水中翼船炎上中

  • 講談社 (2018年5月23日発売)
3.84
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Amazon.co.jp ・本 (210ページ) / ISBN・EAN: 9784062210560

作品紹介・あらすじ

当代きっての人気歌人として短歌の魅力を若い世代に広めるとともに、エッセイ、評論、翻訳、絵本など幅広い分野で活躍する著者が、2001年刊行の第三歌集(『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』)以来、実に17年ぶりに世に送り出す最新歌集。短歌研究賞を受賞した連作「楽しい一日」ほか、昭和から現在へと大きく変容していく世界を独自の言語感覚でとらえた魅力の一冊!

感想・レビュー・書評

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  • ベルがモットさん、張飛さんのレビューで存在を知った穂村弘さんの歌集。ありがとうございます。
    去年の誕生日に(9月です)買ったけれど、ずっと積んでいました。

    装丁が名久井直子さんで、表紙デザインは構成要素が微妙に異なる3×3=9パターンあるそうで凄くかっこよくて豪華なデザインです。

    以前拝読した『シンジケート』では穂村さんの歌は生活感が希薄で前衛的な感じを受けた記憶がありますが、この歌集は穂村さんの今まで歩いてこられた生活の軌跡だと思いました。



    年代別の構成になっています。


    出発(現在)
    <お天気の日は富士山がみえますとなんどもなんどもきいたそらみみ>

    <白い息吐いて坂道さくさくとしもばしらしもばしらすきです>

    楽しい一日(子供時代)
    <食堂車の窓いっぱいの富士山に驚くお父さん、お母さん、僕>
    (現在との対比が泣けます)

    <鳥と樹は仲がいいのか午後二時のひかりのなかに遊びつづけて>

    にっぽんのクリスマス(子供時代 冬)
    <銀紙のかたまりっぽくみえたのは聖なる夜のこどものお酒>

    水道水(子供時代 夏)
    <ふとももに西瓜の種をつけたまま畳の上で眠っています>

    チャイムが違うような気がして(思春期へのカウントダウン)
    <「中一コース」年間購読予約して万年筆をもらえる春よ>

    <約束はしたけどたぶん守れない ジャングルジムに降るはるのゆき>

    二十世紀の蠅(昭和の終焉から二十一世紀へ)
    <天皇は死んでゆきたりさいごまで贔屓の力士をあかすことなく>

    <超長期予報によれば我が一億年後の誕生日 曇り>

    家族の旅(二十一世紀初頭のパラサイトシングル像)
    <犯人が崖から墜ちて、母は云う、あれ、あのひとは死んだのかい>

    火星探検(母の死)
    <今日からは上げっぱなしでかまわない便座が降りている夜のなか>

    新しい髪型(その後)
    <死ぬ前に登ってくると父さんが出かけていった快晴の朝>

    ぶご(その後)
    <わはははと手を打ち終えた瞬間にぶごといびきをかいている父>

    水中翼船炎上中(再び現在)
    <今日は息子に「ひかげ」と「ひなた」を教えたというツイートが流れる夜は>

    <すれちがう人が水着で自転車を漕いでいるから海なんだろう>

    <かりかりと猫が何かを食べている その横を抜けて燈台へ 蝉>

    • 張飛さん
      まこと、さっき俺の地域(香川県)の新聞を見たら昨日(16日)前回の再放送がされてたみたいだ。まことの家にある昨日(16日)の新聞の13時30...
      まこと、さっき俺の地域(香川県)の新聞を見たら昨日(16日)前回の再放送がされてたみたいだ。まことの家にある昨日(16日)の新聞の13時30分にNHKアカデミアの再放送がもし書かれてあったら、たぶん今夜の放送も再放送があると思うぜ!

