「国境なき医師団」を見に行く

  • 講談社 (2017年11月30日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062208413

作品紹介・あらすじ

「彼らは困難を前にするとたいてい笑う。そして目を輝かせる。そうやって壁を突破するしかないことを、彼らは世界のどん底を見て知っているのだ。」
大地震に見舞われたハイチで小さな命を救う産科救急センター、中東・アフリカから難民が流れ込むギリシャで行われる、暴力と拷問被害者への治療、フィリピンのスラムで女性を苦しめる性暴力と望まぬ出産を防ぐための性教育、南スーダンからの難民が半年で80万人流入したウガンダでの緊急支援――。
『想像ラジオ』で東日本大震災の死者に心を寄せた作家・いとうせいこうが、「国境なき医師団」の活動に同行し、世界の現場をルポ。作家の目で見た世界の今と人間の希望とは?

「国境なき医師団」を見に行くの感想・レビュー・書評

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  • 内容(「BOOK」データベースより)
    生きることは難しい。けれど人間には仲間がいる。大地震後のハイチで、ギリシャの難民キャンプで、マニラのスラムで、ウガンダの国境地帯で―。日本の小説家がとらえた、世界の“リアル”と人間の“希望”。

    いとうせいこう氏の敗北からの記録だと、誤解を恐れずに言いたいです。50才オーバーで様々な事に触れ見識も豊かで、社会的な地位も非常に高い。そんな男が「国境なき医師団」を見に行った記録ですが、冒頭のハイチ篇のなんと自信無く心縮こまる卑屈な文章で有る事か。貧困や戦争に立ち向かう光り輝く彼らや、それでもどんどん増え続ける不条理に対し、自分の卑小さでおろおろするいとうせいこう氏。その姿が次第に回を重ねるごとに力溢れ、指先に足先にジンジンと血潮が通い、その表情も(文章なので見えませんが)目も輝きを増していくのが見てとれるようでした。
    支援される彼らも、支援する彼らも、そしてそれを「見ている」俺も、誰も彼もが、入れ替わっていたかもしれない。そう繰り返す氏の文章は、次第に彼らの存在に対して胸を張って、最終的にウガンダでの取材で爆発するような熱さを放ちます。
    そこには取材する意味を見つけた訳では無く、ありのままの自分では何も出来ない事を卑屈になるのではなく、皆の仲間になって共感の輪に入りたいという終わりの無い旅を始めたように見えました。

  • ハイチ、コンテナで造った巨大病院。ギリシャ、押し寄せる難民への医療・心理ケア。フィリピンのマニラ、スラム住人の女性を守るプロジェクト。ウガンダ、南スーダンからの半年で80万人を超える難民。人のために活動するスタッフ、活動を支えるロジスティック。

    ジャーナリストとしてではなく、普通の人として。だけど、共感と表現を生業とし、貧しかった頃の経験とともに伝えられる、絶妙な書き手です。

  • 「いとうせいこう」 さん
    「国境なき医師団」
    どちらも
    興味深く思う人と単語なので
    迷わず 手に取ってみた

    MEDECINS SANS FRONTIERES
    略してMSF、邦訳は「国境なき医師団」
    当たり前のことですが
    様々な国の方が
    このMSFに所属しておられる

    いとうせいこうさんが
    訪れた国は
    「ハイチ」「ギリシャ」「フイリピン」「ウガンダ」
    の国々

    そこで
    出逢った 難民の人たち スラムの人たち
    そしていうまでもなくMSFの人たち

    さまざまな事情が語られ
    さまざまな人たちのこれまでが語られ
    さまざまな人たちの思いが語られ
    さまざまな人たちの理由が語られ
    さまざまな人たちのこれからが語られる

    MSFのお一人
    アメリカ人のレベッカさんの言葉
    「わたしの地図は
     どうしてもアメリカ中心なの。
     あなたなら日本中心ね。
     わたしはクリスマスイブにラオスで
     そんな話をしてみんなで笑ったわ。 
     六か国の人間が集まっていてね。
     フランスからしか見ていなかった人間、
     ラオスからしか見ていなかった人間と、
     それぞれにこりかたまった視点で
     生きてきたとわかったんです」

    これに対する
    「では地図はどこから見られるべきか」
    (いとうせいこう さんの)その答えの一行が
    興味深い。

    それは、ぜひ本書にて。

  • どんな活動状況かわからないが響きで、娘を国境無き医師団にしたいと思ってことがあったなぁ。本書を見つけて読んでみる。いとうせいこうさんの文章は彼の興味と私の興味のポイントがずれていて少し読みづらく感じる。それでも、危険な状況下で国境無き医師団(MSF)が情熱を持って仕事をしている事が伝わる。ハイチ、ギリシャ、フィリピン、ウガンダなど。私の行ったことの有る場所もいくつか出てくるのだが、以前はそんなこと感じなかったのになぁ。世界の移り変わりを感じる。
    身を捧げて、生きることの素晴らしさ

  • N090

  • Report of Medecins Sans Frontieres by Seiko Ito
    http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062208413 ,
    http://www.msf.or.jp/

  • 現在の自分を考えると、他人の為に、何かしてないと、つくづく思う。それを知らされると共に何か出来ないかと、考えさせられる本。他の為に何か出来る人は、幸せに包まれていると思う。マニラの空港を出発すると、空から、スラムが広がる。ホテルの前には、自動小銃を持つ人でガードされている。

  • 国境なき医師団の名前を知っていても活動内容を理解していなかったです。紛争地帯の仮設病院のイメージでしたが、フィリピンの貧困地帯の支援にあたるなど活動は多岐にわたることがわかりました。活動にあたりきれいな水や電気の供給も欠かせず医療従事者のみならずインフラ整備を担当する方も含めて国境なき医師団でした。

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