告白 三島由紀夫未公開インタビュー

著者 :
制作 : TBSヴィンテージ クラシックス 
  • 講談社
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本棚登録 : 58
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062206549

作品紹介・あらすじ

自決9ヶ月前。最後の長編小説『豊饒の海』第三巻「暁の寺」脱稿日に語られ、 今まで公開されることのなかった貴重なインタビュー音源が発見された。
くつろいだ様子でてらいなく自身の文学観、芸術観、戦後観を語るその口調に、従来のイメージをくつがえすような「素顔の三島」が表れている貴重なインタビュー。 「群像」2017年3月号に部分掲載されて各メディアで大反響を呼んだ第一級の資料を全文公開。
「これをわかってくれれば、僕のやりたいことは全部わかる」と三島がインタビュー中で語った評論「太陽と鉄」を併録。

感想・レビュー・書評

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  • TBSで発見された未公開テープ(英国人翻訳者によるインタビュー)と随筆『太陽と鉄』の二本立て。インタビューはヴァージニア・ウルフ、川端、荷風あたりと比較しつつ自分の小説について語ったり、現代(というか当時)の漢文教育を批判したり、非常に興味深い内容なうえ、最後の最後に「美とは何か」について端的に語られていて唸った。『太陽と鉄』はわたしには難解だったけど、ああするしかなかったんだ、ああすることで思いを遂げたんだ、ということがうっすらではあるが理解できたかな。最後のほうで精神と肉体を一つにする究極の体験を求めて、三島は音速飛行を体験するんだけど、そのあたりの描写に宿る美と狂気のせめぎあいは読んでいて息が苦しくなるほどだった。『英霊の声』では、狂ってる人が大真面目に完璧に美しい文章を操ることの空恐ろしさを強く感じたけど、この『太陽と鉄』からは切実さ、やむにやまれなさがひしひしと伝わってきた。『奔馬』や『剣』のラストとか、ギリシャ神話のイカロスの悲劇(じっさい、この随筆は『イカロス』と題した詩で結ばれている)が脳裏に浮かんでは消え。

  • 三島の死の数ヶ月前の未公開のインタビューが発見されたと聞いた時、血が湧くような気持ちになった。

  • インタビューの方は、作品では触れたことの無い三島の姿が感じられて、「ああ、こんな風に話す人なんだ。」という面でも興味深かった。でも読んでてより面白かったのは「太陽と鉄」かな。ボディービルにはまっていって、ナショナリスティックな思想がそこにどういう風に絡んでいくのかっていう辺りが”ああ、そういう風に考えていたのか。”と珍しくじっくり噛みしめて読んだ。

  •  身についた身体技巧だけで歌舞伎風にはなる。けれども技巧は演技だけにではなく演出にも舞台にもある。規範は古典にある。アンチテアトルは技巧のなさをごまかすためか。芝居の言葉のコロキュアルなニュアンス。人生だの思想だの。小説は言葉こそメチエ。構造的なもの構成的なものの影響下にありながら使っている言葉は日本語。耳に入っている日本語の美しさ。

    『ベスター 三島さんは、文学以外のいろんな芸術や美術について、どういうものに……。音楽はあまり……。
     三島 僕は美術も音楽も生活に別に必要じゃないんです。
     ベスター 今、僕、気がついたんですけど、結局、同じことになっちゃいますね。自分の一生を文学に捧げて、それだけで十分ですね。本当はほかの芸術に興味を持っても、結局、同じことを繰り返す。完全に同じですね。
     三島 完全に同じです。』41頁

  • 難しく…他の作品も読んでみたい

  • TBSで発見された三島の未公開インタビューを書籍にしたものに加え、インタビュー内でも言及されている三島の「太陽と鉄」およびインタビューテープ発見から本書刊行までのいきさつを入れた三本立て。
    なお、インタビューは三島の衝撃的自決の約9か月前に行われている。このインタビューと、併録の「太陽と鉄」を読むと三島がなぜ剣道やボディビルに走ったのか、なぜ自衛隊に体験入隊したのか、なぜあの事件を起こしたのかが、なんとなく見えてくる。
    ただ、「太陽と鉄」はちょっと難解。
    あと、インタビュー内で憲法9条についても三島は言及しており、改憲論がよく取りざたされる現在において、ちょっと不思議なシンクロがあったな~、と感じた。

  • TBSの倉庫に保管されていた未発表インタビューと『太陽と鉄』の合本。巻末にテープを発見した記者が『あとがき』を書いている。
    インタビューはあちこちで報道された通り、第一級の資料。聞き手のジョン・ベスターがかなり突っ込んだところまで聞いていて、非常に興味深い内容。特に『自作の欠点』については一読の価値がある。
    また、詳しくは『あとがき』にあるが、記録は殆ど残されていない……というのも面白い。
    余談だが、この『あとがき』、如何にも記者の文章で、ヘタな短編ミステリよりもスリリングだったw 放送局の倉庫を一度、気合いを入れて発掘してみたら、とんでもないものが発見されるかもしれないな……。

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著者プロフィール

三島由紀夫(1925.1.14~1970.11.25) 小説家、劇作家。
東京生まれ。学習院時代から文才を注目され、1944年、東大入学と同時に『花ざかりの森』を刊行。47年、東大卒業後、大蔵省に勤務するも、翌年辞職。49年、『仮面の告白』で新進作家として地位を確立。『金閣寺』『鏡子の家』『近代能楽集』など、強固な美意識で彫たくされた作品を発表。海外での評価も高い。68年、楯の会結成。『豊饒の海』の最終回を書き上げ、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地東部方面総監室に立てこもり、割腹自決。

「2017年 『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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