      あと、まことは24日と書いてたけどたぶん再放送は23日(火)じゃないかな?NHK短歌1月号の45ページの左下に書いてあるぜ。
      2024/01/17
    • まことさん
      張飛さん♪

      ありがとうございます!
      23日ですね!
      NHK短歌にも書いてあったのですね!
      張飛さん♪

      ありがとうございます!
      23日ですね!
      NHK短歌にも書いてあったのですね!
      2024/01/17
    • 張飛さん
      まこと、前回の放送見たあとにNHKアカデミアの情報がNHK短歌にも書いてあったのに気づいたんだ。お役にたてたようで良かったぜ!
      まこと、前回の放送見たあとにNHKアカデミアの情報がNHK短歌にも書いてあったのに気づいたんだ。お役にたてたようで良かったぜ!
      2024/01/17
  • 五七五七七。三一文字
    の歌ひとつで、

    心はいとも簡単に時空
    を飛び越えますね。

    どんなに懐かしくても
    もう戻れないあの頃。

    今生きているこの時を
    いつか懐かしいと思う
    時がきて、

    それは黄昏時のように
    一瞬の美しさだったと
    知る。

    人生は、ただただその
    繰り返し。

    心に響いた歌を以下に
    いくつか抜粋─

    『遠足のおにぎりここで食べようかあっちがいいか 吹いている風』

    『仏様の御飯かぴかぴ固まってころんと落ちる台風一過』

    『クリスマスの炬燵あかくておかあさんのちいさなちいさなちいさな鼾』

    • Manideさん
      コルベットさん、こんにちは〜

      なんか、せつないですね。

      私も、昔を思い出すような本を読んでいたので、今朝、だいぶ昔のことを思い出して、な...
      コルベットさん、こんにちは〜

      なんか、せつないですね。

      私も、昔を思い出すような本を読んでいたので、今朝、だいぶ昔のことを思い出して、なんか切なくなっていました。

      戻ることができる、あの頃があるというのが、いいんですかね(^^)

      戻ってきてときに、微笑むことができる今であるように、大切に日々を歩まないといけないですね。
      2023/10/05
    • コルベットさん
      Manideさん、こんばんは♪私も同じことを考えていました。そうですね。いつか微笑むことができる今であるように、大切に歩んでいきたいですね
      Manideさん、こんばんは♪私も同じことを考えていました。そうですね。いつか微笑むことができる今であるように、大切に歩んでいきたいですね
      2023/10/07
  • 第23回若山牧水賞 受賞 (2018.10.31)なさってます。
    名久井直子さん装幀は微妙に異なる9種類というこだわり。背表紙は藍色に金色の字で古文書のように美しくて隅々まで見てしまう。
    穂村さん四冊目の歌集。本の題名の理由はあとがきに触れています。未来や永遠への挑戦歌なのでしょうか。
    現在から子ども時代、思春期、昭和から平成へ変わる時期、実家暮らし、ご両親のこと、そして現在を詠った歌、穂村さんの人生タイムマシンに乗っているような時空を超えた濃厚な時間。特に思春期の歌は昭和ノスタルジーあふれる歌でうっとりしたり、その世代独特の感性を思い起こさせるようなドキッとする歌ばかりで付箋だらけ。副題も素敵。
    切り取り方が安定の斬新さ、場面の注視から世界が一転する展開へ、視点が変わる歌が心地よい。絶妙な効果でオノマトペやカタカナが使われ音読が愉しい。
    家族の歌は、本当に切なくてご両親への愛がひしひしと伝わって心に染みてきます。ファンタジーなほむほむワールドとは違うユーモアの中の哀愁という一面が見えて、自分事としての親との関係性を同性代なら共感してしまうような歌ばかり。もったいないのでこちらでは紹介しないでおきます。(穂村さん好きな皆さんにぜひ読んで欲しいです。)

    ブラウン管にぺたっとつけた足の裏 みんみんみんみんみんみん蝉が
    (ブラウン管のあるお茶の間の風景、真夏の気だるさを裸足の裏と蝉の鳴き声で象徴づける)
    ひまわりの顔からアリがあふれてる漏斗のようなあおぞらの底
    (あおぞらにそびえるひまわりを漏斗とたとえ、アリのうごめく姿(タネを見立ててる?)に悲鳴をあげそう)
    スイミングスクールへゆく透明のバッグのなかの抜け殻の蝉
    (水泳教室通うバッグに蝉の抜け殻があるなんて、整理整頓できない穂村少年 お世話したくなる)
    カルピスと牛乳まぜる実験のおごそかにして巨いなる雲
    (穂村さんカルピスお好きですよね 白の連想が素敵)
    それぞれの夜の終わりにセロファンを肛門に貼る少年少女
    (皆一斉に検査している夜の様子をこんな風に詠うなんて凄すぎる!!お尻もぞもぞあの感触蘇るよう)
    月曜ロードショーの翌朝僕たちは、アチョー、ホアタ、と吠えつつ跳ねる
    (戦闘格闘もの好き穂村さん 弱そうだけどそこも魅力)
    天皇は死んでゆきたりさいごまで贔屓の力士をあかすことなく
    (昭和の終焉の表現がお見事。)
    超長期天気予報によれば我が一億年後の誕生日 曇り
    (超統計学的穂村誕生美学)
    なにひとつ変わっていない別世界 あなたにもチェルシーあげたい
    (お菓子の歌を作りたくなります BGMがこだまする)

