- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062207416
作品紹介・あらすじ
本当の戦国の風景を、描きたかった。
「合戦のディテールと迫力、謎とどんでん返しというミステリー要素。呪いが信じられる土俗的世界と貨幣が流通する近代的世界がせめぎ合う独自の戦国を見事に作り出した圧巻のデビュー作だ」(末國善己 文芸評論家)
最強武田家のルーツを描く、女流ヒストリーテラーのデビュー長編小説。
兄のために生き、兄のために死ぬ。
信玄以前の武田家に、最強の虎と牙がいた。
武田信玄の父・信虎の謎の弟、勝沼信友。「山の民」として育てられたその男は、自らに流れる血の運命にのみ込まれていく。一方、罪を犯して流浪の末武田家に仕官した足軽大将の原虎胤は、その武勇から「鬼美濃」と恐れられ、外様ながら家中で重きをなしていく。乱国甲斐の統一を目指す武田信虎を挟んで、二人の男がある「呪」を背負いながら戦場を駆け巡る――。
感想・レビュー・書評
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2019.8.5完了
信縄、信虎時代の話が読めるとは思いもよらなかった。
勝沼信友や原虎胤など少々前の時代を照らし合わせたいい作品だと思う。
独特の表現なのか、文章が飛んでいるように感じ、時々主語や誰主体の話が分からなくなるのはオレの勉強不足か。 -
信虎の謎の弟、勝沼信友
あの信玄が率いた最強武田のルーツはここに。
信虎の両脇には、山の民として育てられた信友、罪を犯し流浪の末、武田家に仕官した足軽大将の原虎胤。
乱国甲斐の統一を目指し、戦場を駆け巡る。 -
・6/8 読了.信玄より気性が荒そうな信虎の年上の弟の話だった.楯無の鎧や現存する日本最古の国旗の話はいままで知らなかった.そもそも甲斐の国は有力豪族が集まってできてて武田家が圧倒的に強かった領国じゃなかったから、他国からの侵略を防ぐだけじゃなくて領国内取りまとめのためにも争いが絶えなかったんだろう.やや神秘的なエピソードもある物語だった.
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武田信玄の父、武田信虎とその弟とされる勝沼信友、鬼美濃と称される原虎胤の物語。
勝沼信友を山の民として育てられたとして、呪いや山や土地の神への信仰が信じられていた時代の武将の生き様、合戦、漢達の生き様を見事に描く。 -
武田信玄の父とその「弟」が、山の神から一族にかけられた呪いを解こうとする、壮大で不思議な物語だった。文章の書き方として、言動の主体がわかりづらかった。これはいったい誰が言ったことなのか・誰がしたことなのかがすっきりとしないところが多くて、読みづらかった。呪いを解いたはずなのに、結局 武田一族が滅びてしまう結末も「?」だった。「男のロマン」といった感じの物語だなあと思った。
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武田信虎が、子供の頃に神隠しにあっていた兄を探しだし、弟として一族に加える物語。
歴史に弱いので、後から、そうかー勝沼信友って実在してたんだ!と、基本的なとこで驚いたり。 -
武田信玄の時代かと思ったらお父さんだった.甲斐を統一する頃の話.
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武田信虎を支えた男たちの物語.父親違いの兄信友が弟として尽くす.これに武田家に祟る景清穢れなる呪いが絡んできて,信友の一生はこの穢れを払うことと武田信虎の甲斐の統一を助けることに命をかける.信友の優しく純粋な心が美しい.また,信玄が偉大なのでどうしても信虎が悪人にされがちだが,信虎もやはり魅力ある人物であったに違いない.