- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062207096
作品紹介・あらすじ
2015年10月。中学2年生の萩原友人は、伯母の住む札幌を訪れる。それはいじめられる日々からの束の間の逃避であった。友人はひょんなことから伯母の勤務する病院に神風特攻隊の有名人・佐々木友次が入院していることを知る。
いじめの苦しさから逃れるため、自殺を試みるも思いとどまった友人は、伯母の勤める病院に向かい、佐々木の病室を見つける。佐々木は9回特攻に出撃し、9回とも生還したのだという。特攻隊と佐々木に関心を持った友人は、古本屋で『陸軍特別攻撃隊』を手にする。そこに書かれていたのは、敵艦への体当たりという任務を負った万朶隊の物語であった。
感想・レビュー・書評
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昔の戦争時代と現代のいじめそれぞれの描写。とっても重い内容。でも、学べることはたくさんあった。この作品のポイントは「同調圧力にいかに抗うか」だと思う。周りが正しいと言っていることとは逆のことをやるというのは、とても勇気と意志が必要。
表題が「青空に飛ぶ」。結果的に、主人公の友人くんが新しい環境に、希望をもって羽ばたいていく結末でホッとした。
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友人の受けていたいじめがとにかく酷くて、ものすごく辛い読書になりました。
友人のパートはフィクションとの事ですが、どこかでこのようなことが起こっているのかもしれないと思うと、胸が苦しくなります。
親は気づけないものなのでしょうか。
親には言いたくないものなのでしょうか。
我が子のその時代をなんとか無事に通り過ぎた親の立場として、あらゆるいじめがなくなることを祈らずにはいられません。
生きてさえいれば、いつか良いことはある。
友人が最終的に死を選ばずにすんで本当によかったと思います。
特攻のパート、他の書物でも読んでいましたが、陸軍の特攻の話は初めてで新たな知識として、いい体験となりました。
戦争という不幸な出来事も、今後起こしてはいけないと思います。 -
元特攻隊員の佐々木友次さんの話をはじめて知りました。一度は死亡で上に報告してしまったのだから、(訂正することはできない)次は死んでこいというメチャクチャな言い分がまかりとおるのは戦時中の話だけではなくて、現在もなんだろう。
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鴻上アニキの作品は舞台書物を問わず好んで見てきたが今回ばかりはなんでこんな胸糞悪い話を書いたんだろうと正直読むことを止めようかとも思った。
いじめのシーンはエグすぎて正視に耐えずそれ以前にいじめと特攻がなぜ同列に扱われるのか全く理解出来なかった。しかし最後まで読んで始めてアニキの意図することがわかった。
それは死ぬか逃げるかどちらかしか選択肢がなく自分の力ではどうすることも出来ない状況に陥ったときには「逃げて生きろ」と言う強いメッセージだったのだ。
敗戦の屈辱と引き換えに取り戻した平和はいつの間にこんなに捻じ曲がってしまったのだろう…悲しくてとてもやりきれない -
読んで良かった。実在した特攻隊員の方の話も良かった。
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皆さんが書いているように、読むのがつらい話でした。
いじめが解決して終わるのではなく、逃げて終わるのが、かえって真実味があった。
その後、このクラスでは別のいじめが始まっているのだろうか…
札幌に住んでいながら、佐々木友次さんが札幌の病院で亡くなったことや、当別町にお墓があることを知らなかった。
折りしも今日は終戦記念日。
合掌 -
とても読みやすい作品。戦争という理不尽な世界を生き抜いた男性の強さを感じた。ほぼノンフィクションというのは現代を生きる私にとって信じがたい。辛い時また読みたい。