青空に飛ぶ

著者 :
  • 講談社
3.68
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本棚登録 : 92
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062207096

作品紹介・あらすじ

2015年10月。中学2年生の萩原友人は、伯母の住む札幌を訪れる。それはいじめられる日々からの束の間の逃避であった。友人はひょんなことから伯母の勤務する病院に神風特攻隊の有名人・佐々木友次が入院していることを知る。
いじめの苦しさから逃れるため、自殺を試みるも思いとどまった友人は、伯母の勤める病院に向かい、佐々木の病室を見つける。佐々木は9回特攻に出撃し、9回とも生還したのだという。特攻隊と佐々木に関心を持った友人は、古本屋で『陸軍特別攻撃隊』を手にする。そこに書かれていたのは、敵艦への体当たりという任務を負った万朶隊の物語であった。

感想・レビュー・書評

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  • 2018/09/14読了
    3.5

  • 90やっぱりイジメの話は辛いね。特攻との関連がチト薄いかも

  • 2018_06_08-065

  • しんどかった。
    最初は、特攻のほうの宣伝文に興味を持って手にしました。
    でも、衝撃だったのは主人公の生活のほうでした。

    戦時中の状況や感情は正直想像もできないけれど、いじめのシーンは本当につらくて直視できず、本を何回もとじたり、飛ばして読んでから戻ったりして少しずつ進めていくしかなかった。読むのやめようかと思ったくらいだった。
    結局加害側は、被害側が死んでも逃げても特に変わらない。しまいには武勇伝のように当時を語り、平然と社会に出て結婚して子をもうけたりするんだろう。理不尽な上司もそう。その時々の多数派の声もそう。機能しない組織もそう。思考停止して、他者を攻撃することで自分を正当化して生きてる。

    逃げて生きよう。
    自分で、考えなくてはいけない。
    親も教師も、時には友と思う相手も的外れなことを言う。
    時には裏切る。
    時には本気で、見当違いなことを問題にする。

    そんなのに構っている時間はない。
    寿命がつきるまで、どう考えどう生きるか、考えよう。

    友人(ともひと)が自分で行き先を決めたことにとても爽快感があった。友次さんに会いたいと行動できたところ。飛び出して死ねなくてでも知りたいと歩み続けたところ。自分で南の島への転校を決めたこと。全部大きな財産になる。いじめていた側や保身体質の学校が無理に変わる結末じゃなかったことが、逆に生きていくことへの道標になっていたように思えました。

    軍隊に身を置いてなお、同調圧力に流されない。
    引きずられるように仲間が死んでいく中で、考えて、意見して、行動した。そのうち、理解してくれる人もいた。

    佐々木さんは聡明で、強さをもち、自分を持ち、腕を磨いていた。
    生きながらえたからこそ味わった苦しさもあったことでしょう。
    本を通してでも、佐々木さんに出逢えてよかったです。


    ちなみに主人公が選んだ鳩間中学校。
    実在するんですね。
    詳しくは調べてないですが、これも、選択肢。
    生きよう。

  • 元特攻隊員の佐々木友次さんの話をはじめて知りました。一度は死亡で上に報告してしまったのだから、(訂正することはできない)次は死んでこいというメチャクチャな言い分がまかりとおるのは戦時中の話だけではなくて、現在もなんだろう。

  • 2018.3.20-

    いじめのシーンは本当に読むのが辛かった。
    学校の対応、先生の言葉に愕然とした。
    最後は学校側やクラスメイトも変わるのではという仄かな期待も、現実はそうではなかった。

    9回も特攻を生き抜いた佐々木友次さんも、きっとこんな風に地獄を耐えてきた。
    友人くんは佐々木さんに会えたこと、『陸軍特別攻撃隊』を手にしたことに、運命を感じる。

    寿命は自分で決めるものではない。
    という佐々木さんの言葉。

    あなたが生き抜いたことには意味がある。しなくてはならないことがある。だから生き抜いてください。
    という岩本大尉のお父さんの言葉。

    多くの子ども達に読んで欲しい、知って欲しい本だった。

  • 鴻上アニキの作品は舞台書物を問わず好んで見てきたが今回ばかりはなんでこんな胸糞悪い話を書いたんだろうと正直読むことを止めようかとも思った。
    いじめのシーンはエグすぎて正視に耐えずそれ以前にいじめと特攻がなぜ同列に扱われるのか全く理解出来なかった。しかし最後まで読んで始めてアニキの意図することがわかった。
    それは死ぬか逃げるかどちらかしか選択肢がなく自分の力ではどうすることも出来ない状況に陥ったときには「逃げて生きろ」と言う強いメッセージだったのだ。
    敗戦の屈辱と引き換えに取り戻した平和はいつの間にこんなに捻じ曲がってしまったのだろう…悲しくてとてもやりきれない

  • いきなりのいじめがあり、困惑しながら読み進めています。
    「特攻隊ゲーム」といういじめと本物の特攻隊員、佐々木氏が9回以上死に直面して生きて帰ってきた話。
    それぞれが交互に書かれ、いじめでは主人公が死ぬしかないと考え、佐々木氏は死を選ばない生き方をしてきた。実際の戦争場面といじめの場面とがどれも重苦しく、それでも読み進めて行きたくなりました。(いつもは辛い話だったりいやな気持を感じると読むのを止めます)

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著者プロフィール

1958年愛媛県生まれ。早稲田大学法学部卒業。在学中に劇団「第三舞台」を結成、以降、作・演出を手がける。1987年『朝日のような夕日をつれて’87』で紀伊國屋演劇賞、1992年『天使は瞳を閉じて』でゴールデン・アロー賞、1994年『スナフキンの手紙』で第39回岸田國士戯曲賞、2009年「虚構の劇団」旗揚げ三部作『グローブ・ジャングル』で読売文学賞戯曲賞を受賞する。2001年、劇団「第三舞台」は2011年に第三舞台封印解除&解散公演『深呼吸する惑星』
を上演。桐朋学園芸術短期大学特別招聘教授。現在は「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に活動。また、演劇公演の他にも、映画監督、小説家、エッセイスト、脚本家としても幅広く活動。近著に、『朝日のような夕日をつれて[21世紀版]』『ベター・ハーフ』『イントレランスの祭/ホーボーズ・ソング』(以上、論創社)、『ロンドン・デイズ』(小学館文庫)、『青空に飛ぶ』(講談社)、『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』 (講談社現代新書) など。

「2018年 『サバイバーズ・ギルト&シェイム-もうひとつの地球の歩き方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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