悪徳の輪舞曲

著者 :
  • 講談社
3.96
  • (64)
  • (163)
  • (66)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 679
レビュー : 123
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062209731

作品紹介・あらすじ

御子柴の母が夫を殺めた?

悪辣弁護士も驚愕するシリーズ最凶の「どんでん返し」!

谷原章介さんが「王様のブランチ」MC10年間の
「思い出の一冊」に選んだ『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』シリーズ最新刊!

悪徳は輪舞曲のように同じ旋律を繰り返すのか――

14歳で殺人を犯した悪辣弁護士・御子柴礼司を妹・梓が30年ぶりに訪れ、
母・郁美の弁護を依頼する。
郁美は、再婚した夫を自殺に見せかけて殺害した容疑で逮捕されたという。
接見した御子柴に対し、郁美は容疑を否認。
名を変え、過去を捨てた御子柴は、肉親とどう向き合うのか、
そして母も殺人者なのか?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 悪名高き御子柴礼司弁護士がとうとう自分の実母を弁護することになった。冷静沈着な御子柴もさすがに普段とは違う姿を晒す。弁護士事務所の助手の洋子さんに見抜かれるところなどは面白い。いきなり最初の場面が、御子柴の母親が夫を自殺に見せかけて殺すところから始まるので、いったいどうやってこれを弁護するのか見どころである。最後はこうきたのか、やられたという感じである。御子柴礼司シリーズは期待に違わず面白い。

    • KOROPPYさん
      こんにちは。
      コメントありがとうございました。

      御子柴シリーズは、一筋縄ではいかないキャラクターとたたみかける展開が、毎回面白いです...
      こんにちは。
      コメントありがとうございました。

      御子柴シリーズは、一筋縄ではいかないキャラクターとたたみかける展開が、毎回面白いですよね。
      続きが待たれます^^
      2020/08/15
  • 御子柴礼司シリーズ4作目。
    今回は御子柴の実の母の無罪を勝ち取るための弁護。
    そこに隠された「死体配達人」以降の残された家族の真実。
    改めて考えさせられる事の多い作品でした。
    このシリーズは特に心を抉られてしまう。

  • 御子柴礼司シリーズの第四作目。前三作が素晴らしかったので、これを超える作品は難しいのではと思っていたが、全く引けを取らない良作だった。実の母親を弁護することになった御子柴が、否応なく過去の自分の犯罪とその結果として引きずり込んでしまった家族の系譜に直面することになる。作者はこの四作を最初から構想した上で、書き進めていたのだろう。全作を通して素晴らしいプロットが紡がれていた。本作が御子柴シリーズの最終作となるのかそれとも新たな道を歩み進めるのか気になるところだ。

  • ダークヒーローが主人公のリーガルサスペンス第4弾。
    弁護士というより詐欺師に近い悪徳弁護士御子柴礼司。今回は、何と、母いやの弁護を引き受けることになる。さすがの彼も勝手が違うよう。
    罪状は、再婚した夫の殺害容疑。絶対的ともいえる物的証拠があるが、母は容疑を否認。裁判の行方は・・・
    題名の輪舞曲(ロンド)は何を意味するか・・・
    「どんでん返しの帝王」との異名をとる著者は、ミスリードした読者に、今回もアッと言わせる仕掛けをしている!

    それにしても、御子柴事務所の有能な事務員の洋子さん、こんな弁護士のもとでよくも辞めずに勤めておると思うが。
    御子柴と丁々発止、手玉に取るかのような度量もあり、彼女にも何かいわくがありそうな不思議な存在。
    少年院の世話になった教官の弁護、母親の弁護と、彼の身近な人物の弁護が続き、次回作あたりではその辺も、あるいは・・・

  • 御子柴シリーズ4作目。今回は再婚相手を殺害した容疑の実の母を弁護。不可能と思われる弁護をあっと驚く点でひっくり返す展開は安定。弁護する相手が誰であっても同じ、という姿勢は崩さないが今回は随所に動揺が見られる。彼にも人の心が残っていた、或いは生まれてきた?という話ね、と思っていたので冒頭で描かれたエピソードの真実が効いた。1作目の御子柴では感じられなかっただろうし順に読んでいくの大事。前作までの復習大事。また今回の弁護した事件の真実に至る過程はやり切れない。法は誰の味方なのか改めて突きつけられる。

