友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」

  • 講談社
4.09
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レビュー : 85
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062208277

作品紹介・あらすじ

2010年、雑誌の対談で初めて出会った二人は急速に仲良くなり、やがて親友と呼べる関係になった。出会ったときはすでに40半ばを過ぎ、二人とも超のつく有名人。でも、そんなことは一切関係なく、ただ気のあう男同士として酒を酌み交わし、家族ぐるみで食事を重ねた。こんな関係がずっと続けばいいーー。お互い口に出さずともそう思っていた矢先、友・平尾誠二に癌が宣告される。山中伸弥は医師として治療法や病院探しに奔走。体調は一進一退を繰り返すが、どんなときも平尾は「先生を信じると決めたんや」と語る。そして、永遠の別れ。山中は「助けてあげられなくてごめんなさい」と涙を流した。
大人の男たちの間に生まれた、知られざる友情の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わって、胸がいっぱいになったまま
    もう一度表紙を見る。
    少年の様に屈託のない笑顔の平尾氏と
    その隣にいられることが幸せで仕方がないという表情の山中先生。
    固い友情で結ばれていた二人が
    もう会うことができないのだということが
    切ない。

    今は癌に効くと言われている治療法が
    玉石混合で山ほどあるのだそうだ。
    その中からひとつひとつを真剣に検討し
    我が事以上に懸命に調べ回ったという山中先生と
    『山中先生にすべてお任せする』と決めた平尾氏。
    平尾氏が亡くなり、山中先生は
    助けてあげられなくてごめんなさいと
    号泣したという。
    人は何歳になってもここまでの友情を結ぶことができるのか。
    お二人の素晴らしさだけでなく
    それを支えたそれぞれのご家族の存在も
    とても素敵でした。

    平尾さん、今もきっと天国から
    山中先生を応援しているんだろうなぁ。

  • 高校、大学でラグビーをしていたので、平尾誠二はわたしにとってもヒーローだった。プレーだけでなく、当時はまだスポーツ界では珍しかった根性論ではないロジカルなスタイル。見た目も含めなにもかもがかっこいい。その平尾さんがなぜかノーベル賞の山中先生に見送られる。すごい人はすごい人と結びつくんだな。久しぶりに平尾さんのエピソードを読んで、やはりすごい人だったんだと、なにかホッとする気分にもなった。

  • 日本を代表するラグビー選手からラグビー日本代表監督、神戸製鋼ラグビーのゼネラルマネージャーを務め、病に倒れて早逝した平尾誠二さんと、iPS細胞研究の第一人者である山中伸弥先生の、6年間の強い絆と友情を、山中先生と平尾夫人のインタビューなどを書き起こして綴った本。

    ラグビーのことを何にも知らない私でも、平尾誠二さんの名前はなぜか知っている。山中先生は言わずもがな。そんな、それぞれの世界でのスーパースターであるはずの2人が、素の人間同士で惹かれあったことと、ふたりのそれぞれの人間としての大きさや魅力が伝わってくる、あったかい内容でした。

    山中先生が、平尾さんとの出会いと闘病に寄り添った日々を振り返って語る第1章は、ふたりの思いやりに満ちていて、涙が溢れて仕方なかった。

    二人の対談をまとめた第3章には、それぞれの専門分野で、トッププレーヤーとしてのストイックさが分かると同時に、マネジメント、リーダーシップ、組織をいかに強くするか、といった考えが盛りだくさん。
    参考になる言葉が散りばめられていました。

  • 40代半ばで、親友と呼べる人と巡りあえることに大変羨ましく思いました。お互いを尊敬して、病に一緒に立ち向かう姿に涙しました。ほぼ同年代の私にとって、平尾誠二さんは山中先生と同じく憧れの存在でした。伏見工業、同志社大学、神戸製鋼と、ずっと見てきました。彼の存在でラグビーファンになりました。大阪梅田で一度だけ、お見かけしたことがあります。とんでもないオーラを発してらっしゃいました。亡くなられたことが残念でなりません。

  • 伝説のラガーマン平尾誠二氏は2016年10月に53歳という若さでこの世を去った。
    ips細胞でノーベル賞を受賞した山中伸弥氏はノーベル賞受賞が取りざたされ始めていた2008年雑誌の対談という形で平尾氏と出会う。
    実は、山中先生は、平尾氏と同年代で、彼に刺激され神戸大学でラグビーを始めたラガーマンだった。

    対談をきっかけに、始まった二人の親交は、2015年平尾氏の癌発見から治療時代を経て
    2016年で途絶える。

    本書は三部構成になっており、第一部は山中先生の平尾氏に対する愛情にあふれた独白

    第二部は、平尾氏の奥様による平尾氏の闘病と山中先生との関係の記録。
    そして第三部は、そもそも二人の親交のきっかけとなった対談を雑誌未公開部分を含め
    掲載している。

    スポーツと医学、分野は違っても、頂点を極めた男たちの対談そしてエピソードはとて
    も面白く、刺激的であり、参考になる。
    そして、闘病記は正々堂々と癌に立ち向かった平尾氏の姿と、友人を助けようと奔走し
    た山中先生の姿を詳細に描き出す。

    面白く、刺激になる本を読んだという感想を持つが、身近に癌で大事な人を喪った方に
    は、お勧めできない。

  • 良かったです。泣いてしまいました!