    • ☆ベルガモット☆さん
      まことさん、111108さん、こんばんは♪
      お誕生日に本の大人買いご褒美ってとても贅沢ですね!その本との思い出ができるというか、本棚がキラキ...
      まことさん、111108さん、こんばんは♪
      お誕生日に本の大人買いご褒美ってとても贅沢ですね!その本との思い出ができるというか、本棚がキラキラしそうです☆☆☆
      私も次からそうしようかと思います。今気づいたのですが、この本で700レビューでした!ヾ(*´∀`*)ノ
      お二人先輩の背中を追ってこれからも読書楽しみながらブグログレビュー刻んでいきます。これからもよろしくお願いいたします♡
      2023/08/24
    • 111108さん
      ☆ベルガモット☆さん、まことさん、こんばんは♪
      まことさん、誕生日に歌集の大人買い!その手がありましたね!歳を重ねるごとに本棚が素敵になりそ...
      ☆ベルガモット☆さん、まことさん、こんばんは♪
      まことさん、誕生日に歌集の大人買い!その手がありましたね!歳を重ねるごとに本棚が素敵になりそう。真似したくなります♡
      ベルガモットさん、700レビューおめでとうございます!ベルガモットさんのレビューにはいつも☆が隠れてるようなわくわくを感じてますよ。
      私もお二人同様これからも楽しくブクログレビュー刻みたいです♪
      2023/08/24
    • まことさん
      ベルガモットさん、111108さん、こんばんは♪

      ベルガモットさん、700レビューおめでとうございます。
      ブクログは、先に始めましたが、短...
      ベルガモットさん、111108さん、こんばんは♪

      ベルガモットさん、700レビューおめでとうございます。
      ブクログは、先に始めましたが、短歌では、大先輩です。
      111108さんは、本を読まれるのが、とても速いような気がします。
      これからも、こちらこそよろしくお願いいたします。
      2023/08/24
  • ☆ベルガモット☆のレビューを読んで気になって読んだ。人気歌人、穂村弘の第四歌集。想像世界へのまなざしにあふれた凄く面白い歌集だ。著者の少年時代の思い出を詠んだ短歌も多くあった。いくつか紹介したい。

    “なんだろうときどきこれがやってくる互いの干支をたずねる時間”

    “先生がいずみいずみになっちゃってなんだかわからない新学期”

    “「大切なお知らせ」の白い封筒が夜のピアノの足下にある”

    “くてんかなとうてんかなとおもいつつ。をみつめている風の夜”

    “髪の毛がいっぽん口にとびこんだだけで世界はこんなにも嫌”

    “超長期天気予報によれば我が一億年後の誕生日 曇り”

    • まことさん
      張飛さん、皆さん、こんにちは♪

      張飛さん、毎回、掲示板のように使ってしまい、すいません。
      NHK短歌、掲載された皆様、おめでとうございます...
      張飛さん、皆さん、こんにちは♪

      張飛さん、毎回、掲示板のように使ってしまい、すいません。
      NHK短歌、掲載された皆様、おめでとうございます。
      先月から、定期購読しているので、今月は一足早く16日に届き結果がわかりました。
      先に見てしまってすいません。
      明日、レビューを入れる予定なので、詳しくは、そちらに、書かせていただきます♪

      旧Twitter(X)でまた、短歌の募集を見つけました。
      メデュームという会社の第一回素人短歌コンテストで、お題は「秋の思い出」入選作品に500円のギフトカードプレゼントだそうです。
      ただ、このコンテストはTwitter(X)に、アカウントを持っていないと、参加できません。

