ゲンバクとよばれた少年 (世の中への扉)

  • 講談社
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本棚登録 : 54
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062210348

作品紹介・あらすじ

中村由一さんは長崎市内の被差別部落の出身です。被爆者であり被差別部落出身者でもあることで、つらい少年時代を過ごしました。「ゲンバク」と呼ばれた少年が大人になり、.その体験を伝えることで差別のない世の中が実現することを願って、この本を書く決意をしました。目次より――ピカドン/消えたふるさと/「ハゲ」「カッパ」「ゲンバク」とよばれて/「被差別部落」を知っていますか/春いつの日

感想・レビュー・書評

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  • 原爆で身も心もズタズタにされたのに、原爆にあったことを理由にいじめを受け、なおかつ被差別部落出身であることからの差別。卒業証書まで破られ、教師もいじめに加担していたことに呆然とした。こんなことがまかり通ってしまったのが信じられない。読んでるこっちが悲しい。

  • 2022.11.8読了

    1945.8.9 11:02 長崎 浦上町
    2歳10ヶ月で被爆。兄と弟を亡くし、
    自身も脚に火傷や、後遺症に悩まされた中村由一さんの著作。

    誕生日が2つあるという中村さん。
    小学校での「ハゲ」「カッパ」「ゲンバク」といったあだ名で苛められた。
    先生も率先してあだ名を命名していた。
    卒業式では「ゲンバクと呼んでくんね」と。

    中学校卒業前の就職活動では被差別部落出身者で苦労した。

    その後、自身の体験談を語り部となる。

    ぼくは生き残った。
    原爆にも差別にも負けずに。
    だからこれからも生きていきます。


    字も大きく、短いため、小学校高学年ぐらいから読めそう。
    いつの間にか、「8/6」「8/9」をソラで覚えていた自分に気づく。

  • 被曝と部落出身という二つの差別を受けた少年の話。
    児童向けにわかりやすく、子ども目線で書かれている。
    戦争、何の罪もない子どもが巻き込まれて亡くなる現実。
    出生地で受けるいわれのない差別。

    今、ロシアがウクライナを攻撃…
    平和について考える。

  • ふむ

  • 中村さんが、長崎に平和学習にやってきた中学生たちに伝えたいと思う、その熱い思いに、グッときます。

  •  中村さんが長崎で被爆したのは、まだ2歳の時のこと。『ゲンバク』と呼ばれいじめられたこと、もう一つの差別のこと。

  • すさまじい体験だけれど、一番ひどいのは
    少年を名前ではなく「ゲンバク」と呼んだ担任教師。
    まあ、だからこそこの題名なんだけど。

    さらに、被爆者を差別することは、東日本大震災のフクシマとまるで同じ構図。
    人間ってそのあたりは全く進歩しないんだろうか。
    そして被差別部落の話も、いまだに・・・?と思ってしまった。
    無知でゴメン、と中村さんに言いたい気分。

    この本が、一人でも多くの人に読まれますように。

  • 2歳で被爆した中村由一さんの壮絶な被差別体験記。
    戦後身を寄せた大浦の小学校でのいじめ体験。髪が抜け落ちた頭をみて「ハゲ」、やっと髪が生えてくると今度は「カッパ」、そして爆心地の出身であることが知られると、教員に「ゲンバク」というあだ名をつけられ、からかわれた。当時、長崎市内で、それも浦上からせいぜい5,6キロの距離の大浦あたりでさえ、そんな差別感情が存在したということにショックを受けた。
    また、中学卒業後は出自を理由に就職差別を受け、職を転々とした。
    中村さんは現在、戦争や差別のない世の中が必ずやってくるようにと願い、「語り部」として活動している。自身の体験を笑顔で語れるようになった時、自分に本当の春がくるときだと語る。
    小中学生むけシリーズの一冊だが、大人こそ読むべき。

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著者プロフィール

中村由一 なかむらよしかず
1942年10月、長崎県生まれ。1945年8月9日、2歳10か月のときに自宅で原子爆弾に被爆して大けがを負い、記憶を失う。長崎市内の小学校に入学するが、そこでさまざまないじめを経験する。中学卒業後、希望の会社に入れず、船の修理工場、靴職人の見習いなどを経て、長崎市内の郵便局に就職。1999年に57歳で退職するまで、不自由な足で郵便配達を続けた。40歳を過ぎたころから部落解放運動に取り組み、自身の被爆体験や被差別体験を語り続けている。


「2018年 『ゲンバクとよばれた少年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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