  • 訃報を聞いてショックだった人の一人。
    平尾誠二。。。
    飛ばし読みで「免疫療法を勧めた」とあって、「免疫力向上」と勘違いして、山中伸弥コロスと思ったがハヤトチリでした。
    山中先生ごめんなさい。
    素晴らしい友情、羨ましい。

    それにしても平尾誠二はかっこいい。

    いちばん素晴らしいチームワークは、個人が責任を果たすこと。

  • 泣けた!! やっぱ、この男はすごかった!! 
     齧った程度だけど、平尾誠二と同じ時代にラグビーという競技を体験できたことを心から幸せに思う。
     どんなに齢が違っても、どんなにルールが違っても、楕円の文化、ここにあり♪だ(「楕円球の会」部歌)

     本書の肝は、闘病期間中に見せた氏の前向きな姿勢や、これまでと変わらない人への思いやり、気配りなのだけど、そんな感動ポイントを挙げていくと泣けてしまって筆が進まない。
     なので、いつものように我々に前を向いて進んでいける力を与えてくれる教えとなる部分のみ記すことにする。

     平尾氏の著作は折々読んでいた。常識に捉われないクレバーな発想がとにかくかっこよかった。
     根性論一辺倒だった当時の風潮に異を唱え、効率、自主性、独創性を重んじた練習方法を実践し、その上で結果を残してきたやり方にとにかく憧れた。でも、本書を読んでいると、その発想すら柔軟に変化させ、”捉われて”いないんだなぁと改めて感心させられる。

    ”僕、「体育会系は日本を滅ぼす」という論を持っていたんですが、今は逆に、そういう理不尽さも必要だと思うね。理不尽や不条理や矛盾を経験しないと、やっぱり人間は成長しないし、強くならないと思う。”

     あぁ、昨今の過保護な風潮を意識しての発言だろうなあ。反骨というか、時代への迎合を嫌う単なる天邪鬼かもしれないけど、きっとバランス感覚なんだと思う。対談相手が、iPS細胞の山中教授ということもあり、万能細胞、人工知能など今後、どのように発展し、人類の存在そのものさえも脅かしかねない科学や医療の革新についても、

    「その時、暴走をコントロールするために必要なのが人間の倫理観というか、本当の意味での人間の力。それがすべての分野で試されている時期じゃないかと、僕は思うんです。単純に言えば、バランス感覚ということになるのかもしれませんけど、そういうものがすごく求められているのが今の世の中だなあと」

     と、”バランス”という言葉を口にしている。
     時代に対する平衡感覚に非常に優れていた人だったのだろう。

     そして、実践で役立つ、本当の”力”の大切さを常に指摘してきたのだと思う。昨今、なんでも上手にこなしてしまう人は増えたかもしれないけど、それをどのような場面で、どのようなタイミングで活かすか。これが出来ていないと言う。

    「スキルというのは「動作と判断力」なんです。今の若い選手は、動作は上手やけど、それを状況に応じてうまく使い分けるのはヘタですね。相手の裏をかくという発想がない。世の中の風潮が、機械的にものごとを考えるようになっていますから」

     どんどんマニュアル化、AI化やら、人間の内なる力を外部に頼る風潮が増大していく中、大事な指摘だと思う。最後は人間やぞ、と。

     平尾語録は、昔はいくつもメモっていたけど、本書も、また新たな平尾語録の宝庫だった。大切にしまっておこう。
     山中先生も、こう書いている;

    ”「世界を相手にどう戦うか」
    そのために何をすればいいのか。(中略)僕はそれを模索しています。平尾誠二が遺していった宿題のように ―。”

  • 2019.9.16

  • 仲良くなるのに期間は関係ないのだなと再認識。
    逆に彼ら2人が高校の同級生だったとしても仲良くなっていないのかもしれないですね。
    お互いに道は違えどそれぞれが人生を半世紀近く生きてきて、それぞれの人格も形成されたからこそ話が合うのでしょう。
    こういう関係は本当に素敵だと思います。
    こういう輝いている人たちと同じ土俵で話をしたいのであれば自分も舞台こそ違えど同じくらい輝いていないとですね。

    あと、平尾さんの奥様からの話ですら弱音が出てこなかった平尾さんの漢らしさに驚嘆します。
    過去や未来に囚われるのではなく、今を一生懸命に生きなきゃですね。

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。2010年4月から、京都大学iPS研究所所長。2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。平尾誠二氏とは、2010年9月に「週刊現代」の対談企画で初めて顔を合わせ意気投合。以来、親交を深め、癌と闘病する平尾氏を、平尾氏の家族とともに支えた。2017年に平尾誠二・惠子夫妻との共著『友情』を著した。

「2019年 『友情2 平尾誠二を忘れない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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