水中翼船炎上中

著者 :
  • 講談社
3.85
  • (11)
  • (15)
  • (12)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 273
レビュー : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062210560

作品紹介・あらすじ

当代きっての人気歌人として短歌の魅力を若い世代に広めるとともに、エッセイ、評論、翻訳、絵本など幅広い分野で活躍する著者が、2001年刊行の第三歌集(『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』)以来、実に17年ぶりに世に送り出す最新歌集。短歌研究賞を受賞した連作「楽しい一日」ほか、昭和から現在へと大きく変容していく世界を独自の言語感覚で写しとった魅力の一冊!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 17年ぶりに刊行された穂村弘さんの歌集。
    船や旅をモチーフにした装幀は9パターンあるのだそう。
    なんとも贅沢な作りの本に、思わず満足のため息が出ました。

    穂村さんの子供時代から現在までをたどる歌が収められています。
    特に大人になってから、実家で両親と暮らしていたときの歌とお母様が亡くなられたときの歌が印象的。
    ラップにくるまれた両親のイメージに、薄ら寒さを感じました。

    子供時代の短歌の、情景の切り取り方にときめきました。
    あの時のあの感覚が肌にぶわわっとよみがえるような新鮮さと、一方でその日々がもう遠くにあることを感じさせる切なさが、同時に沸きあがってくるのです。

  • 身近な人の死に際して、その悲しみが歌で癒えることは私はないと思います。それでも荒れ狂う悲しみに慟哭したくなったとき、時間も空間も隔てていたとしても自分と同じように荒れ狂う悲しみの中に身を置いている他者が存在することは崩れそうな自分の支えになるんじゃないかと思いました。

  • 今は失われた美しいものたち、儚いものたちに思いをはせてしまう。歌集は数えるほどしか読んだことがないので、理解しにくい句もあった。それが次の句を読んで理解できることも。時をおいて読んだら理解できることもあるのだろう。読んでいるあいだ、懐かしい景色がいくつも立ち上がってくる。

  • 歌集をはじめて買った。ええな、歌集。

  • 歌集というものを初めて読んだ。こんなに素晴らしいものに、今まで触れてこなかったなんて! もったいないことをしたと思う。自分の中からも、次々と短歌が出てきた。出来は自分じゃわからない。

  •  子供時代、思春期に固執して、回想の歌を多く創っている。僕は農家の次男だったので、それらへの執着はない。幾つかの懐かしい思い出はあるけれども。
     母の挽歌や現在の歌では、リアリティのある作品がある。真実味のある作品に惹かれる。
     ニューウェーブの歌は、戦後の前衛短歌の、俵万智・以降版と呼ぶべく、軟弱に見えるけれども、彼らへの時代的要請もあったのだろう。

  • 装丁がオシャレ

  • 穂村弘さんの短歌集。
    生まれて初めて買った短歌集だ。

    短歌の長い歴史の中では
    ニュータイプに入る作風だが
    胸にずんと来るものはないので
    「うーんそれでいいのかなあ」
    という気持にもなった。

  • 17年ぶりの歌集というのもあり、装丁からもう力の込め具合を感じる…すてき…
    装丁は名久井直子さん。絵柄が何種類もあるなんて、1冊じゃ足りないですね…。

    穂村さんの短歌は、声に出して読みたくなる。繰り返し読みたくなる。
    言葉のちから、短歌というフォーマットでの可能性をひしひしと感じて、想像して、ただ浸ることができる、ほんとうに、もう、あの、だいすきです。

    たくさんのひとに読んでもらいたい一冊。

  • 本業の短歌の本です。格調の高いしっかりとしたハードカバー。
    こういう本を読むのは、自分のコンディションや場所によって
    いろいろ左右されると思う。
    一気に読めばいいものでもないけど、まとめて読む感じになるときもあるし。
    他のタイミングだったら、もっとちゃんと味わえたかな、という歌もたくさん。
    ノスタルジー色が強いなあと感じましたね。
    今のみずみずしさいうよりも、
    子供時代を振り返って懐かしく楽しんでいるみたいな。
    「あるある」の切り取り方でハッとするのが穂村さんの世界だなーと思ってるけど
    リアルから時間が過ぎすぎてしまうと、
    すこし凡庸な感じになってしまうのが、繊細なバランスだなあと思う。

全29件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

穂村弘(ほむら ひろし)
1962年、北海道生まれの歌人。1990年歌集『シンジケート』でデビュー。その後、短歌のみならず、評論、エッセイ、絵本、翻訳など幅広い分野で活躍中。2008年『短歌の友人』で第19回伊藤整文学賞、『楽しい一日』で第44回短歌研究賞、2017年『鳥肌が』で第33回講談社エッセイ賞、2018年『水中翼船炎上中』で第23回若山牧水賞をそれぞれ受賞。歌集に『ドライ ドライ アイス』、『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』。その他代表作に、『本当はちがうんだ日記』『絶叫委員会』『世界音痴』『整形前夜』『蚊がいる』『短歌ください』『野良猫を尊敬した日』など著書多数。

穂村弘の作品

水中翼船炎上中を本棚に登録しているひと

ツイートする
×