伴走者

  • 講談社 (2018年3月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (266ページ) / ISBN・EAN: 9784062209540

作品紹介・あらすじ

「お前は伴走者だ。俺の目だ」自分ではなく他人のために、勝利を目指す。伴走者の熱くてひたむきな戦いを描く、新しいスポーツ小説!ばんそうしゃ【伴走者】=視覚障害のある選手が安心して全力を出せるように、選手の目の代わりとなって周囲の状況や方向を伝えたり、ペース配分やタイム管理をしたりする存在。


「泣けた、とは言いたくない。それとはちがうのに、涙がでるのだ。」――糸井重里さん

自分ではなく他人のために、勝利を目指す。
熱くてひたむきな戦いを描く、新しいスポーツ小説!

「お前は伴走者だ。俺の目だ」

ばんそうしゃ【伴走者】
視覚障害のある選手が安心して全力を出せるように、選手の目の代わりとなって周囲の状況や方向を伝えたり、ペース配分やタイム管理をしたりする存在。

◆夏・マラソン編
「速いが勝てない」と言われ続けた淡島は伴走者として、勝利に貪欲で傲慢な視覚障害者ランナーの内田と組むことに。パラリンピック出場を賭け、南国のマラソン大会で金メダルを狙う二人のレースに、次々に試練が襲いかかり……!?

◆冬・スキー編
優秀な営業マンだった涼介は、会社の方針で視覚障害者スキーの伴走者をするよう命じられる。1位にこだわり続け、ピーク時に選手を引退していた涼介だったが、全盲の天才スキーヤーの女子高生・晴と出会うことで、少しずつ変わっていく。

感想・レビュー・書評

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  • パラスポーツの中でも視覚障害者には、ともに走る伴走者が必要だ。
    夏・マラソン編、冬・スキー編。
    どちらも、自分から望んでではなく、請われて伴走者となった経緯が、ちょっと複雑な心境を感じさせて良かった。
    夏編はレースや勝負の駆け引きなどがメインで、冬編は選手と伴走者の心の綾を描いている。
    今までよりも、興味を持って観戦できそうな気がします。

  • 見たことはあるけれど全く関心がなかった
    障がい者スポーツを支える「伴走者」
    一コマ一コマが胸を打つ
    単なるスポーツ小説ではなく
    人と人との結びつき、自分への厳しさ、相手への想い
    読んでよかった
    そう思わせてくれた

    ≪ 伴走者 人の目になり 心解く ≫

  • 伴走者から見た、全盲の人のマラソンとスキーの世界。知らない事を知ることはいかに楽しい体験であるかを思い知らせてくれる、素晴らしい小説だった。続編強く希望

  • オリンピックと同じ年に開催されているので4年に一度は目にしている「パラリンピック」。
    でもあまりにもそのひとつひとつの競技に対して無知であったと改めて。
    「伴走者」というのは自分自身がトップレベルのアスリートでなければならない。よく考えたらそりゃそうなのだけど、ここまでその力を求められていたとは。
    夏と冬、マラソンとスキー。マラソンは紐でつながった伴走者を見たことがあったけど、スキーは初めて知った。こんなすごい競技があったとは、と驚き、思わず映像を検索してしまったほど。視覚障碍者が時速100キロ近いスピードで滑り降りて来る…晴眼者でも怖いのに…いや、無理無理。
    すごいなぁ、と思って読んでいたけど、でも本当に大切なのは、彼ら彼女らにとってその見えない状態が当たり前で、それを私たちが勝手に「大変だ」と思い込んでいるということ。そのことに気付かせてくれたこの小説を東京オリンピックの前に、ぜひ一人でも多くの人に読んでもらいたいと思う。

  • 伴走者という言葉を教育界隈でよく耳にするようになったのだけど、伴走者ってなに?と思って、調べていたら本書に出会いました。

    小説を通して物事をわかろうとするのが自分でもはじめてだったので、こういう世界の知り方があるのかぁと、小説を読むよさも味わうことができました。

    物語りには臨場感があり、選手と伴走者のそれぞれの世界の捉え方が繊細に描かれていて、思わずパラスポーツの動画をYouTubeで見てしまったほどです。

    「伴走」という言葉に対しても自分がこれまで抱いていた解釈とはまた違った見方をできるようになったと思います。

    読んでよかった一冊になりました。

  • ブラインドスポーツにおいて、アスリートと共に支え合う伴走者。障害の扱い方への戸惑い、捨てられない自分の夢、共に走る意味。伴走する立場における苦悩や快感が感じられる、疾走感のある作品。

    「目の見えないものにスポーツができるなどとは最初から誰も思わないのだ。」物語を読み進めていると、この一文にドキリとする。
    晴眼者は、目の見えない人を「支える」、いわば「強者」の立場に見える。しかし、物語を通して、気付かされることはとても多い。「関係はいつでも簡単に逆転する」のだ。

    物語としては「夏・マラソン編」も好きだが、「冬・スキー編」は響く言葉が多かった。弱さを見せて、相手に頼ろうとしなければ、相手からも信頼されない。これは、伴走者に限らず、人との付き合いの中で大切にしたい。

  • パラオリンピックマラソンとスキーアルペンの伴走者との話し。この二人みたいにオリンピック選手は障害者でも強いんだろうな。でも恵まれ過ぎだ。 2018.4.6

  • パラスポーツや伴走者について、今まであまり意識してこなかった分、作品を通して新しい世界を知ることができました。
    目が見えないから弱者で、目が見えるから強者なのか。立場は状況次第で逆転するんだと思います。