  • 回を重ねるたびに面白くなっていく御子柴シリーズ。
    今回は今までとはひと味もふた味も違う、戸惑い冷静さを失う御子柴礼司の姿を見つけることができました。
    自分の心をコントロールし、過去を捨て去ることで世の中と折り合いをつけて来た男の心を
    揺るがしたのは、捨てたはずの過去そのものである家族の存在。
    これから御子柴にどのような変化がおきるのだろう。
    次回以降が楽しみでなりません。

  • 古来、遺伝と犯罪を結び付けた学説がもて囃される時、往々にして社会不安や政情不安も増大していた。それはこの説がそもそもデマだから。人間の気質や立ち居振る舞いを遺伝や外部要因だけで規定するのは、とても単純だし利用されやすい。だからみんなが安易にのっかってしまう。所詮人間というのは自分の知識の範囲でしかものを考えられないということ。蛙の子は蛙というが鳶が鷹を生むということもある。御子柴ははたして蛙なのか鷹なのか。今回も見事に騙された。真っ直ぐ直球、ど真ん中に投げ込まれるのが分かっていながら見逃してしまった心境。見事なまでに無様な三振。やられた。

  • 今度の依頼人は、妹。被告人は、母親だった。
    御子柴シリーズ第4弾。
    他人だといいつつも、ゆれる御子柴。
    彼ほどの人間でも、無感情ではいられないのだな、と人間味を感じる。
    前半はゆっくりだけれど、最後は一気にたたみかける展開で、読む手が止まらなかった。
    御子柴らしい戦い方でおもしろい。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    14歳で殺人を犯した悪辣弁護士・御子柴礼司を妹・梓が30年ぶりに訪れ、母・郁美の弁護を依頼する。郁美は、再婚した夫を自殺に見せかけて殺害した容疑で逮捕されたという。接見した御子柴に対し、郁美は容疑を否認。名を変え、過去を捨てた御子柴は、肉親とどう向き合うのか、そして母も殺人者なのか?

    御子柴礼司シリーズ4作目。
    中山七里さんの作品は好きなので けっこう読んでる方だと思います。だけど歳のせいか歳のせいにしたいだけなのか...以前の3作品の内容が思い出せません。ラストに出てきた津田倫子ちゃんが思い出せなくて とっても気になってしまってます。
    最後の最後に母親・郁美の告白には驚いた。
    生まれて初めて他人が羨ましいと思った御子柴は人間らしい葛藤が芽生え始めたのかなぁ...

  • 稀代の殺人鬼の母親も、また、鬼なのか。
    本作は加害者家族と、被害者家族、それぞれの、苦しみ、内なる思い、世間からの仕打ちなど、それらの対比がテーマだ。
    御子柴は言う。
    「およそこの世に、人が口にする正義ほど胡散臭いものはありませんよ」(135頁)と。

    本作の被告人は、御子柴の実の母親である郁美で、依頼人は妹、梓だ。
    母は夫を殺したのか。
    その理由はなんだ。
    母に流れる血は、やはり自分と同じなのか。
    冷血漢の御子柴を母と妹は狂わせる。
    いや、初めに人生そのものを狂わせられたのは彼女たちだ。
    母と御子柴は同じ曲を奏でているのか、それとも......。

    不協和音だ、耳障りだと、御子柴は彼女たちを突き放す。
    自殺した父を、子どもに責任を負うことなく逃げた弱虫だと見下す。
    けれどもその言い分は身勝手なものだ。
    今回の御子柴はダークヒーローでもなんでもない。
    いつまでも、ママに甘えている、少年だ。

    母親は、御子柴に大きな傷をつけた。
    家族の存在を知らせ、彼が犯した罪の大きさをもう一度自覚させた。
    「あなたが殺人を犯そうが、世間から怪物と言われようが、お父さんとお母さんはあなたのために必死だった」(273頁)
    バカな親だろうか。
    子どものため、それは単なる押し付けだろうか。
    私が親にならなかったら、きっと、愚かな親だと言う感想の方が優っていただろう。
    けれども、私は知ってしまった。
    親であることの馬鹿さ加減を、守りたいと心から思えるものの存在を。

全123件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。2009年『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。幅広いジャンルを手がけ、斬新な視点と衝撃的な展開で多くの読者の支持を得ている。

「2021年 『ヒポクラテスの悔恨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中山七里の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

悪徳の輪舞曲を本棚に登録しているひと

ツイートする
×