- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062206273
感想・レビュー・書評
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現実社会の出来事=主に芸能人、著名人、(元)時の人の死がリアルタイムに流れていて、そこに複数の登場人物が絡みつつ話は進行していく。構造的な構成が面白い。ただ、何気に怖さというか、底冷えする苦しさが増していくので、気軽にさらっと読むのが吉。
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富める人も貧しき人も、死だけは平等 。遅い早い、手段の違いはあってもそのときは必ず訪れる。一度しかない人生、生きていくのは大変で、つらくて悲しいから、「もう生まれたくない」なのかな。身近な人、著名人、顔も知らない誰か、死んでしまったひとたちのことをひっそりと思うことは、その人の死を無意識のうちに悼んでいるのだと思う。もう二度と会えない悲しみよりも、"死"というフィルターを通した残された者の生活が描かれていて新鮮でした。残された者は、別に死んでしまった人の分まで気負って生きる必要はないんだ。
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著名人の死がテーマ。
複数人の登場人物それぞれの視点から語られる日常。
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「誰にも言わないままの言葉をいつか私はしたためよう。亡くなった人に、友達だと思っている人に。ネットに載せて読めるようなのではなくて、そう、空母の中の郵便局にたまる手紙のように」――。
マンモス大学の診療室に勤める春菜、ゲームオタクのシングルマザー・美里、謎めいた美人清掃員の神子。震災の年の夏、「偶然の訃報」でつながった彼女たちの運命が動き始める――。 スティーブ・ジョブズ、元XJAPANのTAIJIなど有名人から無名の一般人、そして身近な家族まで、数々の「訃報」を登場人物たちはどこで、どんなふうに受けとったのか。誰もが死とともにある日常を通してかけがえのない生の光を伝える、芥川・谷崎賞作家の新境地傑作小説! -
実在の人の話はここで思い出されるのも嫌だろうなと思ってしまう。
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人の死をテーマに描かれた物語。
主人公がどんどん入れ替わるスピードに、私は全くついていけず…。
すっと読めるのだけど、内容の深いところは入ってこなかった。 -
死がベースのテーマにあるけれど、すごく悲しい感じはしないけど、ずっとなんかモヤモヤする気持ちが拭えなかった。
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なんか、モヤっとしたものが残る作品でした。伏線というか、気になる人物とか、そのままになってて、モヤっと。
ただ、職場で出会った気の合う仲間って、異動とかでだんだん疎遠になって、何かに気がついた時にはもう遅くって、、、なんてこと、きっとあるよな〜と思いながら、読み切りました。 -
死は生の対極ではなく一部として存在する、とあったのは村上春樹「ノルウェーの森」。まさにそんな感じ。紙一重なんだな。
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何気ない日常にふと顔を出す『死』。幾多の有名人の訃報が我々にその存在を知らしめるのだけど、それはあっという間の知らせで、また猥雑な日常に埋もれ忘れる。死は必ず訪れる。死は真っ暗な闇なのだろうか。虚無に投げ出される私の魂… 訃報に少しは思い馳せよう。