      ただ、この、コンテスト以外にも、Twitterにアカウントがあると、NHK短歌の、#短歌写真部などにも、応募できるので、便利かと思います。
      私も、短歌写真部、先月から、応募してみました。
      今月も、一首既に送りました♪

      この、コンテストの詳細は、私のTwitterにリポストしてますので、よかったらご覧ください。
      2023/10/20
    • まことさん
      皆さま♪

      追伸です。
      もし、Twitter(X)にアカウントとられた方がいらしたら、すぐに、フォローさせていただきますので、お知らせくださ...
      皆さま♪

      追伸です。
      もし、Twitter(X)にアカウントとられた方がいらしたら、すぐに、フォローさせていただきますので、お知らせくださいね♪
      2023/10/20
    • 張飛さん
      まこと、コメントありがとう!いつでも掲示板がわりに気軽に使ってくれ!

      ツイッター(X)はすぐには始めるつもりはないんだが、そのうちきっと始...
      まこと、コメントありがとう!いつでも掲示板がわりに気軽に使ってくれ!

      ツイッター(X)はすぐには始めるつもりはないんだが、そのうちきっと始めると思うからその時は必ずお知らせするよ!

      もうNHK短歌が届いたなんて羨ましい!やっぱり家に届くのはいいなあ。俺も来月あたりからは定期購読にしようと思う。明日のまことのレビュー楽しみにしてるぜ!
      2023/10/20
  • 装丁が可愛い。間に入る薄紙も素敵。章立てのタイトルも素敵。今時でニヤニヤする詩。

  • 17年ぶりに刊行された穂村弘さんの歌集。
    船や旅をモチーフにした装幀は9パターンあるのだそう。
    なんとも贅沢な作りの本に、思わず満足のため息が出ました。

    穂村さんの子供時代から現在までをたどる歌が収められています。
    特に大人になってから、実家で両親と暮らしていたときの歌とお母様が亡くなられたときの歌が印象的。
    ラップにくるまれた両親のイメージに、薄ら寒さを感じました。

    子供時代の短歌の、情景の切り取り方にときめきました。
    あの時のあの感覚が肌にぶわわっとよみがえるような新鮮さと、一方でその日々がもう遠くにあることを感じさせる切なさが、同時に沸きあがってくるのです。

  • 電車のなかでもセックスをせよ戦争へゆくのはきっと君たちだから (出発)

    白墨を握って外へ なんとなくチャイムが違うような気がして (チャイムが違うような気がして)

    ハミングって何と尋ねてハミングをしてくれたのに気づかなかった (水中翼船炎上中)


    穂村弘の作る"青春への回帰"性の強い歌がたまに胸に刺さりすぎて苦しくなることがある

  • 身近な人の死に際して、その悲しみが歌で癒えることは私はないと思います。それでも荒れ狂う悲しみに慟哭したくなったとき、時間も空間も隔てていたとしても自分と同じように荒れ狂う悲しみの中に身を置いている他者が存在することは崩れそうな自分の支えになるんじゃないかと思いました。

  • 穂村さんのエッセイが大好きで色々読んでいる。
    シンジケートを読んだ。正直難しかった。
    穂村さんの短歌入門の本を読んだ。短歌に興味が出た。
    満を持して?一番新しい歌集を読む。

    ・子供目線の歌では、懐かしさを感じる空気感。夏休みや年末年始の特別なワクワク。
    約束はしたけどたぶん守れない ジャングルジムに降るはるのゆき

    ・父母の歌も。何か言いたいけど言えない?結婚に関して?
    カレンダー捲られぬまま「幸せは洗う茶碗が二つある」とぞ

    ・連作「火星探検」はお母さんが亡くなったのか?義祖母の葬儀を控えた夜に読んだため、リアルに切なく感じた。
    ゆめのなかの母は若くてわたくしは炬燵のなかの火星探検

    ・最後にメモがあって驚いた。この本自体がお母さんの死と向き合う過程のように感じる。一度子供に還り、母の愛を再度受け取った?

