- 本 ・本 (482ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062207133
作品紹介・あらすじ
2026年、多数の死者を出した京都暴動(キョート・ライオット)。ウィルス、病原菌、化学物質、テロ攻撃の可能性もない。人類が初めてまみえる災厄はなぜ起こったのか。発端はたった一頭の類人猿、東アフリカからきた「アンク(鏡)」という名のチンパンジーだった。一人の霊長類研究者が壮大すぎる謎に立ち向かう。乱歩賞『QJKJQ』で衝撃の”デビュー”を果たした著者による、世界レベルの超絶エンターテインメント!
2026年、多数の死者を出した京都暴動(キョート・ライオット)。
ウィルス、病原菌、化学物質が原因ではない。そしてテロ攻撃の可能性もない。
人類が初めてまみえる災厄は、なぜ起こったのか。
発端はたった一頭の類人猿(エイプ)、東アフリカからきた「アンク(鏡)」という名のチンパンジーだった。
AI研究から転身した世界的天才ダニエル・キュイが創設した霊長類研究施設「京都ムーンウォッチャーズ・プロジェクト」、通称KMWP。
センター長を務める鈴木望にとって、霊長類研究とは、なぜ唯一人間だけが言語や意識を獲得できたのか、ひいては、どうやって我々が生まれたのかを知るためのものだった。
災厄を引き起こした「アンク」にその鍵をみた望は、最悪の状況下、たった一人渦中に身を投じる――。
江戸川乱歩賞『QJKJQ』で衝撃の”デビュー”を果たした著者による、戦慄の受賞第一作!
我々はどこから来て、どこへ行くのか――。人類史の驚異の旅(オデッセイ)へと誘う、世界レベルの超絶エンターテインメント!!
感想・レビュー・書評
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【近未来の2026年10月26日に発生し、数万単位の死傷者を出した「京都暴動」はなぜ起きたのか?】
人々が自分の目の前にいる人間を殺し合い、未曽有の大惨劇が繰り広げられた「キョート・ライオット」。ウィルス、病原菌、化学物質が原因ではない。そしてテロ攻撃の可能性もない。事件の発端になったのは、「鏡=アンク」という名のたった1頭のチンパンジーだった。
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2026年の「京都暴動」から、暴動が起きるまでの出来事をカウントダウンしながら、過去、未来へと時間軸を頻繁に変えて進む展開はスリリングだった!
「京都暴動」を引き起こした原因を探る謎が、
「人類(ホモ・サピエンス)はどうして生まれたのか」という謎に繋がっていく。
ヒトと猿人類を隔てるものは、「言語」を持つものと持たないもの。ヒトが言語を獲得した過程のところは 、『爆発物処理班の遭遇したスピン』の「量子力学」の時に感じたのと同じく佐藤究さんの「大好き」が詰まっているように感じた。知らないことを知りたいという探究心が著書と主人公の共通点なのかな、と。ただ『スピン』の「量子力学」と同様にわたしにはサッパリだったけれど笑
主人公の霊長類研究者・鈴木望が、東アフリカからきた卓越した頭脳を持つ「アンク(鏡)」という名のチンパンジーと出会ったことが「京都暴動」の引き金となるんだけれど、、、行き過ぎた研究の対象となったankの最期が可哀想でさ。
作中の「自己鏡像認識」がどこまで本当かはわからないけど、チンパンジーの母親が一日に何十回も子供の顔を覗き込むのは愛情からだと思いたい。
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「知能とは攻撃性の制御です」
知能を失い殺し合う人間たち。暴動を止めるため 、鈴木望はたったひとり 厄災に立ち向かう。
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次はテトラポットでポカリスエットを飲みながら『テスカトリポカ』٩(ˊロˋ*) -
京都にある民間施設「KMWPセンター」で総責任者を務める霊長類研究者の鈴木望は、南スーダンから〈ジュバC〉のコードネームを持つチンパンジーの保護を受け入れる。
センターにはすでにたくさんのチンパンジーが飼育され、知能を観察する実験をおこなっている。
保護したジュバCは、研究者の真似をして、今まで他のチンパンジーができなかった正二十面体の立体パズルを組み立てたのだ。
鏡像行為「ミラリング」という高度な同調行為を難なくこなす彼に、望は「アンク」と名づける。
冒頭、京都暴動のインタビューから始まったので、どう話が展開していくのか、夢中になって読みました。
チンパンジーは猿ではないというのもお恥ずかしながら初めて知りました。
この研究所の投資者はカウンセリング用AI研究をするダニエル・キュイ。
彼はAIに心を求め、霊長類研究にそのヒントがあるのではと出資した。
望は人間にはなくて類人猿にあるDNAの塩基配列についてダニエル・キュイに説明する。
ただのパニック系の話で終わらず、内容にも出てくるが「2001年宇宙の旅」や、「猿の惑星」を彷彿とさせる、生物の本能や法則、自然の摂理を感じられる小説でした。
面白かったです。 -
小説の題名でAnkとは、主人公鈴木望が、激しい戦闘地帯南スーザンの首都ジュバで保護されたチンパンジーにつけた名前です。
古代エジプトから発掘された王だけが使うことが出来る鏡の名前に由来する。
ウガンダの密猟者によって運ばれていた途中―密猟者にとって、チンバンジー・ゴリラは宝石と同じだという。ワシントン条約違反等でドライバーは逮捕された。しかし、紛争地にある南スーザンに高度な知能を持つチンバンジーを保護する場所はなく、受け入れ先を探していたところシンガポールの霊長類研究プロジェクトが飼育用のチンバンジーを探していた、と。
望の研究論文は、科学雑誌に掲載されたものの世界中の誰にも注目されなかったし、問い合わせもなかった。たった一人を除いては。
望は、その論文について考えれば考えるほど落胆していた。欲しいのは評価そのものではなく、研究のできる環境作りであって、そのため結局〈霊長類研究者鈴木望〉への注目と予算だった。
そんなとき、望の衛星携帯電話が鳴った。もう一人の主人公ダニエル・キュイからだった。当時名もない霊長類研究者であった鈴木望の論文を読み、望と直接面接してからのことだった。AIのシステムを開発し巨万の富を得た。しかし、ある理由からAIに抱いていた不満があり、開発の母体である組織を撤退し売却してしまったのだ。
なぜ手放したのか?
