幽霊屋敷のコトン (講談社X文庫ホワイトハート)

  • 講談社 (1992年3月20日発売)
3.17
  • (1)
  • (0)
  • (11)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 22
感想 : 2
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062550574

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  おびただしい数のファンタジー翻訳や解説書、幻想的な短歌などを紡ぎ出している井辻朱美さん☆ 特に1990年代に書かれた彼女のファンタジー小説に、特殊な愛着を感じています✧
     その後小説はあまり書かれなくなり、多くが入手困難となったのが残念★ 貴重な創作作品は心ひかれるものばかりです★

     とりわけ私がお気に入りの一冊が『幽霊屋敷のコトン』(1992)なのです☆
     幽霊屋敷、なんて呼ばれている古い古いアーカンソウ家。コトンはこの家屋敷を管理して、日記をつけながら過ごしている女の子です☆ 実際に一族の幽霊たちが住んでいて、末裔にあたるコトンは彼らと会話をしたり、彼らのために買い物をしたりします☆

     コトンと幽霊たちのゆるやかな時間は、新聞の取材を受けた日から、微妙に変わり始めます。幽霊屋敷を取り上げたいという青年記者ハートランドや、屋敷の管理に手を貸そうと申し出る占い師デオンとの出逢いなど、外の世界からの刺激に、コトンの心は揺れ始めますーー

     幽霊屋敷と言っても、シャイニングみたいなホラーものではなく、おとぎ話のような雰囲気で、ふんわりほわほわ、そう、綿花のようなのですよ~☆ ホワイトハートという少女小説の文庫シリーズから出されているし、女の子が可愛くて好ましい★ この著者ならではの、夢を編み込んで書くような、美しい文章にも魅了されました☆

     静かな生活と、水滴を落としたみたいにゆっくりと生じていく波紋を、ゆるりと楽しんで……。事件のあとは少しだけ新しい風をとりいれて、でもやっぱりこれまで通り、おだやかに暮らしていきそうなコトン。
     ハートランドときどきヨールキップ日和を楽しめそうな予感を残す、優しく捩れた、不思議なハッピーエンドです♡

     幽霊ドナンの性格やものの言い方にも、捨てがたい魅力が♪  じつは、ドナンに強い口調でものを言われて、半泣きになっているコトンを想像するのが好きだったりします★

  • コトン、という名前が妙に可愛らしい。この題名はなんだか私の感覚にうまくはまりました。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1955年生まれ。歌人・作家・翻訳家・白百合女子大学人間総合部教授。歌集に『クラウド』、評論に『ファンタジーの魔法空間』(日本児童文学学会賞受賞)、訳書にO・R.・メリング『歌う石』など。

「2022年 『たけくらべ 現代語訳・樋口一葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井辻朱美の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×