敵討ちか主殺しか 物書同心居眠り紋蔵

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 41
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062206198

作品紹介・あらすじ

江戸市中あちこちで起きる厄介事はなぜかこの男の許に持ち込まれる。南町奉行所の窓ぎわ同心の藤木紋蔵。今日もまた難事件に奔走する

感想・レビュー・書評

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  • 物書き同心紋蔵は、花形の三廻りにはなれなかった。
    居眠りに落ちてしまう奇病持ちだからだ。

    なので、付け届けがない。
    家計もとんとん、余裕はない。

    だが長年、例繰り方勤で、膨大な文書を読み込んでいるので
    南町奉行所で、前例など紐解くには、紋蔵に聞け。。。。
    ということになっている。
    新しく赴任したお奉行もなんやかやと紋蔵を頼りにしている。

    そんな折、やはり渡世の世界に未練がある養い子、
    文吉の動向が、耳に入るように。


    ハレの場に、よく出るようになった紋蔵。
    知り合いも増え、若竹は大賑わい。

  • 愛読シリーズ第15巻。前巻では上司から恨みを買ってしまった主人公が今度は火盗改の役人から痛くもない腹を探られこの所お騒がせの文吉まで巻き込まれる。ところでこのシリーズの醍醐味は、類書の人情(刃傷)ものとか謎解きだけで終わらずに、トリビアというか江戸の世情を窺うのに格好な知られざるあれこれを披露してくれることで、今回は八丁堀の医者儒者犬の糞・旧悪(時効)・手売り手買い・小石川の養生所など。当時の文書や記録を熱心に調べているんだろうなと感心する。

  • 目次
    ・目隠し板貼り付け要求裏の絡繰
    ・敵討ちか主殺しか
    ・火盗改死罪伺いの顛末
    ・底抜けの出来損ない
    ・品川・骨董屋の正体と枝珊瑚
    ・殺人鬼の復讐
    ・鳶に油揚げ
    ・ちかの思いとそでの余所行き

    前巻で紋蔵を逆恨みして難癖付けてくる御奉行が出てきて左遷されたと思ったら、今度は新任の火盗改めから逆恨みを受ける。
    シリーズが始まったころはそれなりにいい思いをしたいと思っている小役人だった紋蔵だったけど、シリーズが続くにつれお定め書きに書かれた善悪だけでは割り切れない人情の機微を知る紋蔵は、野心を持つ人からは恨まれるような存在になった。

    そして文吉の運命も変わる。
    わらしべ長者のように次々と出世の階段を昇って行ったのに、自分の力で生きていきたいと自ら侍の身分を捨てた。

    この先の紋蔵一家の行く末は気になるけれど、次の巻はいつになるのやら。
    目立たなくても実直な仕事ぶりが認められる、サラリーマンの希望であってくれ、紋蔵よ。

  • 物書同心居眠り紋蔵シリーズ。
    合縁奇縁を描いている 8話 掲載。

    江戸で、起こった事件を解決していくのに、紋蔵が、知恵と、古い文献から参考に、難題を解いていくのだが、、、、


    養子の文吉は、御家人んになり、大名家の娘婿にと、、話が来るのだが、どうも、頭が固いのか、、、武士になりたくないのか、、、紋蔵もどう対処してよいのか?頭を悩ます。

    新しく火盗改役が、就任してきて、紋蔵が邪魔をしていると勘違いしており、何でも矛先を向ける事になったり、、、と、問題点出て来る。

    お役の立場上、どう采配して行くのがよいのか?

    江戸の町の日々の生活で起きた揉め事などの解決していく様を剣を使わずに、処置して行くのは、今の現在の生活様式に似ていて、面白い。

    ぶ厚い本であるが、楽しめる本であった。

  • 物書き同心居眠り紋蔵シリーズの一作。シリーズのなかで特に面白いという作品ではないが、主人公の人となりがわかっているので、気軽に読むことができる。

  • 小説現代2015年8、10、12月号、2016年2、4、8、10、12月号掲載作品を2017年6月講談社刊。シリーズ15作目。まさしく、帯にあった「シリーズ屈指の合縁奇縁を描く」のフレーズの通りのストーリーで、文吉はいうにおよばず、他の登場人物達の振る舞いが興味深く楽しめた。

  • 初出 2015〜16年「小説現代」
    物書同心居眠り紋蔵シリーズ15作目

    新キャラクター登場。資産10万両を超えるという廻船問屋伊勢徳の隠居徳兵衛さん。

    火事場泥棒を目撃したのをきっかけに紋蔵と知り合って、紋蔵たちがよく行く居酒屋若竹に顔を出すようになり、探偵の真似をしようとしたり、探索の資金を出したり、事件解決に一役買うようになる。今後も出て来そう。

    新任で手柄を立てたい火盗改め加役の暴走を、これまた新任の南のお奉行が生き字引の紋蔵を頼りにして阻止するので、紋蔵は恨みを買い、文吉までとばっちりを食ってしまう。

  • 文吉の身の振り方,15歳にして,あまりにもあっちこっち変わりすぎ!と思うけど,本人は最初からぶれていないのかも。
    でも,周りの大人は(私も),その侠気生かしてもっと真っ当な生き方できないの?と思ってしまうのよね。
    近所のおばさん気分で心配。紋蔵は受け入れているみたいだけど。

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著者プロフィール

佐藤雅美(さとう まさよし)
1941年1月14日 - 2019年7月29日
兵庫県生まれの作家。早稲田大学法学部卒。処女作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。デビュー初期は歴史を踏まえた経済小説が多かったが、次第に時代小説に移行。1994年に江戸の民事訴訟を題材にした『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。「八州廻り桑山十兵衛」「物書同心居眠り紋蔵」「半次捕物控」といった各シリーズが代表作となる。

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