夫の後始末

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 207
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062208161

作品紹介・あらすじ

夫・三浦朱門はある日、崩れるように倒れた。短い検査入院の間に、私は日々刻々と夫の精神活動が衰えるのを感じた。その時から、一応覚悟を決めたのである。夫にはできれば死ぬまで自宅で普通の暮らしをしてもらう。そのために私が介護人になる――。

作家・曽野綾子が80代なかばにして直面した、90歳になる夫の在宅介護。工夫と試行錯誤を重ねながら、「介護とは」「看取りとは」そして「老いとは何か」を自問自答する日々が始まった。

家族の介護をしている人も、これからするかもしれない人も、超高齢社会を迎えるすべての日本人に知ってほしい「夫婦の愛のかたち」がここにある。

2017年2月の三浦氏逝去を越えて続いた、「週刊現代」大人気連載が待望の単行本化。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙を見て夫がギョッとしていた。
    私もタイトルに惹かれて読んでみたが、中身はギョッとすることなく品がただよっていた。

    不勉強ながら曽野さんも朱門さんも存じ上げませんでしたが、2人のユーモア溢れるやりとりに思わずくすっとしてしまいました。
    朱門さん、面白い。

    老後までまだ時間があり、親の介護もしたことがないのでこの本がもったいなかったかな。
    10年、20年後に読んだらまた違うのかもしれない。

    胃ろうと気管切開はしない方がよいというのは私も聞いたことがあり、それを夫に伝えておこう。
    お墓には入りたくないので、どこかに散骨してほしい。暗くて狭いところじゃなくて明るくて広いところを自由に動きたいから!
    お墓参りや法事は不要!私はお墓にいないから!それに法事よりも楽しいことに自分の時間を使ってほしいから。
    時々(たまーにでいいや)思い出してビールを供えてくれたら十分。
    棺にはイタリア語の辞書を入れてほしい。
    お葬式の祭壇はいらない。もっとシンプルに黄色い花を置いてくれれば良い。
    みんな喪服じゃなくて明るい洋服を着てほしい。
    悲しい音楽ではなく、ファレルウイリアムのhappyをかけてほしい。

    これが今日時点の私の後始末のお願い。

  • 淡々としている著者がうらやましいような、さみしいような、納得するような、反論するような、いろいろ考えさせられます。 信念をもって生きているところはすごいかな。いろいろな情報やまわりとのしがらみに流されがちなので。。。

  • 著者の夫への深い理解、愛情、尊敬が伝わってくる、素敵な本です。
    人の死を扱う本を泣かずに読めないタイプなのですが、本書では泣くことがありませんでした。感動がなかったということではなく、死を扱う話に漂うもやもやしたもの(感情の揺れ、というようなものでしょうか)を本書では全面に押し出して来ないからでしょうか。しかしかえって思いが伝わってきます。

  • タイトルが少しショッキングだが、夫を始末するのではなく、夫の後ね、と思い直し読む。

    著者を悪く言うのも聞いたことがあるが清々しく、宗教小説に出てくる宣教師的な偏狭な印象もない。
    カトリックの信者だからという表現もあるけど、盲信していると感じさせる表現はない。

    夫を見送る姿勢もシングルのわたしでも親はいるからためになった。介護というのは下の世話をした者でなければ介護したと言えず、生き死には人間が(特に残される)決めるのではないとの意見に大いに共感する。

    ともあれ、家族の死の前には、聞いていても、知識はあっても、その時々に動揺していけばいいのかなとも思う。
    何もないときに準備して、あわてることのないようにというのはそもそも無理な話。

  • 実母、義理の両親、そして夫と4人の家族を看取ったひとの説得力のある言葉の数々。心にしみる内容だった。
    奉仕とは排泄物の世話をすることーー納得。

  • 自分の親や将来は夫が病に倒れた時、どんなことが必要か等を考える時がある。
    答えはないのだろうし、思った通りには出来ないのだろうけれど、心構えというか、何かしらの情報や参考になりそうなことを知りたいと手に取った。
    様々な考え方やそれぞれの家族の約束のようなものがあったり…

    2021.1.22

  • 夫の後始末とはいささか物騒な題だなと思ったが、なかなか読後にはほんのりと温かなものが残り、良い本だと思う。私も還暦を過ぎて、家内も過ぎたがいつまで生きる事が出来るのか?老後の在り方の一つのケースとしてとても参考になった。
    もうそんなに遠い話ではないから、心の準備はしておきたいものだ。

  • 曽野綾子さんの2017年の本。夫で作家の三浦朱門さんの介護と亡くなった後のことが書かれています。感情的になることなく淡々とユーモアを交えて述べられ、説得力があります。一番最後の部分が特に印象的でした。

  • 長年連れ添った夫婦の最後の日。それを予感した時どう感じたか、どう行動したか、その日を超えてどうしたか、それらが、かなり冷静な視点からつづられています。
    曽野さんらしい本だなぁと思いました。
    これから直面することになるであろう介護と看取り。そのための心の準備には最適な本です。
    自分ならどうするか、どうなるか、考えさせられる本でした。

  • 目次】まえがき 夫を自宅で介護すると決めたわけ
    第一部 変わりゆく夫を引き受ける
    わが家の「老人と暮らすルール」 夫の肌着を取り替える
    布団が汚れたら、どうするか 八十五歳を過ぎた私の事情
    夫の居場所を作る 食事、風呂、睡眠のスケジュール
    モノはどんどん捨てればいい 夫が突然倒れた時のこと
    よく歩く、薬は控える、医者に頼らない 介護にお金をかけるべきか?「話さない」は危険の兆候 介護にも「冗談」が大切
    明け方に起きた奇跡 夫に怒ってしまう理由
    散々笑って時には息抜き 「食べたくない」と言われて
    老衰との向き合い方 「奉仕」とは排泄物を世話すること
    温かい思い出と情けない現実
    第二部 看取りと見送りの日々
    夫の最期の九日間 ベッドの傍らで私が考えていたこと
    戦いが終わった朝 息子夫婦との相談 葬式は誰にも知らせずに
    お棺を閉じる時の戸惑い 夫の遺品を整理する
    変わらないことが夫のためになる 広くなった家をどう使うか
    遺されたメモを読み返す 心の平衡を保つために
    納骨の時に聞こえた声 「夫が先」でよかった
    人が死者に花を供える理由 夫への感謝と私の葛藤
    「忘れたくない」とは思わない

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著者プロフィール

曽野綾子(その あやこ)
1931年、東京生まれ。54年、聖心女子大学英文科卒業。79年、ローマ教皇庁よりヴァチカン有功十字勲章受章。93年、恩賜賞・日本藝術院賞受賞。97年、海外邦人宣教者活動援助後援会代表として吉川英治文化賞ならびに読売国際協力賞を受賞。98年、財界賞特別賞を受賞。1995年12月から2005年6月まで日本財団会長を務める。日本藝術院会員。2012年まで海外邦人宣教者活動援助後援会代表。日本文藝家協会会員。2009年10月から2013年6月まで日本郵政株式会社社外取締役。『無名碑』『神の汚れた手』『湖水誕生』『神さま、それをお望みですか』『天上の青』『夢に殉ず』『陸影を見ず』『哀歌』『晩年の美学を求めて』『貧困の光景』『アバノの再会』『二月三十日』『老いの才覚』『私日記』(シリーズ)『引退しない人生』『三秒の感謝』『幸せの才能』『私を変えた聖書の言葉』『時の止まった赤ん坊』ほか著書多数。

「2021年 『人間の使命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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