さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 53
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062206617

作品紹介・あらすじ

最近の日本は危険な戦前、怖い怖い悪魔の「人喰い」契約が目の前に――。S倉市の高台にある作者のおうちの台所で猫神様が語り出す。

感想・レビュー・書評

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  • 猫○○荒神シリーズ。TPPは流れたが今の時代を「戦前」と呼ぶ作者は、5年間限定の大学教授仕事もしながら、今は最後の一匹となってしまった猫のギドウの介護の日々。タイトルが過激(?)なのでずっとTPPだったら理解できるかしらと不安だったのだけど、配分的にはそれほど政治の話題は多くなく、大半は猫と病気と生い立ちの話。

    愛する猫たちの中でも「正妻」たる立場だったドーラへの、死後数年たっても尽きない愛情と、哀悼。ルウルウの思い出、モイラの思い出。病名がはっきりわからないまま何十年も苦しみ続けた病との闘い。『未闘病記』の表紙写真はギドウくんだったそうで、今回のもギドウくんかな? 最後に残った彼もついに帰らぬ猫となり・・・。

    いわゆる毒親だったとしか思えない母親との関係性については度々書かれてきたけれど、今回初めて、そもそも父親のほうが妻に対してかなりのモラハラ、そして「秘書」というのは当然、兼愛人だったのだろうし、昭和も前半の男性にはこういうタイプが多かったのかもしれないけれど、当時としてはかなり珍しい大卒リケジョだった母という人にかなり同情する気持ちも沸いた。

  • ニャンコ達のために、どうしようもない政治家や役人を駆逐しなきゃ!

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    愛猫よ君のために戦争を止めたい。しかし私には文学しかない。じゃあ、さあ文学で戦争を止めよう。私たちのご飯とお薬と憲法を守るために。
    http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062206617

  • 小説というかエッセイ?私小説?
    猫の話になったり筆者の両親の話になったりあっちこっちするので話のつながりが追いきれなかった。金毘羅を読んでいたから辛うじてわかるところもあったから、ひょうすべの国とか読んでからならもう少し良く分かったのかも。
    両親への愛憎がすごく感じられて、人間の人物形成における家族の影響って大きいなとつくづく思った。主題逸れるけど。

  • 文学

  • 私情の塊。恨みつらみの集合体。
    コンプレックスが積み重なってできあがった体と心が、コンプレックスの原因と同じことを繰り返す。
    自分以外のものを認めず、自分の正しさだけを信じる。
    怖い。

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著者プロフィール

1956年三重県生まれ。立命館大学法学部卒業。’81年「極楽」で群像新人文学賞受賞。選考委員の藤枝静男に絶賛される。
’91年『なにもしてない』で野間文芸新人賞、’94年『二百回忌』で三島由紀夫賞、同年「タイムスリップ・コンビナート」で芥川龍之介賞、2001年『幽界森娘異聞』で泉鏡花文学賞、’04年『水晶内制度』でセンス・オブ・ジェンダー大賞、’05年『金毘羅』で伊藤整文学賞、’14年『未闘病記―膠原病、「混合性結合組織病」の』で野間文芸賞をそれぞれ受賞。
近著に『ひょうすべの国―植民人喰い条約』『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』『ウラミズモ奴隷選挙』『会いに行って 静流藤娘紀行』など。’11年から’16年まで立教大学大学院特任教授。

「2021年 『猫沼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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