「米軍が恐れた不屈の男」瀬長亀次郎の生涯

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  • 講談社
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本棚登録 : 35
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062209502

作品紹介・あらすじ

2017年夏に公開された映画「米軍が最も恐れた男~その名は、カメジロー」は各地で満員御礼が続出する大反響を巻き起こした。
瀬長亀次郎は、終戦直後、米占領下の沖縄で、「沖縄人民党」を率い、初めて堂々とアメリカにモノを言ったとしていまも英雄視される伝説の男だ。
全国で唯一、凄惨な地上戦を得て占領され、米軍支配下で息を呑むようにして生活していた沖縄の人々は、亀次郎の演説に快哉を叫んだ。
「一握りの砂も。一滴の水も。ぜーんぶ、私たちのものだ。地球の裏側から来たアメリカは、ぬするれいびんど……泥棒だ!」
演説会には10万人を超える人々が集まり、米軍の度重なる妨害にもかかわらず亀次郎の言葉に熱狂する。
ついに米軍は微罪で亀次郎を逮捕、宮古島の監獄に送るが、奇跡的に生還を果たし、市民の後押しを得て那覇市長に当選した。
妨害の連続で市長の任期はわずか1年で終わったが、70年には衆議院議員に当選。佐藤栄作首相に対し、「沖縄は再び戦場となることを拒否する!」とド迫力の論戦を繰り広げた。
「伝説の男」の骨太な生涯を描いた感涙の映画が、ついに書籍化。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/732550

  •  沖縄の英雄、瀬川亀治郎の伝記。
     熱い話である。
     瀬川は民族主義者だった。が、彼のいう民族は日本民族であり、そこには沖縄人も含まれる。琉球民族、大和民族という分け方はしなかった。学問的に共産主義を学びある程度支持していたが、これには時代性もあるだろう。暴力革命は明確に否定しており、本質的には共産主義者ではなかった。
     後半の佐藤栄作との舌戦は、個人的にどちらかといえば佐藤側を支持する。地政学的な要地であるため沖縄に基地は必要、としか言いようがない。現実的にはそうだと思う。残念ながら、中国が一党独裁の軍事強国である時点で仕方がない。しかし、本土側からの歩み寄りも必要だろうと、改めて思う。
     何にせよ、瀬川亀治郎の生きざまには敬意を覚えずにはいられない。

  • こういう人が、僕の中での政治家のイメージ。
    彼の主張に現代の僕が100%同意できるということはないけども、彼の主張は一貫していて、間違いなく聴く価値がある。

    国会議員となった瀬長亀次郎が、佐藤栄作総理と沖縄北方特別委員会で対決する場面が、本書の中でも出て来る。実際の音声も聴いたのだけど、瀬長の言葉には迫力がある。

    瀬長亀次郎の死から18年。未だ瀬長の思い描いた沖縄にも日本にもなっていない。

  • しばしば沖縄に対して同情的、アメリカに対して批判的な言論に対しては、あたかも売国奴、非国民のような言論が見られる(そして時には嘘情報をさも流す)

    瀬長亀次郎は国政においては日本共産党に所属しており親米保守の皆様からは目の敵にされるのだろうが、その根底には日本人としての誇り(日本の一部である「沖縄県民」)があり、彼の行動原理は極めて明快で、本来の保守がよって立つところではないだろうか。

    占領軍にこびへつらい、いたずらに反する立場を非国民のように貶める者達は本当に愛国者として言えるのだろうか。

  • 真藤順丈「宝島」つながりで。/これは沖縄県民怒って当然な事例のオンパレード。亀次郎が民衆の絶大な人気を集めると見るや、言いがかりのような罪で投獄、しかし逆に声望は高まり、出獄後那覇市長に当選。水道を止めたり、市が銀行を使えなくしたりしたが、その結果は亀次郎を応援しようとしう市民たちの納税する行列。最後は法律を変えてまで公職から追放。それでも止まぬ声望。そういった中でも一貫して毅然とアメリカに物申す不屈。敵をも愛そうとする博愛。沖縄の人々の気持ちを代弁する熱い魂。アメリカ政府から、日本政府から受けてきた仕打ちを考えれば、そして、今に至るも変わらない基地問題を考えれば、ニュースだけでは伝わらない、沖縄県民の気持ちが伝わってくる感。「この瀬長ひとりが叫んだならば50メートル先まで聞こえます。ここに集まった人々が声をそろえて叫んだならば、全那覇市民にまで聞こえます。沖縄70万人民が声をそろえて叫んだならば、太平洋の荒波を越えてワシントン政府を動かすことができます」「弾圧は抵抗を呼ぶ 抵抗は友を呼ぶ」(瀬長亀次郎)

