著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 70
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062209557

作品紹介・あらすじ

「道鬼斎の旅 壱」 書き下ろし
「火、蛾。」 小説現代1月号
「甘粕の退き口」 『決戦!川中島』
「幽斎の悪采 」『決戦!本能寺』
「道鬼斎の旅 弐」 書き下ろし
「槍よ、愚直なれ」 『決戦!賤ヶ岳』
「怪僧恵瓊」 『決戦!関ヶ原』
「日ノ本一ノ兵」 『決戦!大坂城』
「道鬼斎の旅 参」 書き下ろし

感想・レビュー・書評

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  • 日ノ本で一番の兵(つわもの)を探し、天下の混乱を正す。
    乱世の戦を渡り歩く道鬼斎が物語全体のストーリーテラー的存在となり各短編を繋いでいく。
    道鬼斎の客観的視点がとても面白い。
    混迷の中にある乱世を救う「一番の兵」の条件とは…?

    武田信玄、織田信長、豊臣秀吉、明智光秀、真田幸村、徳川家康…何れ名だたる武将も、道鬼斎目線で追うと人間くささが色濃く出て来て魅力的。
    ただ強いだけの男は「まことの兵」にあらず。
    戦に負けたり敵の策略にのせられたり、と人は逆境に立った時にこそその本質が明らかになる。

    動乱の世を制する天下人の器、まことの兵について考えながらそれぞれの戦を洗い出す作業はとても面白かった。
    そして野望を持つ男達の、智力と腕力を最大限に引き出した駆け引きに魅せられた。
    初めは決戦!シリーズ短編をただまとめたものかと思っていたけれど、途中に道鬼斎の書き下ろしを盛り込むことで全ての短編が繋がり、見事な連作になった。
    木下さんの腕力を改めて見せつけられた作品。

  • 本能寺の変や大坂夏の陣の新解釈。でも幸村のほうは結末がいまいちよく分からなかったのと、「日ノ本一の兵はだれか」の結論がありきたりでちょっと不満。まあでも、合戦はフェイクニュースの流し合いというのはリアルだと思う。

  • 【きっかけ・目的】
    日本一の兵をめぐる戦国時代の連作短編集。
    企画ものということをあとがきで知る。
    【感想】
    自分の中では、おにぎりしか印象に残らない展開だ。
    道鬼斎が作品を通じての裏の主人公だ。走るのが得意な使用人。
    最初は主人の菊亭晴季からの依頼で日本一強い兵を求め各地を訪ね歩くうち自らがそれを求め歩く。
    おにぎりの食べ方で年月を重ねていく様を描いていく。

    途中の展開からもしやと思ったが展開的には大坂の陣にたどり着く。
    そう、有名な一節。真田の兵、日の本一の兵なり。

    最後に至るまでの複線で大いに楽しませどんでん返しでまた楽しめる。
    【終わりに】
    無性に読み終わった後にしおむすびを食べたくなった。
    というわけでセブンイレブンで買って食べた。

  • 『決戦!〇〇〇』シリーズをまとめた短編集。
    お話をつなぐように書き下ろされた『道鬼斎の旅』に強く惹かれた。
    『日ノ本一の兵』とは?
    わたしの知識レベルでは、思い当たる人物が限られる。
    それでも、道鬼斎に寄り添い考えつづけた。
    ・・・そう、その方。
    あなたが最初に思い浮かべた方です(´-`)

  • 〈日ノ本一の兵〉を追い求める道鬼斎を軸に、乱世の終焉までをえがく。
    たのしんだけれど、ほとんどが『決戦!』シリーズ既出で、未読部分が少ないのは残念。
    道鬼斎のエピソードがはいることで、ばらばらだった短編がひとつにまとまり、流れが発生しているのは、おもしろく感じる。

  • 乱世の英雄豪傑の中で一体誰が本当の兵つわものか。何かに突き動かされるように戦に駆り立てられる武将たち。情や理性の堰を安々と越え、闘いへの興奮と快楽が肥大していく様は残酷ながら、時代の軸と納得。頁を捲ると背徳や不義などの謀で主従や形勢がいとも簡単に入れ替わる。生き延びるため心を殺し、謀反や理不尽に無念を噛み締めた多くの兵たちに心が及ぶ。何が正しいかは決して一つではない。日本史が苦手で人情ものを好んで読んできたが、血が沸くような野心や執着が「情」だけではない世界観を描くものとして、もっと読みたくなる。

  • 戦国武将で誰がいちばんのツワモノか、っていうの
    歴史好きは大好きなトークテーマだし、“日の本いちのツワモノ”ってどうせ真田幸村っていうんでしょー定番でしょー