    「弱さのない人は強くなれないんですよ」(p197)
    【冬・スキー編】
    晴ちゃんのセリフがすごく響きました。

  • ビブリオバトルで紹介されていて、個人的に1番気になった本。
    視覚障害者をめぐる「伴走」の物語。

    「目が見えないってだけで、なにもできないと思われる」という強烈な一文が頭から離れない。
    マラソン編とスキー編があったけど、わたしはマラソンの方が好き。

    障害者スポーツを見る目が変わった。
    次のパラリンピック、たのしみだなあ。
    わたしには想像力が足りていないなあ。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50106021

  • ふむ

  • 「障害者」と「健常者」。
    当たり前にボーダーラインを引くことは容易。

    しかし、一皮剥けば、欠けたもの、過剰なもの、その両者にそれぞれ、様々なかたちで存在する。

    「当たり前」に見ているだけでは感じとれない物語を、色鮮やかに紡ぎ出す筆者の力は相当なものと感じた。

    これからの活躍を期待したい。

  • 自分が障害者の方とあまりかかわったことがなかったためので、新鮮な視点と触れることができた一冊でした。

  • 伴走者
    視覚障害のある選手が安心して全力を出せるように、選手の目の代わりとなって周囲の状況や方向を伝えたり、ペース配分やタイム管理をしたりする存在。

    夏・マラソン編と冬・スキー編 収録。

    視覚障害者ランナー内田は勝ちにこだわる。
    そのための作戦を練る。
    駆け引きは、晴眼者のマラソンレースと変わりはない。
    ただ、その駆け引きは「伴走者に求められる資質の一つ」という違いがある。

    スキー編では、精神面が描かれる。
    視覚に障害のある高校生の晴と涼介の信頼関係を中心にストーリーが展開していく。

    視覚に障害のある人に対して
    どのように接したら良いのか
    読者の一人として、思うところがたくさんあった。

  • すごい。おススメ。障害者スポーツをモチーフにしているけど、そんなこと関係なく面白い。

  • 障害者スポーツの話だが、人と人が信頼しあう事の難しさや、意志の疎通をはかる方法に、万人で違いはない事を思い出させてくれた。
    一瞬を争うスポーツの指示を、口頭だけで的確に出す難しさは、想像以上なんだろうと思った。

  • パラスポーツとしてよりは、人と人との人間模様として響いた。

  • ・「なぜ目の見えない者がここに来たのだ」
    「彼自身を変えるためです」
    「お前は何者だ」
    老人は怪訝そうな表情になった。
    「俺は伴走者です」淡島は胸を張った。「革命家にだって伴走者はいたでしょう」
    伴走者はレースを共に走るだけの存在ではない。誰かを応援し、その願いを叶えようと思う者は、みな伴走者なのだ。
     内田の願いを叶えるのが、ここにいる俺の役割だ。伴走者としての俺の役割なのだ。淡島の必死の願いを聞き、老人は静かに目を閉じた。目尻から涙がこぼれ落ちる。
    「儂が彼の伴走者だった。彼の革命をすぐ側で見つめてきたのだ」濁りのない瞳は淡島の遥か後ろを見つめているようだった。

    ・「怖がるのが不思議なんですよねー」
    「何で不思議なんだよ」
    「だって、それまで何でもできていた人が、急にダメ人間になるんだもん」
    「俺たちは視覚に頼っているからな。視覚がなくなると動けなくなる」
    そう。その瞬間、強者は弱者になり、弱者は強者となる。光のない世界に入り込めば、視覚障害者は圧倒的な力を持つことになる。
    「それなのに立川さんは弱さを見せない」
    「どうせ俺は偉そうだよ」
    「弱さのない人は強くなれないんですよ」晴は静かに言った。

  • 生業である対人援助職について、クライエントの「伴走者」と例えられることがある。
    「誰かを助けるのではなく、その誰かとともにあろうとする者、互いを信じ、世界を共にしようと願う者」
    自分はそんな風に伴走できているか。
    自分の弱さを恥じずに、ちゃんと誰かや何かに頼ることができているか。
    スポーツの話だけれど、そんなことを考えながら読んだ。

  • 夏・マラソン編と冬・スキー編からなる、
    二組の盲目のアスリートと伴走者の物語。
    どちらも気が合ってコンビを組んだというよりは、伴走者側が状況的に否が応でもなしにそうせざるを得ない所から始まっている。
    勝負の世界の駆け引き、障害者スポーツを取り巻く環境など、どれも綺麗事ではいかないし、
    努力に結果が必ずしもついてくるものではないけれど、
    それでも人を競技に向かわせるものはなんだろうか?
    スキー編のラストは、その答えの一つを提示していて爽やかな読後感。

    ただ、アスリート側がどちらも天才型なので
    できたら努力の人同士の話も読みたい気がした。

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著者プロフィール

浅生 鴨(あそう・かも):作家、広告プランナー。1971年、神戸市生まれ。たいていのことは苦手。ゲーム、レコード、デザイン、広告、演劇、イベント、放送などさまざまな業界・職種を経た後、現在は執筆活動を中心に、広告やテレビ番組の企画・制作・演出などを手掛けている。主な著書に『伴走者』(講談社)、『どこでもない場所』、『ぼくらは嘘でつながっている。』(ダイヤモンド社)、『すべては一度きり』『たった二分の楽園』『三万年後に朝食を』『四メートルの過去』『五グラムの用心棒』(共に左右社)など。同人活動として『雨は五分後にやんで』『牛し本』などの展開も。座右の銘は「棚からぼた餅」。

「2025年 『選ばない仕事選び』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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