アメリカ太平洋軍 日米が融合する世界最強の集団

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  • 講談社
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本棚登録 : 35
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (434ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062208260

作品紹介・あらすじ

アメリカ国防総省のクリアランスを得て、2年間、アジア太平洋安全保障研究センターの研究員として取材した、日米同盟の真実!!
 地球の表面積の半分を担当するアメリカ太平洋軍司令官、ハリー・ハリス大将は日系人であり、38万人の軍人を率いる――このハリス大将にも密着取材し、進化した日米同盟の実態を内側からリポート。想像以上に一体化が進む自衛隊と米軍の戦略が向かう先は、中国だ!

感想・レビュー・書評

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  • 面白い。
    本当によくできていると思う。
    著者は朝日新聞記者と言うことで、安全保障と言うテーマでどんなデタラメが書かれているのかと思った。
    しかし、しっかり取材されていて事実に基づいて書かれていると思う。
    著者の朝日新聞内での立場が心配になるくらいに。
    著者の考えも特に偏向しているわけではなく非常に現実的に書かれている。
    在日米軍が太平洋軍の傘下ににもかかわらず日本の太平洋軍に関する認識とアプローチが低いのが残念だ。

  • 日米同盟と言葉では言うが、その核となっているのがハワイにある米太平洋軍。横田にある在日米軍は軍事面での戦闘司令部ではなく、こと有事で指揮をとるのは太平洋軍・太平洋艦隊なのだそうだ。
    本書は、朝日新聞の記者がハワイの国防省の研究機関の一員として見聞したこと、取材したことをまとめたもの。
    巨大で秘密に囲まれている米軍、とりわけ日本の安全保障にとって死活的に重要な太平洋軍が垣間見えただけで本書は有意義だと言える。
    朝日新聞の購読者ではないが、巷間言われていることと異なる、こんな記者が活躍していることに驚いた。一方で、内部に入り込んだせいか、軍に寄り過ぎでは?、細部に入り込み過ぎでは?と思えた点が少し残念。

  • アメリカが世界最大の軍事大国であることは周知のとおりだけど、その中で最大規模を誇るアメリカ太平洋軍について詳細に解説された本。
    馴染みのない領域だったけど、丹念な取材がなされており内容が濃く、非常に面白かった。

    以下、メモ。
    ・ハワイは中国の革命の父、孫文ゆかりの地。ここが太平洋軍の本拠地であり、DCに勝るとも劣らない国際政治やインテリジェンスの主戦場となっている
    ・約4万人を擁する在日米軍も、太平洋軍のなかでは「下位統合軍」と呼ばれる一つの構成組織にすぎない
    ・ハワイはアメリカのなかでも多様性が抜きんでているが、その中でも社会の中心となってきたのが日系人。太平洋軍のトップとして日本人を母に持つがハリスが戻ってきたのは、偶然のことではないだろう
    ・ハワイ出身に日系人ダニエル・イノウエ氏は、ハワイでも尊敬の的に
    ・アメリカの海軍戦力の6割が太平洋軍に配備されている
    ・「アメリカの軍事プレゼンスが弱いと、かつての日本のような行動を起こす国が現れてしまう。そうさせないために、米軍はつねに強くないといけない」というのが軍人の本音
    ・太平洋軍には、ほぼすべての連邦政府の職員がDCから出向、籍を置いている
    ・ハワイにおいては軍人はリスペクトの対象であり、日常生活でも優遇される
    ・太平洋軍の海兵隊が、硫黄島の激戦のさなかに星条旗を立てた

  •  400頁超だが、新聞記者らしく読みやすい。ハリス司令官の生い立ちから太平洋軍の位置付け、自衛隊を中心とした日本との関係(APCSSでの日本のプレゼンスが低いのは残念)など幅広く網羅されている。ハリス司令官が着任、南シナ海での航行の自由作戦が始まるなど面白い時期に著者はハワイに滞在していたものだ。
     太平洋軍はDCとアジアの中間に位置すると同時に、DCと距離があるため比較的政治に巻き込まれずに済むという。冷戦期は最前線ではなかったが、ベトナム戦争から再び中核となり、近年はリバランス政策の議論・発信の舞台ともなっているとのこと。担当地域の広さ、相手国の多様性に加え全軍種が地理的に近接しているのも特徴。著者は一つの章に「米軍の中で輝く太平洋軍」との標題を付けている。また、軍の組織はどの国でも官僚的なものではないかと思うが、組織編成や担当任務、人事の柔軟な変更・運用に驚かされた。
     正式名称が「インド太平洋軍」に変わる前の本だが、1972年にインド洋が担当地域に入った後、2013年にロックリア司令官が「インドアジア太平洋」との語を使い、ハリス司令官就任時の公式文書でもこの表現に変わる。更に、この語はアカデミズムの世界では先に使われていたという。

  • 最近インド太平洋軍に改称された太平洋軍について。新聞記者が休職してアメリカ国防総省の組織に身を置いて見えてきた太平洋軍の姿を描き出そうとする。
    太平洋軍の管轄する地域が広く、その司令官はかなり大きな力あるポジションであることを初めて知ったし、在日米軍を指揮する立場にあるのがハワイにある司令官であることや、最近リタイアしたハリスの経歴なども勉強になった。
    また、海自がどのように同軍と関係を築いているのかといったことやハワイが太平洋の安全保障の中心的な位置にあることなども知ることができた。

  • 日経新聞 書評 2018年1月13日

  • 面白かった。この方は今後も読んでいきたいが、朝日新聞は受け止めきれるだろうか。結局、どのような総論を取るとしても、各論をどのように積み上げるかにかかる部分は大きいわけで、特定の総論が強いとされる朝日新聞とどう折り合いをつけるのだろうか。

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著者プロフィール

梶原みずほ(かじわら・みずほ)

 1972年、東京に生まれる。エジプトのカイロアメリカン大学政治学部を卒業後、1994年、朝日新聞入社。神戸、金沢の各支局、大阪本社社会部を経て、2000年に東京本社政治部。首相官邸、自民党、外務省などを担当する。「be」編集グループを経て、2009年から「GLOBE」記者。2011年、ロンドン大学キングスカレッジ社会科学公共政策学部客員研究員。2014年、フルブライトフェロー(日米両政府からの拠出金により運営される日米教育委員会のプログラム)に選ばれ、朝日新聞を休職して2年間、ハワイ大学日本研究センター客員研究員。2015年1月~2016年8月まで、ハワイの国防総省ダニエル・K・イノウエ・アジア太平洋安全保障研究センター客員研究員。一般社団法人日本オマーン協会理事。笹川平和財団の日米豪印による「インド洋地域の安全保障」政策提言プロジェクトメンバー。慶應義塾大学グローバルリサーチインスティテュート客員所員。本著は国防総省のクリアランスを得て執筆した。

「2017年 『アメリカ太平洋軍 日米が融合する世界最強の集団』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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