がおかしくなった。
    不思議に思いつつ、興味のままに七不思議の洋館めぐりをする千紗。洋館めぐりの途中で女性に話しかけられる。過去を知ることに何の意味があるのか、と呟く女性。
    実はシェフと編集長は女性のために(シェフの片想いのため?)、塾に置いてあった落書きノートに七不思議のネタを書いていたが、女性が塾をやめてしまったことで連絡が途絶えてしまっていた。山手の元町公園の洋館が山手公園の洋館に勘違いされて伝わり、落書きノートのやり取りの続きがなされなかっただけ。
    洋館めぐりが急にしたくなる。エリスマン邸が2019年中は工事中という事で行けないのが残念!

    根岸メモリーズ…千沙の友人、菜々美から、彼女の祖母の思い出の場所を調べてほしいと依頼される。菜々美の曾祖父喜助は自分は外国の生まれと話していたらしいが、本人は純日本人。横浜が外国人居住地時代に何か関係するカタカナの地名はないか調べることに。
    すると、明治から大正にかけて、ペリー提督が名付けたミシシッピ・ベイ=根岸湾。
    次は喜助が曽祖母と祖母を連れて行きたいと言っていた場所を調べてほしいという。
    喜助が亡くなった昭和58年ではまだ時期ではなく、当時素晴らしい眺めで、外国人もいて、植木職人の喜助が行ける場所。なんと根岸森林公園は昔競馬場で、その一等馬見場だという。1981年(昭和56年)に接収が解除されたそうだが、一般公開がされないまま喜助が亡くなった。
    …現在は近代化産業遺産として2009年に認定。廃墟ブームにあいまって、人気が出ているらしい。

    関内キング…屈指のスポンサーである寿々川の会長が、突然ハナペコとの取引をすべてやめると怒りながら言いだし、戸惑う編集部。理由を探るべく会長本人に会いに行く善正。
    会長が書いたコラムが掲載された最新号に問題があるらしい。
    掲載された横浜三塔についての思い出話は、当時喫茶店で働いていた女性に皆熱をあげていて、ミステリアスな女性の口癖は、「私は関内のキングを探している」というもの。しかし彼女は「私のキングが、パリに連れていってくれる」と残し、横浜を去ってしまうが、キングになれなかったと落ち込んだ会長は、その旅立ちの見送りに行かなかったのが心残りだ。というもの。
    しかし実はコラムの中身は会長の妹が勝手に訂正を、いれて変わっていただけ。

    馬車道セレナーデ…千紗の7つ上の従姉妹で、美人で頭がよくて、ニューヨークのギャラリーで働いていたはずの恵里香が日本に戻ってきた。ただでさえバイト終了が迫り、大学生活への不安もあるのに、善正が未練たらたらの恵里香が近くにいるとなると、千紗の心境は穏やかでない。
    しかもどうやら恵里香は善正に興味があるようだ。そんな恵里香と善正には馬車道での思い出があると知り、次号の特集「馬車道あいす」イラスト制作の準備をかねて歩くことに。日本初の物が数多くあるこのエリアは県立歴史博物館、街路樹、あいすくりん、ガス灯、蒸気機関車

  • タウン誌の編集部でバイトをしている主人公が様々な人と出会う事によって横浜の歴史や雑学に触れ、恋に悩み、大人への一歩を踏み出す成長譚。

    …が、横浜に縁がなく思い入れもない地方人である自分にはあまりピンと来ず。
    少々無理があるような強引な展開で「横浜」を意識させるように持って行くので興醒めしてしまった。
    大学時代、地方誌の編集のバイトをした事もあるので、不純な動機で強引にバイトを始めたにも関わらず大した仕事もせず忙しいだろう編集長代理に構って攻撃を繰り出す主人公にも辟易。
    バイトの終わりも恋の結末も中途半端でスッキリしない。

    横浜近郊在住の人なら頭の中に描き易いしもっと楽しめるのかも。
    でもどうせなら地方人でも楽しめる横浜ストーリーになっていれば良かったのにと思う。

  • ちょうど1年前に横浜に行ったので、横浜三塔のエピソードや、港の見える丘公園、赤レンガ倉庫周辺などは情景がありありと浮かんできて楽しめた。

    「あ、あそこね、行った行った」とか「そんな所があったのかー」とか、いろんな思いに浸りながら読んだ。

    千沙の善正へのほのかな憧れも微笑ましく、みんなが前を向いて歩いていく感じがほっこりしててよかった。

  • 高3でタウン誌に関わるバイトって刺激的で楽しそう。
    近所の情報にも強くなれるうえに、たくさんの人に出会える。考えただけでワクワクするね。
    あたしの高校時代なんて、バイトしていたわけでもなく、それも認められていなかっただろうしなぁ。時代、地域の差か? 都会っ子でこんな環境で過ごせていたら、また違った人生だったのかもと想像するのも楽しい。

  •  なんとなく中途半端でした。

     主人公の恋心も、結局何がしたかったのかも。

  • ▼「…年を取って初めて、あのときの母は、あのときの父は、と身近に考えられるようになったの。亡くなった父だって、今の私より年下なのよ。懐かしいだけじゃなく、その折々に、自分では気づかぬうちによくしてもらっていた、だいじにされてたんだと思うことができた。年を取るって、悪いことばかりじゃないわ。新しい発見や気づきがあるんですもの」(p.162)

    ▼「新しく来た人を端から拒絶しない場所、少しでも親切に接することのできる場所が、いい場所だとおれは思うんだ」(p.262)

  • 横浜の街並みを想像しながら読めるし、読後は横浜に行きたくなったけど、内容的にはイマイチ盛り上がらずに終わった感じが否めない。終わり方も中途半端。

  • 図書館で借りた本。
    高校3年生の千紗は、推薦で大学が決まったあと、幼馴染のよっちゃんの勤めるヨコハマ・ペーパー・コミュニティー略してハマペコの編集部でアルバイトをしていた。そこで知り合った人たちと、地元ヨコハマに関する小さな謎をよっちゃんと一緒に解決していく連作短編。

  • 軽ーく読む一冊。
    ホントにフリーペーパーに載ってそうだ。
    ちょっと軽すぎて物足りない。

    横浜を知っていたらもう少し楽しめたのかなぁ
    例えば、コレが神戸ならOKだったのか。。。
    んー、ちょっと、今回の大崎さんは合わなかったかな。

    何より、主人公の女の子が物凄く苦手。
    あまり惹きつけられるキャラがいなかった。

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著者プロフィール

東京都生まれ。神奈川県在住。元書店員。
書店で起こる小さな謎を描いた『配達あかずきん』で、2006年にデビュー。
近著に『誰にも探せない』『スクープのたまご』
『よっつ屋根の下』『本バスめぐりん。』などがある。

「2021年 『バスクル新宿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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