老侍

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 53
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062209458

作品紹介・あらすじ

戦国時代に、「定年」はない――。

「意地の天寿」……龍造寺家兼(齢九十三)
「勝てばよかろう」……朝倉宗滴(齢八十二)
「不屈なれ」……長野業正(齢七十一)
「捨て身の思慕」……宇佐美定満(齢七十六)
「魂の檻」……武田信虎(齢八十一)
「過ぎたるもの」……島左近(齢六十一)

群雄割拠の戦国時代。武士たちは身命を賭して主君に仕え、家を守り、己の矜持のためにその生涯を生き抜いた。どんなに老いて体が衰えたとしても、その経験と智慧が輝きを失うことはない。常に戦いの中に身を置き、死を傍らに感じる中で、武将たちはいかに考え、いかに生き残っていったのか。最期の最期まで「侍」であることにこだわりつづけた、六人の武将たちの生き様を描く作品集。

感想・レビュー・書評

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  • メジャー級ではない武将たちの短編集。名前は知ってるけど…くらいの知識しかなかったので、なかなか面白かった。龍造寺の話が好きかな。

  • 短編集、龍造寺家兼、浅倉宗滴、長野業正、宇佐美定満、武田信虎、島左近。
    戦国時代に定年はなく、老いてなお、最後まで侍であることにこだわり続けた武将。

  • 面白かった。余りスポットの当たらない名将、かつて老将の話たち。いずれの主人公も濃い生き方でとても印象に残った。

  • まだ3作品しか読んでないが、この書き手、好きだ。
    宗滴の爺に翻弄され、信虎にはイライラさせられ、島左近には熱いものを感じた。
    表紙も良い。爺に、睨め付けられている……

  • 龍造寺家兼、朝倉宗滴、長野業正、武田信虎、島左近の晩年を描くまさに老侍!どれも面白かったが1番は朝倉宗滴!軍神的なイメージだったが良い意味で期待を裏切られた。勝てば良しの言葉が吉川先生によって上手く物語になっていて面白かった!30万の敵を1万で退けたのは島津義弘よりすごい!龍造寺家兼は今まで読んだこともないながら家兼のこともあまり知らず隆信の曽祖父くらいとしか認識していなかったのでどうなるかハラハラしながら読めた。長野業正は真田幸綱との友情を描いている。主君である上杉憲政を越後に追放したというのは初めて読んだ。新しい解釈が入れられているのは嬉しい。武田信虎は吉川先生の作品では珍しく感じたのだが人物の心の内での独り言的なものは信虎をコミカルに描いていて良かった。しかし信虎の戦上手は歳を老いても変わらない!最後の島左近は、吉川先生が以前描かれた「治部の礎」の外伝的な感じで良かった!左近の最後は感動した!

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著者プロフィール

吉川永青
一九六八年東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。二〇一〇年「我が糸は誰を操る」で小説現代長編新人賞奨励賞を受賞。同作は、『戯史三國志 我が糸は誰を操る』と改題し、翌年に刊行。一二年、『戯史三國志 我が槍は覇道の翼』で吉川英治文学新人賞候補。一五年、『誉れの赤』で吉川英治文学新人賞候補。一六年、『闘鬼 斎藤一』で野村胡堂文学賞受賞。近著に『新風記 日本創生録』『乱世を看取った男 山名豊国』などがある。

「2023年 『憂き夜に花を 花火師・六代目鍵屋弥兵衛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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