  • 不屈の闘志で沖縄の本土復帰、人権回復に尽力した瀬長亀次郎の戦いが記された一冊。
    今では当たり前のように沖縄県として、日本国民として位置しているけれども、それが当たり前ではなく先人たちの努力があったからこそなのだと知れた。

  • 2018年6月読了。
    99ページ、受刑者の環境改善を求めると同時に、刑務所職員が天引きされている「互助会費」会計の明確化することを求めるあたり、単純な「受刑者対職員」という対立に陥っていないところがすごい。

    210ページ、「日の丸」はwelcomeなところ。単純な「保革の対立軸」で沖縄を捉えることは誤解につながる。

    234ページ、共産主義者とレッテル貼りされた瀬長から「ブルジョア民主主義の育成が必要」との発言。ここでも右左の単純な理解では沖縄を正しく捉えられないことが示される。

    236ページ、「民族自決」、ホー・チ・ミンやガンジーを彷彿とさせる。

  • 東2法経図・6F指定 289.1A/Se57s/Ishii

  • 続く「カメジロー旋風」 新刊本、売り上げ好調 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
    https://ryukyushimpo.jp/news/entry-666865.html

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    2017年夏に公開された映画「米軍が最も恐れた男~その名は、カメジロー」は各地で満員御礼が続出する大反響を巻き起こした。
    瀬長亀次郎は、終戦直後、米占領下の沖縄で、「沖縄人民党」を率い、初めて堂々とアメリカにモノを言ったとしていまも英雄視される伝説の男だ。
    全国で唯一、凄惨な地上戦を経て占領され、米軍支配下で息を呑むようにして生活していた沖縄の人々は、亀次郎の演説に快哉を叫んだ。
    「一握りの砂も。一滴の水も。ぜーんぶ、私たちのものだ。地球の裏側から来たアメリカは、ぬするれいびんど……泥棒だ!」
    演説会には10万人を超える人々が集まり、米軍の度重なる妨害にもかかわらず亀次郎の言葉に熱狂する。
    ついに米軍は微罪で亀次郎を逮捕、宮古島の監獄に送るが、奇跡的に生還を果たし、市民の後押しを得て那覇市長に当選した。
    妨害の連続で市長の任期はわずか1年で終わったが、70年には衆議院議員に当選。佐藤栄作首相に対し、「沖縄は再び戦場となることを拒否する!」とド迫力の論戦を繰り広げた。
    「伝説の男」の骨太な生涯を描いた感涙の映画が、ついに書籍化。

    http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062209502

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著者プロフィール

神奈川県川崎市出身、青山学院大学文学部卒業。
1988年TBS入社。1996~2006年「筑紫哲也NEWS23」キャスター。2006~2010年政治部。2010~2011年「Nスタ」、2014~2017年「報道LIVEあさチャン!サタデー」、「Nスタニューズアイ」キャスター。
2013年~「報道の魂」(現 JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス)プロデューサー。近年では、2013年「生きろ~戦場に残した伝言」、2014年「生きろ~異色の司令官が伝えたこと」「茜雲の彼方へ~最後の特攻隊長の決断」、2015年「戦後70年 千の証言スペシャル 戦場写真が語る沖縄戦・隠された真実」、2016年報道の魂SP「米軍が最も恐れた男 ~あなたはカメジローを知っていますか」などを制作。2017年公開のドキュメンタリー映画「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」監督。

「2018年 『「米軍が恐れた不屈の男」瀬長亀次郎の生涯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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