吉村昭の平家物語 (シリーズ・古典3)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 20
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062545532

作品紹介・あらすじ

第一線で活躍する作家が手がけた古典現代語訳シリーズ。少年少女古典文学館「平家物語」をもとに再編集。

感想・レビュー・書評

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  • 時代の流れ、人物描写ともすがすがしいくらいに無駄がなく、それでいて様々な感情を駆り立てるすばらしい現代訳。多数の人物が登場するが、どの人物も生気が含まれ死に至る様も印象深く、歴史に詳しくない私でもスルリと入っていけた。生前死後も心に残るのが重盛であり、誰が演じているのか知りたくなった。変な先入観をもつことはなく、質のよい興味をもたせてくれる貴重な一冊である。

  •   平家物語は、吉田兼好によると信濃前司行長という人が書いたものだけど、実際のところは誰によって書かれたものなのかはっきりとわかっていません。これは岩手の平泉から鹿児島県の離島までの実に広い範囲を舞台とした壮大な軍記で、実際に起こった歴史的な事件を題材としています。

      平家物語がこんなにも面白いものだったなんて。
    授業で「扇のまと」をやった時は、扇の舞う情景は綺麗だと思ったものの何がおもしろいのかと思ったけども、最初から読んでみるとその場面にも感慨深いものがあります。平家物語を一言で言うのならまさに栄枯盛衰の物語。平清盛にせよ源義仲にせよその栄えは永遠に続くものではありませんでした。

      軍記だからといって単に激しい物語ではなくもっと情緒の溢れる物語でした。戦による妻と夫の別れ、子供が父親を慕う姿などは胸が締め付けられるようでした。私が最も好きなのは木曾義仲の最期の話です。彼の、都へ上がった後の清盛以上に酷い態度には呆れもしたけど、彼はとても部下に恵まれていて巴御前や今井四郎の忠誠心には涙するものがありました。読み終わった後には哀情が強く残る物語でした。

  • 祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり。
    「平家」の「物語」は戦記物だけど、
    滅びの美学なんだと思う。
    物語を知っているのに、
    繰り返して読みたくなるのはなんでだろう・・・か。
    吉村さんは、丁寧ですね、やっぱり。

  • 平家物語を現代語訳して一冊にまとめた、まぁ入門書としてよいのでしょうか。文章は現代語訳そのまんまって感じです。

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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