物の怪斬り 溝猫長屋 祠之怪

著者 :
  • 講談社
3.50
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本棚登録 : 93
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062210041

作品紹介・あらすじ

無敵の死霊を退治しないと
子供たちに祟りが!?

怖いけどほのぼの幽霊綺談。
祠の謎がついに明らかに――

『古道具屋 皆塵堂(かいじんどう)』に続く人気シリーズ!

「祠の力」が及ばない鎌倉旅でもお化けが――
 
剣術道場の門人だった旗本の次男・市之丞(いちのじょう)が、
屋敷に出る物の怪退治を蓮十郎に依頼した。
溝猫長屋で暮らす「幽霊が分かる」忠次ら子供たちも屋敷に同行するのだが、
幽霊の気配を感じた忠次たちは、江戸を離れないと数日で命を落としてしまうことに。
江ノ島見物に出かけたお紺らを追って、忠次らも急遽旅に出るが、
宿でもお化けに遭遇してしまい……。
子供たちは無事、江戸に戻れるのか?

感想・レビュー・書評

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  • 溝猫長屋シリーズ、4作目。

    今回は大人と子供の二手に分かれて物の怪始末。あっちにもこっちにもお化けが出てきて、子供たちが不憫なこと(笑)蓮十郎先生率いる大人組の方はかなり物騒な相手でしたが、まさかにここでお多恵ちゃんの事件が一件落着しようとは。突然だったけれど、シリーズとしての大きな展開が最後に待ち構えていて、驚き、かつ面白味を感じました。次作が最終巻なのかな?お多恵ちゃんの事件が解決した後の彼らにどういう展開が待っているのか楽しみです。

  • 蓮十郎先生、本領発揮

  • 溝猫長屋の四作目。

    今回は寺子屋の先生が幽霊退治に乗り込んだり、
    子供達と自称箱入り娘のお紺は鎌倉旅で幽霊と遭遇したりと盛り沢山だったが、
    なんと言っても、
    お多恵ちゃんが姿を現し(もちろん、幽霊として)、
    そして成仏したというのが驚き。

    このシリーズは、
    どうも話の流れが滑らかではないというか、ただでさえふに落ちる感が薄いのに、
    お多恵ちゃんがいなくなってどうつじつまを合わせてくるのだろう。

    旗本屋敷の布団を次々だめにしたりとか、
    お紺ちゃんが子供達を利用したりだましたりとか、
    ところどころ面白いツッコミどころがあるのが楽しいんだけど。

  • 手習所の雇われ師匠・蓮十郎は、剣術道場での門人だった貧乏旗本の次男に頼まれ、溝猫長屋の子どもたちの命を救うために、幽霊屋敷に出没する物の怪退治をすることになる。

  • げに怖ろしきは、というやつですな。

    ドブ猫長屋シリーズ、まるで最終巻のようだと思ったら、傍から亀仙人が顔を出したみたいな。
    ネタバレですかそうですか。

    幽霊大盤振る舞い。石を投げれば幽霊が出る。
    まあ人が死んでいない土地がそうそうないように、どこにだって幽霊は出るかもなのですね。野良幽霊。
    考え始めたら、そこらじゅうが幽霊だらけでぎっちぎちな感。

    今回は本当に死の危険がなくもなかったわけですが、子供達の前向き感が本当にいいですね。
    人生なんとでもなる。特にこの年代の子供であれば、まだ始まってもいない、のかもしれない。

  • 剣術道場の門人だった旗本の次男・市之丞が、屋敷に出る物の怪退治を蓮十郎に依頼した。溝猫長屋で暮らす「幽霊が分かる」忠次ら子供たちも屋敷に同行するのだが、幽霊の気配を感じた忠次たちは、江戸を離れないと数日で命を落としてしまうことに。江ノ島見物に出かけたお紺らを追って、忠次らも急遽旅に出るが、宿でもお化けに遭遇してしまい…。

  • 溝猫長屋シリーズ。
    今回は古宮の元弟子で旗本の次男からの依頼で、旗本の家に出るという幽霊や化け物退治に古宮が乗り出すのだが、思わぬ罠が。
    四人組の天敵・お紺が江ノ島へ旅に出るというので、今回はお紺の出番なしかと思ったら、こんな展開になるとは。やはり四人組とお紺との縁は切っても切れないらしい。そしてやはり幽霊たちとも縁は切れないらしい。
    これまで全く霊感のなかった古宮が幽霊を見るようになって、これは何かの罠かと思っていたら、何者かの思惑はあるものの、幽霊も絡んでいた。
    四人組が霊感を感じることになった大元の原因であるお多恵ちゃんの霊が出てきて(これまで語られてきた通り、決して怖くはない)、そこからシリーズのいろんな設定が変化して動き出した。
    結果的にお多恵ちゃんが亡くなった事件も解決し、四人組の霊感も決着、お紺との縁は相変わらずで、古宮の悪い癖も大家さんの説教癖も長屋の猫たちや野良太郎も相変わらず。
    輪渡さんらしいくすぐりとオチとで楽しく読めた。
    シリーズもこれで決着ということか。

  • シリーズものだったらしく、本巻から読んだので細かい人物背景が判らず最初は戸惑ったが、読み進めている内に前回までの内容からのターニングポイントになるべき本巻。次巻には新たな展開が期待できる。1巻から読んだ方がより楽しめると思う。

  • 2018/6/27(水曜日)

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著者プロフィール

1972年、東京都生まれ。明治大学卒業。2008年に『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、デビュー。怪談と絡めた時代ミステリーを独特のユーモアを交えて描く。『古道具屋 皆塵堂』シリーズに続いて『溝猫長屋 祠之怪』シリーズも人気に。他の著書に『ばけたま長屋』『悪霊じいちゃん風雲録』などがある。

「2023年 『攫い鬼 怪談飯屋古狸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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