月の影 影の海 十二国記 (上) (講談社X文庫ホワイトハート)
- 講談社 (1992年6月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062550710
作品紹介・あらすじ
「あなたは私の主(あるじ)、お迎えにまいりました」
学校にケイキと名のる男が突然、現われて、陽子を連れ去った。海に映る月の光をくぐりぬけ、辿(たど)りついたところは、地図にない国。
そして、ここで陽子を待ちうけていたのは、のどかな風景とは裏腹に、闇から躍りでる異形(いぎょう)の獣たちとの戦いだった。
「なぜ、あたしをここへ連れてきたの?」
陽子を異界へ喚(よ)んだのは誰なのか?帰るあてもない陽子の孤独な旅が、いま始まる!
感想・レビュー・書評
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「裏切られたっていいんだ。裏切った相手が卑怯になるだけで、私の何が傷つくわけでもない。裏切って卑怯者になるよりずっといい。どんなに裏切られたって、誰も信じない卑怯者にはならない。」
常日頃から疑うことに慣れてしまうと
なんでもないことでも怖いと思ったり、ありもしない負の妄想に囚われる。
人を信じて生きる事ができる人は、強い。
良い未来を描き行動に移す力がある。
信じる力は、自身の歩みを止めない力。
他者を信じる自分を信じる力。
裏切られることも生きてれば必ずある。
だからって臆する事はない。
あなたを大切にしない人が分かるだけだ。
信じる事ができれば、自分を本当に大切にしてくれる人と出会える気がします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
4.6
一気読み、いまのところ良かった。
先ずは下巻を読みます。 -
ひたすらしんどいです。私にこの本を紹介した友達は、「しんどいと思うけどネズミが出てくるまで頑張って」といって手渡してくれましたが、…………途中から友達への義理とネズミ〜まだか〜ネズミ〜という呪文がなかったら挫けていたかもしれません。初読当時はまだ若かったからか、これでもかこれでもかと出される陽子への壁が辛くて、そればかりが印象に残っている気がします。今でも再読にはかなりの気力の要る本です。
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10何年前に日本に住んでた頃買った中古本。ここに登録されていないというのは、実は完読していなかったか、そもそも読んでいなかったかである。ただし台湾の旧訳翻訳版は絶対に読んでいたと覚えている。
十二国記が18年ぶりに新刊発売ということでシリーズ再読することにしたが、《魔性の子》から読むか、本作《月の影 影の海》から読むかは、ファンの間でも違ってくるようだけれど、《魔性の子》は未読なのでこちらから始めることにした。
アニメから入ったので、大体の話を知っているからか、よく言われる「しんどさ」はさほど感じられなかった。そう、この物語は、訳も分からぬまま異世界に連れられた挙句、はぐれてひとりで生き延びようとするひとりの女子高生陽子の話、だと恐らくもう皆さんはよく知っているだろう笑。
「ネズミが出るまで我慢しろ」というのもよく聞くが、ネズミはこの巻では出ない。しかし実を言うと、陽子が遭遇する様々な苦難が結構描き込まれていて、物語としてはとても魅力的だと思うのはわたしだけだろうか……ひたすら辛くて苦しくてしんどいながらも……。恐ろしい妖魔に狙われ襲われ、怪我をして嘔吐(ヒロインなのにこの1冊だけで2回も吐いたよ…)、ひどく飢餓状態にいるヒロインっている??笑。むしろページを捲りながら次に何を遭遇するのかって気になった。
だからこそ彼女の「生きて、帰るんだ」という思いが、あまりにも強く、ここまでわたしに突き刺さっていた。あんな悲惨な状況下でかえってこれまでにないほど強く念じる陽子にひたすら感動しまくってて、現実どんな辛い状況にいても、彼女のこの強い意志を思い出すと全てどうってことはないという気分にすらなる。
一応十二国記シリーズの1冊目として、世界観が既に作りこまれていて、引き込まれないほうが難しいし、文章を読んでいるうちに、本当にこの世界があるのではないかとさえ思わせてしまう。ファンタジーなんて…と思わずに、ぜひ手に取ってほしい。 -
最初に読んだ時に、これは本当にホワイトハートで
良いのか?と思った重厚な内容。
見知らぬ世界に来てしまった陽子がもがき苦しみ、
自分を知り、絶望に落ちていく・・・きついなぁ。
でもファンタジー。
この上巻があってこそ、
下巻があると、後で理解します。 -
十二国シリーズも新装板でましたねー。
ぼちぼち購入してぼちぼち読もうかと。
1作目が魔性の子から始まる。
んで、後はじゅんぐりに刊行されているようです。-
「ぼちぼち購入してぼちぼち読もうかと。」
右に同じ、、、(そう思ってる本が他にも多数)「ぼちぼち購入してぼちぼち読もうかと。」
右に同じ、、、(そう思ってる本が他にも多数)2013/05/07
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異世界ファンタジーの傑作、「十二国記」シリーズの第一作。
重厚で骨太な世界観と人物描写に、時間を忘れるほどのめり込みます。
何時読んでも何度読んでも、何十回読んでも面白い。たぶん百回読んでも変わらずにすごく面白い。面白いというか、圧倒されるほど凄い!
初めて読んだ時、この上巻の展開が暗くて挫折しかけ、途中からすっ飛ばしました(笑)
で、下巻を読み始めたらあまりの面白さに止まらなくて一気に読み終わり、それから上巻を読み直したら今度は面白く、今度はこれも一気読み。
どれも面白いですが、やはり陽子(慶国)が中心となる「月の影 影の海」「風の万里 黎明の空」「黄昏の岸 暁の天」の3作が大好き!
刊行ペースは遅いのですが、この作品なら待てる。 -
初めて小野不由美さんの本を読ませて頂いたが、
なぜ今まで読まなかったのだろうと今後悔している。
自分は高校生だが本当に今高校生に読んで欲しいと思う。思春期を迎える自分達に今必要な物が詰め込まれていると感じた。
八方美人になってしまう陽子の気持ちも分かる。人間みんなそんなもんじゃないかと感じつつも陽子を批判する人達の気持ちも理解できてしまう。
陽子が今後どんな葛藤を繰り広げていくのかが楽しみだ。
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十二国最初の巻。
初回読んだときは、うつうつしているなあと思ったのですが、大人になるたびじわじわきます。
小野さんの描写が綿密すぎて、本当に異世界があるのではないかと思うほどです。
でもあちらの世界は決して楽園ではなく、またひとつの人が生きる現実なのだというところがよいですね。 -
ひとりなのか。原作は。
3人ですら心細い異世界を、ひとりとはなんと心細い。
共にいるはずのものは手足を動かしてくれるだけ、やっと現れた同行者はろくなこと言わない。
ほんと嫌になるだろうな。