僕が神さまと過ごした日々

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062208338

作品紹介・あらすじ

主人公の「ぼく」は中年の作家。ある日、公園のベンチに座っていたら、隣にいた「老紳士」にいきなり突き飛ばされ、アパートの窓から落下してきた地球儀の直撃から、命拾いすることに。以来、ぼくはこの老人を見かければ挨拶し、互いに話をするようになる。だんだんと親しくなるうちに、この老人が遠い遠い昔に「天地創造」をした人であることがわかってくる。それって、要するに神様なのでは……?


国内累計部数30万部を突破した「ちいさなちいさな王様」の著者アクセル・ハッケと挿絵画家ミヒャエル・ゾーヴァの最新作!

主人公の「ぼく」は中年の作家。家族をとても愛している。ある日、仕事の帰りになぜか線路も通ってないはずの道を電車に乗って帰宅する、という不思議な体験をしたのがことのはじまりだった。数日後、公園のベンチに座っていたら、隣にいた「老紳士」にいきなり突き飛ばされ、おかげでアパートの窓から落下してきたガラス製の地球儀が直撃せず、ぼくは命拾いする。この老人、どうもみかけによらずただ者ではないらしい。それにこの人、なんだかずっと前から知っているような気がする。以来、ぼくはこの老人を見かければ挨拶し、互いに話をするようになる。だんだんと親しくなるうちに、この老人が遠い遠い昔に「天地創造」をした人であることがわかってくる。それって、要するに神様なのでは……?

感想・レビュー・書評

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  • 中年作家の主人公の元に現れた老人は
    なんと神様だった!…でも別になにか
    とてつもないことが起こるわけでもなく
    主人公の「ぼく」と神さまは一緒に散歩
    したりお酒を飲んだり…。
    神さまはこの世界を創ったことを
    後悔しているのかな?

  • 寂しがりの許されたい神様と「僕」の話です。ハッケ独特の素晴らしい世界とミヒャエルの絵が最高です。お酒を飲み、愚痴をこぼし、人間に許され認められたい神様が愛おしくなる本 です。

  • 非日常の世界のリアリティ:本・絵本:百町森
    https://www.hyakuchomori.co.jp/book/author/sowa/

    『僕が神さまと過ごした日々』(アクセル・ハッケ,ミヒャエル・ゾーヴァ,那須田 淳,木本 栄)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000190562

  • 散歩に出た<僕>の前に現れた<老紳士>は、ただ者ではなかった。鉄製の地球儀が頭の上に落ちてくる寸前、その見知らぬ老人は僕を押しのけて救ってくれた。それから毎日のように現れては、奇妙な光景を見せつけられる。火の輪をくぐる石象ライオン、喫煙する蛇と野良犬、ライタ-を持った野良猫、世界の中心という「どうでもええ」倉庫・・・僕は問う「あなたは、この世界の創造主なんですか?」 「わしが世界を創造しなかったら、この世のすべての悪しきことはなかった、赦しを請いにきた」と神様。 ハッケ&ゾーヴァ、翻訳の妙に酔い痴れる。

  • ちょっと情けない神様。事務ゾウが可愛い。

  • 大人の絵本的小説。“どうでもええ”の存在に何を思うのか。見た目は上品な老紳士の神さまと自宅ではお父さんな“僕”との交流を通して、とかく人間中心主義で世の中を見てしまいがちなことに複雑な心境を抱く。他の動植物から見たら人間こそ「どうでもいい存在」になるだろうし、どこに立場を置くかで答えは変わってくるし、考え出したらキリがない。ぐるぐるしながらも、“事務ゾウ”の存在に和んだ。小型犬サイズ、いいなぁ。

  • アクセル・ハッケとミヒャエル・ゾーヴァのコンビはすごく好きだ。この本も良かった。妄想とも幻覚ともつかない「事務ゾウ」を飼っている主人公のもとに現れる、自己嫌悪に苛まれているイタズラ好きの創造主。その神様が語るのを総合すると、この世界は完璧に作ったわけじゃなくて、幸せや美しさのために悪や残酷さを取り入れたら、ちょっとコンセプトとは違う感じになってしまった(人間は予定外の副産物だった!)らしい。
    神様はどうしたいのか、意味のない私達の生はいったいどうすればよいのか。神様のイタズラでへんてこな不思議が起こる日常で、二人が散歩したり語り合ったりするのをゾーヴァの絵で見られるのが良い。

    一人ひとりの短い生に意味なんてない残酷な世界だからこそ、自分のできることやりたいことを自ら掴み取るしかない、という一つの諦めのような、希望のような世界の核心に触れる「どおでもええ」のくだりが特に好きだ。主人公は怒るけれど、結局は受容するしかない。思いっきり「どおでもええ」をくすぐったりやめたりしてやるのが、せめてもの抵抗だ。
    この本は世界に対する「くすぐり」のようなユーモアに満ちている本で、読んでいて笑ったりちょっとしんみりしたりと楽しい。またいつか読み返したい。

  • 感想
    果たして創造主は神なのか。どこにでもいる人間が世界を作っているのかもしれない。僕たちひとりひとりが創造を司る。神に責任はない。

  •  『ちいさなちいさな王さま』を読んで、アクセル・ハッケの物語に興味を持ったので手に取った。今回の物語は、創造主と世界がテーマにあるので『ちいさな(略)』よりも壮大な感じがした。

  • 登場する神様はどこか人間くさい。煙草も吸うしビールも飲むし、ガラス瓶はリサイクルに出す。
    神が創ったものは実は絶対的・完璧ではなくて、人間のように失敗事例もあったのかもしれない。

    世の中で起こっている宗教への争いや、神を拠り所として考えることを放棄している人への皮肉にも思えた。

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著者プロフィール

1956年、ブラウンシュヴァイクに生まれる。南ドイツ新聞の記者を経て、2000年よりフリーの作家として独立。南ドイツ新聞の週刊マガジンのコラムニストも務める。著書に『ちいさなちいさな王様』『キリンと暮らす クジラと眠る』『冷蔵庫との対話 アクセル・ハッケ傑作集』『クマの名前は日曜日』『プラリネク』など。


「2019年 『僕が神さまと過ごした日々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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