  • 心に響くものを書き留める

  • 「花束みたいな恋をした」の麦と絹が好きな作家。昭和ノスタルジーな雰囲気が好き。

  • ああ、だいすきだわ。コトバで一瞬を永遠にするってすごいことだなーって思う。今まで短歌とか詩とか、良さが分からなかったんだけれど、しみじみと感じれるようになってきたなと思います。「人生いろいろあるから」って熱気ある胡散臭いことを言う人も味があっていいと思うんだけど、日々の些細な動きとか表情とかを描写してくれるのは、すごく好きだなーって思う。救われたとかは、あんまりないけど、ありがとうって思えるんだよね、書いててくれて、生きててくれて。あなたに、書いてほしいって、生きててほしいって思われるのは最高の褒め言葉だ

  • 歌集というものを初めて読んだ。こんなに素晴らしいものに、今まで触れてこなかったなんて! もったいないことをしたと思う。自分の中からも、次々と短歌が出てきた。出来は自分じゃわからない。

  • 「短歌の友人」から興味を持った、穂村弘さんの歌集。
    短歌というものの奥深さはまだよく分からないけれど、読みながらふと時間が止まるその瞬間を想像できることが楽しかった。
    あとがきの"私の言葉はまっすぐな時の流れに抗おうとする。"という一文が素敵だなと思った。

    靴紐を結び直しているときも驀進(ばくしん)している夜のすべて

    夕闇の部屋に電気を点すとき痛みのようなさみしさがある

    昆虫に痛覚なしと教えられたる教室の窓の青葉よ

  • 装丁が9パターンくらいあるらしい。
    懸賞で当たったので、もちろん選んでないけれど、
    とてもきれいな装丁で、
    ケースについている帯もデザインなのでしょう、
    帯を破らないように扱うので
    とても丁寧に本を扱うことになる。

    さて、短歌は。

    同世代なので共感しきり、
    子どもの頃の夏休みの感覚なんかは
    「あー」とか「うー」とか
    変な声出しそうなくらいよかった。

    ふとももに西瓜の種をつけたまま畳の上で眠っています

    ごはんよと声がきこえる絨毯にピアノの椅子を動かした跡

    あー、いいわぁ。

  • 17年ぶりの歌集。気になったのは四首。静かなのが二種。うららかなのと、あざやかなのを一つずつ。血液型が替わったのは、大量の輸血のせいだろうか。新しいことばで言った「たましい」はなんだろうか、と思いを馳せつつ。/もうそろそろ目覚ましが鳴りそうな空気のなかで飲んでいる水/カーテンもゴミ箱もない引っ越しの夜に輝くミルクの膜は/血液型が替わったひとと散歩する春は光の渦を跨いで/スカートをまくって波の中に立ち「ふるいことばでいえばたましい」

  • 全員がアトムとウランの髪型の入学式よ光るはなびら 真夜中のスマートフォンに囁いている基地からの距離を知るため 子ども時代、昭和の終焉、母の死、そして現在…。328首を収めた17年ぶり、4冊目の個人歌集。

    先日読み終えた本に装丁の話や句について書いてあったので借りてみた。
    ホットドッグが気になる。

  • 日常の一瞬の出来事を切り取って、的確な言葉を使って限られた文字数で表現するってすごい。という語彙力の追いつかない感想。
    今年は短歌や詩をたくさん読みたいので、2022年の一冊目にぴったりでした。

  • 昔にお借りして読んだ本。また読みたい。詩歌は何回も読める。

  • 今は失われた美しいものたち、儚いものたちに思いをはせてしまう。歌集は数えるほどしか読んだことがないので、理解しにくい句もあった。それが次の句を読んで理解できることも。時をおいて読んだら理解できることもあるのだろう。読んでいるあいだ、懐かしい景色がいくつも立ち上がってくる。

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著者プロフィール

歌人。1962年北海道生まれ。90年、第一歌集『シンジケート』でデビュー。短歌をはじめとして、エッセイ、評論、絵本、翻訳などを手がける。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』『ラインマーカーズ』『世界音痴』『にょっ記』『本当はちがうんだ日記』『短歌のガチャポン』『蛸足ノート』など。2008年『短歌の友人』で伊藤整文学賞を受賞。同年、石井陽子とのコラボレーションであるメディアアート作品『火よ、さわれるの』でアルス・エレレクトロニカインタラクティブ部門栄誉賞を受賞。17年『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、翌年『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2025年 『満月が欠けている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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