幽霊屋敷のコトン (講談社X文庫―ホワイトハート)

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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062550574

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  •  幽霊屋敷、なんて呼ばれている古い古いアーカンソウ家、コトンはここを管理し、日記をつけながら過ごしている女の子です☆ 実際、一族の幽霊たちが住んでいるため、末裔であるコトンは彼らと会話をしたり、彼らのために買い物をしてきたりもします。
     ゆるやかな時の流れは、しかし、新聞の取材を受けた日から微妙に変化していくことに。幽霊屋敷を記事に取り上げたいという記者のハートランド、屋敷の管理に手を貸そうとする占い師デオンとの出逢い、外の世界からの刺激に、コトンの心は揺れ始めますーー。

     井辻さん曰く、「私小説ファンタジー」らしい。夢を編みこむような美しい文章が印象的で、折に触れて読み返したくなる作品です。幽霊屋敷と言っても、シャイニングみたいなホラーものではなく、おとぎ話のような雰囲気があって、ふんわりほわほわ、そうだね、綿花のようなのですよね☆ ホワイトハートという少女小説の文庫シリーズから出されているし、女の子が可愛い★

     静かな静かな生活や、水滴を落としたみたいにゆっくりと生じていく波紋を、ゆるりゆるりと楽しんで……。事件のあとは少しだけ新しい風をとりいれて、でも、やっぱりこれまで通り、穏やかに暮らしていきそうなコトン。ハートランドときどきヨールキップ日和を楽しめそうな予感を残す、優しく捩れた、不思議なハッピーエンドです。

     ドナンの性格や物の言い方にも、捨てがたい魅力が♪  実は、ドナンに強い口調で何か言われて、半泣きになっているコトンを想像するのが好きだったりします(^^

    ※現在、入手困難。

  • コトン、という名前が妙に可愛らしい。この題名はなんだか私の感覚にうまくはまりました。

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著者プロフィール

東京大学理学部を経て人文系大学院比較文学比較文化修了。
神話を含む、トールキンから現代作家にいたるファンタジー文学の研究・翻訳を仕事としながら、
『エマヌエルの書』『無条件の愛』『幸福学のすすめ』など精神世界の紹介にも携わる。
近著に『ファンタジーを読む─『指輪物語』『ハリー・ポッター』
そしてネオ・ファンタジーへ─』、
歌集に『クラウド』、訳書に『パリンプセスト』など多数。
白百合女子大学教授。

「2020年 『上方への落下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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