オンナの値段

著者 :
  • 講談社
3.40
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本棚登録 : 79
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062208871

作品紹介・あらすじ

わたしたちはお金を愛し、
お金と喧嘩し、
お金に絶望しながら、
お金を求めてきた。

かつて「文春砲」の餌食になった元日本経済新聞記者にして、元AV女優(東京大学大学院及び慶應義塾大学SFC卒)の気鋭の文筆家、鈴木涼美。
実は彼女、学生時代からキャバクラ嬢や銀座のクラブホステスのアルバイトをしていて、いわゆる「夜職」の人脈が半端なく広い。
そんな彼女が、夜のオンナたちの桁外れな、ときに地に足のついた「お金の稼ぎ方&使い方」について根掘り葉掘り聞き出し、
なぜ彼女たちは、そんな風にお金を稼ぎ、使うのか、その深層心理を探った。
欲しいものがあるから稼ぐのをやめられないのか? 
稼ぐのがやめられないから欲しいものを探してるのか? 
彼女たちを突き動かすものの正体は? 

・4年間で8000万稼ぎ、すべて使い切った女子大生風俗嬢。
・ホストクラブで一晩で1600万使ったキャバ嬢のプライド。
・母乳風俗で月80万を稼ぎ、子どもを育てるシングルママ。
・二軒掛け持ちの高級ソープ嬢として、まったくお金に困っていないのに、さらに空いた時間にデリヘル勤務するワーカーホリック。

などなど、お金と幸せと若さを持て余して迷走しまくっている、愛すべきオンナたち総勢30名以上が登場。
私たちの人生と切っても切り離せない「お金」について、今一度考えさせられる「オンナの現代資本主義論」!




元日本経済新聞記者にして、元AV女優(東京大学大学院及び慶應義塾大学SFC卒)の気鋭の文筆家、鈴木涼美による「オンナの現代資本主義論」。

感想・レビュー・書評

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  • ミクロな視点で風俗嬢たちの現実を見てみると、それはとても平凡な女の子たちのリアルな生き方だった。資本主義のスペクタクルにすっかり覆われた彼女たちの視点は時に非常に驚くが、細かい点を除けば、あとはどこにでもいる女の子。生き方とは、自分の価値や居場所をどこに設定するかであって、その選択権はすべての人々に平等に付与されているもの。体を売って生きるという生き方も世の中にはある。女の体は売れるし、若ければ若いほど、クオリティが高ければ高いほど、高額で取引される。自分の価値(値段)をすごく客観的に眺めている彼女たちはタフだなぁと思う。誰だって、自分にはお金では測れない価値があると思いたいじゃない。というか、そう思った方が楽じゃない?と思ってしまうのは、私がまだ自分の価値(値段)を知らないからなのだろうか。

  • 914.6

  • 気鋭の文筆家・鈴木涼美による「オンナの現代資本主義論」ということで。
    エッセイではなく本当に社会学論文みたいな風情がありましたね。
    女として生きているだけでそこに「お金」という価値が生まれてしまうのはたしかに得だが罪深い。
    今時、キャバクラも風俗もなんてことのないお小遣い稼ぎ感覚ではじめてしまう女の子も実際多いと思うし。

    深く納得させられたのはp203「高額な自尊心」。
    謎な貨幣価値がまかり通るホストに毎日通う彼女たちは、支払っている代償に対してどれだけのものを得ているのか?
    800万円のワインにはしかし800万円の価値があり、それを景気よく開けてするドヤ顔と言われるお礼は800万円のワインを開けたことのない人には経験し得ないものであって、やはり800万円使わなければ手に入らないものである。
    ホストクラブに湯水のようにお金を注ぎ込んで買っているのは、自分自身の価値と居場所。

    お金をどのように稼いでどのように使うか、単純なようでいて千差万別。
    何にどれだけの価値があるのかは完全に人それぞれで、無駄遣いという言葉はたしかに安易に使える言葉ではない。

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。作家。慶應義塾大学環境情報学部卒業、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。大学在学中に、キャバクラのホステス、AV女優などの経験を経たのち、2009年から日本経済新聞社に勤務。記者となるが、2014年に自主退職。著書に『「AV女優」の社会学』『身体を売ったらサヨウナラ 』『愛と子宮に花束を』『おじさんメモリアル』『オンナの値段』『女がそんなことで喜ぶと思うなよ』『すべてを手に入れたってしあわせなわけじゃない』、『ニッポンのおじさん』など。

「2021年 『往復書簡 限界から始まる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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