ダニエルは、シンガポール人・北米ビジネス誌が選ぶ〈世界で最も影響力のある百人〉に名を連ねるAIの研究者・開発者だった。彼は、京都市中央区の〈スターバックス〉にやってきた。
『突然呼び出してすまなかった、どうしても君に会ってみたくてね』、店内に顔を覚えている客はいなかった。数百億ドルの資産をコントロールできる彼が、注文の珈琲二杯は、彼がポケットに手を入れ小銭を出して奢ったのだ。
後日譚、ダニエルは、その当日〈スターバックス〉を借上げていたのだ。しかも、プライベートジェットで伊丹空港に着陸し来日したのだ。以後KMWPセンターをダニエルが十億ドルを出資し設立した。
小説の章ごとに日付があり、過去から未来へ、未来から過去へと繰り返す。そして未来に暴動が起こることを示唆する。
その暴動については原因も何もわからない。
いくつもの章の冒頭でカウントダウンされ、暴動が迫ってくるドキドキ感は読みどころだと思う。
小説の本質は、数千万年前から現在そして未来へと繋ぐメッセージだと思う。
読書は楽しい。 -
私には夢が限りなくある。その1つが「人類過渡期をみてみたい」そんな私の心に突き刺さる小説だった。
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私の本友達が「今年一番おもしろかった!」
と、オススメしてくれた本。
なんだけど…最初はおもしろかったんだけど後半からのれなくなってきてしまった。
Iさんすみません。
2016年10月28日 突如、京都で大暴動が起こり観光客、市民など多数の死傷者が出る。その原因は不明。「ほとんどゾンビ」状態となった人々はこの「京都暴動」でお互いに殺しあうという恐ろしいことに…。実はその原因は…1匹の猿。そして、人類の進化に潜む闇が関わっており…
なんだろ…のれない原因はDNAの塩基配列の変化は訓練によっては変化しないんじゃないの?って中途半端な知識が頭をよぎってしまって…。いや、まあ塩基配列に変化が起こったとしても…ってもうやめとこ…
猿人、原人、類人猿、人類…
新進化論のミステリー&パニック小説
ということで。 -
これちょっと私には難しかったな…
読む環境が悪かったのか、時系列では無く、恐らく物語重視で時間をポンポン飛んでいるんだけど、これがなかなかついて行けなくて感情が乗らずに進んで、その気持ちのまま読み終えたから心に何も引っかからなかった。
何かモチーフ的には『リング』の続編の『らせん』だったかな…あれを思い出した。
使ってるワード自体はコロナ以前はそこまで馴染みのなかった「パンデミック」やらそういうワードを使いまくってて、コロナ前にこれを読んでおいたら「進研ゼミでやったところだ!」ってなって物語自体の印象も変わったかもしれない -
'21年10月3日、読了。図書館本です。佐藤究さんの作品、初です。
なんとも壮大な、物語…で、とても面白かった、のですが…なんだか、僕にとっては、とても読みにくい小説でした。読み終わるのに、一週間以上、かかってしまいました┐(´д`)┌別に、難しい小説ではないと思いますが。
文が細切れのようになっていて…どうも集中力が持続しない。これだけ面白い小説なのに。何度も挫けそうになりました。
でも、とても立派な出来、と思います。参考文献、いったい何冊読んで書いたんだろうか?(巻末に参考文献のリストは、ちゃんとあります。)
ミラリングの話とか、科学的に事実なのかな?強烈に好奇心を刺激する、凄い小説でした!
佐藤究さん、直木賞受賞だそうで…ややこしい(失礼!)題名の受賞作も、読んでみようか?でも、僕の持つ微細な集中力では…トホホ┐( ˘_˘)┌ -
2026年京都が舞台のお話。一匹の類人猿が引き起こす暴動。暴力的な描写が多くて、途中で読むのが辛くなったけど、ラストは圧巻。コレはすごい。伏線回収が気持ちいい。なんとも切ないお話だな……仕方ないんだけどさ。
著者プロフィール
佐藤究の作品






次はテスカトリポカ!よし!(๑•̀ㅂ•́)و✧
好きな映画はレオン!最高!(๑•̀ㅂ•́...
次はテスカトリポカ!よし!(๑•̀ㅂ•́)و✧
好きな映画はレオン!最高!(๑•̀ㅂ•́)و✧
以上!
テスカトリポカ 覚えました(`-´)ゞ
好きな映画はパーフェクトワールドです(`-´)ゞ
テスカトリポカ 覚えました(`-´)ゞ
好きな映画はパーフェクトワールドです(`-´)ゞ
泣いた映画は 「チョコレートドーナツ」と「Coda」。
最近だと「アキラとあきら」かな
泣いた映画は 「チョコレートドーナツ」と「Coda」。
最近だと「アキラとあきら」かな