罪の名前

著者 :
  • 講談社
3.58
  • (10)
  • (18)
  • (19)
  • (5)
  • (1)
本棚登録 : 171
レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062209267

作品紹介・あらすじ

「あれの味は知っている。羽をむしると、どんな音がするのかも。」
――「衝撃」という言葉以外この作品を表現できない、怪作「虫食い」。
ほか、人間の弱さ、不思議さ、愛おしさを描き出す、4つの鳥肌短篇集。

「罪と罰」
整形外科医の棚田のもとに、深夜、階段から突き落とされた若い男が運び込まれた。爽やかな好青年であるこの患者のために棚田は懸命に治療をするが……。

「消える」
弟を愛してしまった僕。その切なさに距離を置いていたが、弟の運転する車で事故に遭ってしまい、僕の身の回りの世話をする毎日。未来永劫、僕から離れられない。

「虫食い」
幼なじみの隼人だけは、日向が虫を食べることを知っている。そしてそのことに欲情することも。

「ミーナ」
しわしわネームの亀井道代は自分のことを「ミーナ」と呼ばせている。親友の若菜はミーナの華やかさに惹かれているが、なぜかクラスメート達は遠巻きにしている。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • しれっと当たり前のように吐き出される数々の嘘。
    誰もが心の奥底に持っていて、一度暴れ出したら手をつけられない悪魔のようなものなのか。おぞましい。強烈。最後は吐き気をもよおさずにはいらないぐらい涙目。なのにその世界を覗いている自分に背徳感なるものを感じながらも覗かずにはいられなかった。耳元にかすかに美しさを纏ったような息づかいを感じ、吸い付かれるようなおぞましい感覚にだんだんと溺れ、絡めとられてしまいそうな自分もいたことは否めない。木原作品、危険。

  • 普通と思う人と普通じゃないと思う人のお話し。
    ぬるり、と普通の人を覆っていく。

    • はるけるさん
      フォロバありがとうございます
      フォロバありがとうございます
      2018/10/23
  • タイトルは罪の名前、ですが、どちらかというと嘘、見えないこと、秘めていること、そんな後ろ手に隠している事実をそっと覗きこまされたような感覚を覚えた短編集でした。

    階段から突き落とされて病院に運ばれてきた青年に担当医がやがて行き着いた真実とは「罪と罰」、弟を愛する兄に降りかかった事件が導いた運命「消える」、快活な同級生の少女が遠巻きにされている理由「ミーナ」、そして虫を食う性癖を持つ少年とそのことを唯一知る友人を描く「虫喰い」。

    どの話にも人の厭らしさやおぞましさが顔を覗かせていて、決して読んで楽しくもうれしくもならないのですが、それでもどこか目を離せない…つまり読み進めさせられてしまうのは、私自身もまた彼らと同じ「ひと」だからなのでしょうか。こんな彼らとは違う、と思いつつも、どこか縁遠いばかりではない繋がりを感じざるを得ない、「わかる」あくどい面に惹かれるというか、絡まれるというか…。

    全体的に雰囲気というか、虫喰いなど特にどことなく艶っぽい感じがするなあと思ったら、そういう小説で有名な方だったようで、機会があれば読んでみたいなと思いました。

  • 木原先生、箱の中で知りまして当作は地元の図書館にあったので読みました

    先生の書くblは大体どこか薄暗い雰囲気でその中で育まれてく愛が印象的ですが、この作品ザ歪な愛って感じがしました

    嘘をテーマにしてある短編集

    罪と罰に至っては散りばめられたトリックがうまく咀嚼できずモヤモヤなのと、やはり人間の描写が何考えてるのかわからなくて気持ち悪くて最高です

    消えるは足を怪我させた弟に対して罪の意識を背負わせながらあれこれ手を焼いてもらうってサイコさに思わず身震い、
    弟が話していることは本当なのか?えげつないほどの狂愛が感じられますね
    似た感じのお話を見たことがありますがやはり罪の意識を背負わされる重ためな愛に萌えます

