白のショートショート ふられ薬

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 59
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062209410

作品紹介・あらすじ

ショートショート作家・童話作家である山口タオが30年にわたって書きためてきた作品を厳選した、自選ショートショート集。
 平均数ページのごく短い作品の中に、ハッとされる意外な視点と、ユーモア、ホラー、童話の味わいが詰まっています。
 どちらかというと怖い感じの作品を「黒のショートショート」、どちらかというとほのぼの系の作品を「白のショートショート」にまとめ、2冊同時に発売します。

(収録作品)22編

ヘイ、タクシー!
ためらい
よい子の報酬
窮地脱出
妻の仕事
ブラウン博士の診察室
鳴らないで
彼女は公園で夢を見た
幸せな人
素晴らしいバス旅行
バッハの時間
ふられ薬
話のタネ
どこか遠くへ

御用をなんなりと
ネコノボリ
雨の日のお客様
カゼをひいた町  
階段のおまじない
タヌキの恩返し 
ロバが語った宇宙飛行士の話

感想・レビュー・書評

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  • 「このたびは新刊見本プレゼントにご応募いただき、誠にありがとうございました。厳正なる抽選の結果、あなた様が当選されましたので、賞品をお送りいたします。おめでとうございます!」
    という添え書きとともに白っぽい本が送られてきた。夫がそれを見て不思議がっている。
    「おかしいなあ、そんな本のプレゼントに応募した記憶がないぞ」
    「いいじゃないの、くれるっていうんだから貰っておけば」妻はいたってお気軽に考える性質である。
    「いや、これはもしかしたら国際的な陰謀組織によるメッセージかもしれない。24もの短編があるのが怪しい。この題字の1番上の文字をつなげて行くと、ある言葉が浮き上がるとか」
    「ばへね、たよかきつふは、おなかあしすかほごおたぞは」妻が読み上げる。
    「ほれほれ、まるで和歌みたいじゃないか!」
    「意味は?」妻が聞いてくる。
    「わからない。だから、これから調べてみよう」
    それから夫は、大学院文学科に入り直し、古代文字の研究を始めた。そうすると、この歌の意味が解明される前に、幾つもの新発見古代文字を発見し、退職後の老年世代が羨む遅咲きの准教授になったのである。
    「それで意味はわかった?」妻は再度聞いた。
    「わかったよ」夫は自信満々に答えた。「まあね、つまらない梅雨は、とっても面白い本読むに限る。‥‥つまり、本は愉しんだ者勝ちって意味だよ」どうやらかなり強引な解釈だったらしく、誤魔化すように夫は呵呵と笑った。


    講談社さま、プレゼントありがとうございました。とっても愉しませて貰いました!

  • ショートショート集なので、短い時間で話のオチまで行けるのがいいですね。最初の「バッハの時間」がそうきたか!と思えて面白かったです。最後の青のショートショートはうるっときました。

  • ショートショート集。初めて読む作家さんだと思ったけれど、「バッハの時間」と「ふられ薬」に読んだ覚えがあるぞ。しかも面白かった記憶もあるので、これは他の作品も期待大だよね。「白」ということなので、こちらはユーモラスでほのぼの路線が多いのかな。
    お気に入りは「鳴らないで」。とってもシンプルで、だけど不可解で印象が強いです。面白いのだけれど。実際に起こったら嫌だなあ、こんなの。

  • 黒より面白かった。最初の「バッハの時間」が良い意味で゛いかにも゛な作品で、そのままよいテンポで読み進められた。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。東京大学工学部都市工学科卒。星新一ショートショートコンテスト最優秀作受賞。作品に、『もしも日本人がみんな米つぶだったら』(講談社)、「のらねこソクラテス」シリーズ、『ことばかくれんぼ』(いずれも岩崎書店)、『7分間でゾッとする7つの話』『ロケットじどうはんばいき 快足スプレー』(講談社)など。東京新聞に、1コマ漫画「大江戸ことわざ珍百景」を連載中(絵・田丸芳枝)。東京都在住。

「2018年 『黒のショートショート 地球人が微笑む時』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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