    みたいなかんじで予想しながら読み始めたけど。。。。

    いやあ、そう来たか、
    幸村のif設定が、ほんと斬新、
    真田幸村ってもう大衆ヒーローとしてすごくファンタジックに作り上げられた部分もあるけど、そういう十勇士的要素はぜんぜんなくて。
    ちょっと痺れた、よくこんなこと思いつくなあ。
    でもそうだったかもしれないと思えてしまう。
    章の時系列も前後していて、伏線回収が入り組んでて、加藤虎之助(清正)の章がちょっと脇道に逸れたかんじがしてたけど、なんのなんの、大事な伏線があった、
    だいたいからして冒頭が水野信近の閨から幕開けするという。。。物語への吸引力みたいなのが強い作品だった、いつのまにかどっぷり、ツワモノたちの生き様にひきこまれていた、
    これいつか映画化とかされるんじゃないかなあ、


    ここらへんの時代の勢力図をもっとちゃんと把握できてたらもっともっと楽しめたんだろうにな、
    自分の歴史の知識の浅さが悔やまれる、ちゃんと勉強したくなっちゃった
    ちょっとまとまらないですが面白かった、2-3度読み返したい。
    木下さんまだ数冊めなんだけど、この方はいわゆる通説を痛快に裏切ってくるからほんと素晴らしい、この時代の、家名を残すためなら命のほうが軽かった壮絶な感覚、駆け引き、覚悟、、

    とにかく読み応えアリ。武将モノ好きな方には、ぜひぜひお勧めします。

  • 刀と刀、身体と身体がぶつかり、弓が空を切る音が聞こえてくる。
    歯を食いしばり、戦う男達がまるで目の前にいるようだ。
    血湧き肉躍る。
    胸が高鳴り、体が熱くなる。
    だが、剛だけでは無い。
    柔らかくも美しく、儚げな場面も秀逸だ。
    そして、この物語は、最後まで読んだ時にその凄さが初めて分かる。
    日ノ本一の兵とは果たして……

  • 戦国モノの短編集だけど、一見バラバラのようで、それぞれリンクして、最後に大円団という趣きだけど、もともとの短編をなんとか組み合わせるための設定に無理を感じるポイントがあり、なんとなくはまれないまま終わってしまった。

  • 桶狭間〜大阪夏の陣迄の戦国〜江戸時代に至る混沌とした時代の各戦いを道鬼斎と言う日本一の兵を探す旅を通して其々の戦い描く短編物で有ると同時に道鬼斎を通して一つの繋がりが描かれている。又、決戦シリーズの内容(短編)もその一つの話として取り上げられている。
    ・火、蝶-信長vs今川の桶狭間の戦いを背景に水野家の存続を図る水野藤九郎。。最後は今川の兵の岡部五郎兵衛と信長の策に泣く
    ・甘粕の退き口-信玄vs謙信の川中島(妻女山)の戦いでの謙信の4武将の1人で有る甘粕影持。。最後は色々根回しするも謙信の軍神戦略に舌を巻く
    ・道鬼斎の旅壱-公家の菊亭公彦から日本一の兵を探し出す命を受け先ずは信玄を訪ね真田源五郎(後の昌幸)との旅を提示され旅に出た途中で桶狭間の戦いが起き旅は中止。2人は別れ、道鬼斎は1人桶狭間の戦い後の信長と接見し“火、蝶”の話と絡み、源五郎は“甘粕の退き口”にの話と絡み信玄は名将で有っても名君で無く武田は信玄に滅ぼされる予言をする。
    ・幽斎の悪采-本能寺の変が何故起きたか?。。。を描く
    ・槍よ、愚直なれ-秀吉vs勝家の賤ヶ岳の戦いを背景にした加藤虎之助(清正)を描く。。決戦シリーズの短編
    ・道鬼斎の旅弐-再び真田昌幸と出会う
    ・怪僧恵瓊-毛利の使僧:安国寺恵瓊が過去の怨みから毛利秀元を関ヶ原の戦いで西軍の頭に担ぎ出しての戦いを描く。
    ・日本一の兵-大阪夏の陣での真田幸村vs徳川家康の戦いを描く、真田昌幸の知略で子の信繁は顔を変え徳川に紛れて、かつて道鬼斎に関ヶ原での兵として助けられ同じく昌幸の知略で子幸村として成りすまし徳川家康に肉薄する。。。最後、兵として幸村の運命は。。
    ・道鬼斎の旅参-大阪夏の陣を終えて真田幸村から危うく命を取り留めた家康が日本一の兵なのか??

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著者プロフィール

一九七四年奈良県生まれ。二〇一二年「宇喜多の捨て嫁」で第九二回オール讀物新人賞を受賞。同作は直木賞候補となり、一五年に第二回高校生直木賞、第四回歴史時代作家クラブ賞新人賞、第九回舟橋聖一文学賞を受賞。一九年に「天下一の軽口男」で第七回大阪ほんま本大賞、「絵金、闇を塗る」で第七回野村胡堂文学賞を受賞。

「2020年 『秀吉の活』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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