    総評として、一体普通って何だろうって思わされる作品が多くもはや正しいとか間違いなんてその人の主観でしかないなってモヤモヤしました。いい意味で

  • 好きな作家さん。短編で、あまりBLはでてこない。最後の「虫食い」というお話で、虫を食べる少年の話がでてくるが、気持ち悪かったが、いかにも木原さんっぽいお話だった。

  • 引き込まれて夢中になって読んだ。
    昆虫食同性愛虚言癖近親相姦(さすがに誇張かもしれないけど)、生々しく描写されていて気分が悪くなった。すごく面白い、私的にはラスト2ページが最高だった。

  • またひとり、すごい作家さんを見つけてしまった。

  • 読後感  後味悪し。

  • 正直気持ち悪い話、4話
    ホラーじゃないけど、精神的ホラーみたいな?
    罪と罰
    階段から突き落とされて救急で運び込まれた大学生
    整形外科医の松雪は最善を尽くし、彼は驚くべき回復を見せ歩けるようになる。
    人懐っこく、明るい大学生に見える彼を看護師は気持ち悪いといい、刑事も犯人の男の妹の失踪に彼が関わってい?のではないかと言うが、松雪には信じられず、自分の見ている彼を信じていた。しかし、細かい嘘や情のない行動に松雪も不信感を覚えはじめ…
    消える
    弁護士の祖父に昔届いた手紙。そこに書いてある兄と弟の世界。確かめるために現在の弟の元を訪れた菅野。
    既に兄は亡くなり、弟は兄を憎んでいた。
    兄が手紙を書いた後、二人に何が起こったのか…
    ミーナ
    ぼっちになりたくなくて、後ろの席のミーナと友達になった若菜。ミーナはいい子で2人で楽しかったが、他の人とも友達になりたいな。と若菜は思っていた。しかしその度にミーナから相手の良くない噂を聞き、2人で過ごしていた。登山、調理実習、面倒なことがあり度に倒れるミーナ。若菜が倒れても心配してないミーナ。本当は質素な家に住んでるミーナ。ヴァイオリニストのお母さんは?お手伝いさんは?だんだん不信感の募る若菜。そしてミーナの本性を知る
    虫食い
    日向は虫を食べる。すごくいい奴。でも虫食い。
    なんでお前はそんなんなんだろうな…

    ラストの虫食いだけがイマイチだったかもしれないけど、あとはなんとも気味の悪い読後感であり、でもこんな人いるかも…と思わせるようなお話でした
    なんでそんなに息を吐くように嘘をつくの?なぜ罪悪感がないの?理解できない気味の悪さをうまくストーリーに落とし込んであるなと
    消えるのラストにん?となりました。同じ一日、兄を海に"連れて行って"って…

  • 罪を意識できない彼らは病んでいるのでしょうが、誰もがそうなる可能性の欠片は持っているのかもしれません。最初の三話は、まるで自分の知り合いにそんな人がいるかのような怖気を運んできます。四話目は思わず一度ページを閉じました。その食感が口の中まで伝わってきて、半泣きでガチガチに強張った手でようやくページをめくりました。そんな状況でも、どうしても読むのをやめられない吸引力。眉間の皺をどんどん深くしながら気付いたら正座をして…ああ!このラストは木原さんでなければ書けない。凄い。この読後の満足感はなんなのでしょう。

全32件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

高知県生まれ。1995年「眠る兎」でデビュー。不器用でもどかしい恋愛感情を生々しくかつ鮮やかに描き、ボーイズラブ小説界で不動の人気を持つ。『箱の中』は刊行時、「ダ・ヴィンチ」誌上にてボーイズラブ界の芥川賞作品と評され、話題に。『美しいこと』はコミカライズもされ、幅広い層の人気を博している。ほかの著書に『コゴロシムラ』『嫌な奴』『秘密』『ラブセメタリー』『捜し物屋まやま』など多数。

「2020年 『罪の名前』 で使われていた紹介文から引用しています。」

木原音瀬の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮下奈都
米澤 穂信
辻村 深月
木原 音瀬
凪良 ゆう
有効な右矢印 無効な右矢印

罪の名前を本棚に登録しているひと

ツイートする
×