- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062206877
作品紹介・あらすじ
『しんがり 山一證券 最後の12人』『プライベートバンカー』などで知られる著者の最新書き下ろし。今回の舞台は警視庁捜査二課。2001年に発覚した外務省機密費流用事件、政官界を揺るがせたこの事件を掘り起こしたのは無名のノンキャリ刑事たちだった。
容疑者は、着服したカネで次々と愛人を作り、競走馬を何頭も所有する外務省の「ノンキャリの星」。地道な裏付け捜査と職人技を駆使した取り調べ、そして容疑者と刑事の間に生まれる不思議な人間関係。
機密費という「国家のタブー」に触れてしまった二課刑事(ニカデカ)たちを待っていたのは――。
感想・レビュー・書評
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主人公の捜査2課刑事たちの仕事のように、こういう万人受けしない素晴らしいノンフィクションは本当に貴重です。なかなか証言を取るのも困難な取材対象を相手によくぞここまで調べ上げたと思います。少し冗長かなあと思う箇所もありましたが真実の威力は小説を凌駕します。これからも労多く報われないが力のある良質のノンフィクションを期待しております。
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機密費という「国家のタブー」に触れてしまった二課刑事(ニカデカ)たちを待っていたのは――。 -
ふむ
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外務省の機密費詐欺事件を暴く警視庁刑事のドキュメント
ノンキャリアの現場への執念が難事件を解決してきた
それは国家の浄化にも繋がる健全を担保する有効な仕組み
他省庁の事件を暴くのは難しい
それも外務省のように国家機密を扱うところは尚更
そこに切り込んだ警視庁の物語は歴史を飾るべきもの
翻って今日、こうした組織の健全な自浄能力は堅持されているのか?
ノンキャリアのエネルギーを「国家の仕組み」として新たに作り出せていない気がする -
2019年10月26日読了
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「ドンキホーテ」は、今や安売りスーパーの名前にしか聞こえなくなってしまいました。
とんでもなく大きく、強い壁に守られているものに真正面から立ち向かう。ふつうに考えれば、そんな人はまともではない勝負を挑むひと、ということになります。
そうした人をみて、その人を信じることはとても難しく、常識のない愚かな人だと断じるのは簡単なことです。
自らの職を、真摯に激しく生きる意味のあるものとして全うすることの意味と現実を知らせてくれる本です。
希望は、主人公を「おとうさん」と呼ぶ、たったひとりの後継者がそこに残ったことだと感じます。