法廷弁論

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 66
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062210201

作品紹介・あらすじ

法科大学院の女性教授、平手が水死体で発見。教授の遺品に名前を書かれた、弁護士の水戸裕介の元に刑事が事情を訊きにくる。才色兼備の女性弁護士の丘野ヒロ子が、水戸の法律事務所を訪れる。丘野は依頼人の懲戒請求により弁護士会からの処分を宣告され、それに不服の丘野は日弁連に異議を申し立てる助力を求めてきた。その丘野が平手教授殺害の容疑で逮捕されてしまう!若き弁護士が法曹界の腐敗に切り込む熱きリーガルサスペンス

感想・レビュー・書評

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  • 弁護士会から懲戒処分を受けた女性弁護士が、さらに殺人の疑いで逮捕される。
    彼女から依頼を受けた若手弁護士が、関係者を訪ね歩き、刑事と共に事件の真相に迫る。
    ストーリー自体は、あまり複雑ではないが、如何にも現役弁護士らしい強みを発揮した法曹界の情報小説の感。
    現代日本の弁護士たちがどのような環境にいるか、その実態を知る教科書とも。
    弁護士人口の急激な増加で、競争の原理から企業の顧問料が急落する現状。
    弁護士登録をしたが、仕事がなく会費を払えず登録抹消請求をする弁護士。
    安くてもいいから仕事をもらおうと国選弁護の窓口に殺到する弁護士たち。
    そして、弁護士会の懲戒委員会の杜撰さ。
    さらには、ある弁護士にこう嘯かせる。
    「真実を暴くのが弁護士の使命ではなく、被告人に有利な判決を獲得し、法廷は真実を葬る場所だ」とまで。
    法曹界に興味のある読者は、手に取ってみるのもいいだろう。

  • 守ってくれると思っていた弁護士、検察、警察が敵に回った場合、とても恐ろしいと感じてしまった。都合の良いような部分だけ抜き取り、犯人に仕立て上げることはとても簡単なんだなとつくづく思わさせる。
    ストーリーは面白い。
    登場人物の意外な接点がストーリー的に急だなとは思うけども、こんなものなのかな。

  • 弁護士の水戸裕介のところに丘野ヒロ子が訪れて意見書の作成依頼をしたことろから話が始まるが,弁護士仲間の頑なな考え方の背後に弁護士自体の数が増えたことによる採算の問題が浮かんでいるようだ.平手理沙子教授が殺害され六車らが捜査を開始.丘野の冤罪問題と平手の事件が絡み合う展開が楽しめた.資産家の浮島しのぶの話もことを複雑にして,丘野自体が逮捕され水戸は対応に追われる.丘野の裁判で水戸は検察へ反論を試み,次第に勝算が見えてくる過程も面白かった.和泉弁護士も殺害され,六車は丘野の逮捕に疑問を持ち,独自に動き始める.意外な人物が犯人と判明するが,その解明ステップも面白かった.

  • 弁護士は正義の味方。……とは限らないとはわかっているけれど。これはひどいなあ……という印象。まあ弁護士も人間なので、欲があったり生きていくために必要だったりはするのだろうけれど。こんなのであってほしくないなあ、という気分に。
    それでももちろんきちんとした弁護士も活躍するわけで。そのあたりの読み心地はばっちりです。さまざまな陰謀が次々に結びつき繋がってなおかつ解決されるのは爽快。わりと堅苦しくなく、ぐいぐい読めました。

  • 乾いた硬質な文体は、作者が法律家であるからか。

    筋立ては複雑でなく、掘り下げもさほどでもない。

    法曹界が本書に書かれた通りだとすれば、何とも俗物ばかりで、正義感や使命感の欠片も感じられない。
    変な使命感に囚われた、自己満足の固まりでも困るのだが。

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000124907

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著者プロフィール

加茂隆康(かも・たかやす)1949年静岡県生まれ。1972年中央大学法学部卒。弁護士・作家。2008年リーガル・サスペンス『死刑基準』(幻冬舎)で作家デビュー。他に『審理炎上』(幻冬舎)、エッセイ集『弁護士カモ君のちょっと休廷』(角川書店)、同『弁護士カモ君の事件グルメ』(ぎょうせい)、新書では『交通事故賠償』(中公新書)、『交通事故紛争』(文春新書)、『自動車保険金は出ないのがフツー』(幻冬舎新書)などある。デビュー作『死刑基準』は、2011年、WOWOWでドラマ化され、東映ビデオよりDVDとしてリリースされた。また『審理炎上』は、ブックファーストの2016年「絶対読得宣言」のイチオシ本「PUSH!1st.」に選定された。東京・汐留で加茂隆康法律事務所を経営。交通事故の専門家として、テレビ、ラジオの報道番組にたびたび出演、新聞でのコメントも多い。一方、刑事事件にも情熱を注ぎ、これまでに、強盗殺人、殺人、放火など、100件近い刑事事件の弁護を手がける。

「2018年 『法廷弁論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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