風の海 迷宮の岸(下) 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062551205

作品紹介・あらすじ

とてつもない妖と対峙した泰麒は、身動もせず、その双眸を睨み続けた。長い時間が過ぎ、やがて発した言葉は「使令に下れ」。異界へ連れてこられても、転変もできず、使令も持たなかった泰麒は、このとき、まさに己れが「麒麟」であることを悟った。しかし、この方こそ私がお仕えする「ただひとり」の王と信じる驍宗を前に、泰麒には未だ、天啓はないまま。ついに、幼い神獣が王を選ぶ-。故郷を動かす決断の瞬間が来た。

感想・レビュー・書評

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  • 黒麒麟、泰麒の物語の後編。

    麒麟、いいなぁ。
    景麒、延麒の同族愛素敵だなぁ~(*´▽`*)

    たかがファンタジーにここまで嵌ったのは初めてだ。
    会社の少ない休み時間を使っても読んでいたくなる。
    良いシーンは何度でも再読したくなる。

    言葉も良い。世界観も良い。
    雰囲気も良い。
    キャラクターも良い。

    良い書籍だなぁ。。。

  • 4.6
    下巻読み終わりました。あっという間に一気読み。
    面白かったです。
    魔性の子も読んでいましたので、少し話が繋がりました。
    泰麒は幼いながらもしっかりしていて、10歳とは思えないものの考えでしたね、麒麟だからなのか分かりませんが。
    とはいえ、色々あった中で期待通りの展開で気持ち良かったです。シリーズの途中の一区切りとしては良い終わり方で読了感も爽やかでした。

  • 再読…なので分かっちゃいるのに!
    ハラハラハラハラ!
    堂々たる話の運びに手に汗握りつつ、一方で丹念に張り巡らされた伏線や条件に、ほうと溜息をつきつつ。

    それにしても名場面のオンパレードです。
    折伏で名前を掌握するほんの数行が、はんぱない迫力。
    延主従を招いてのクライマックスは言わずもがな。特に最後、六太が尚隆スパコーンするのが楽しい。
    あの柴犬ちゃんなんかもそうですが、緊張と緩和が並外れて巧みで、頁の上でいいように転がされて大変気持ち良い読書でした。

  • 麒麟と王の関係が明らかになる一冊。
    雁の御二方の登場で話が明るくなったような(^^♪
    それにしても泰麒、
    その性格がのちの物語のキーになっていくんだなぁと、
    しみじみ。

  • とてつもない妖と対峙した泰麒は、身動もせず、その双眸を睨み続けた。長い時間が過ぎ、やがて発した言葉は「使令に下れ」。異界へ連れてこられても、転変もできず、使令も持たなかった泰麒は、このとき、まさに己れが「麒麟」であることを悟った。しかし、この方こそ私がお仕えする「ただひとり」の王と信じる驍宗を前に、泰麒には未だ、天啓はないまま。ついに、幼い神獣が王を選ぶ―。故郷を動かす決断の瞬間が来た。
    「BOOK」データベース より

    選んだものが正しいかどうか、選んだときに分かることは少ない.
    自分に自信がないときは、周りの意見を聞いてみるのもよいかもしれない.
    心の赴くままにやらずにはいられないことを選択し、選択したことについて責任をもつことしかできないのだ.

  • ──では、この偽りの王が統治する戴国の命運は。

    ……全部、景麒が悪い。
    陽子が苦労したのも景麒のせいだし

  • いよいよ王の選定が始まった。
    いまだ世界の事がよくわからず、自分が麒麟であるという自覚すらもない泰麒が一国の王を選ばねばならない重責。

    上巻同様、泰麒の疑問や悩みは読者の気持でもある。独特の世界観をより深く説明するためにこのストーリーはあるのだと思う。
    十二国の世界に生まれ育ったのであれば当然に理解していること、そして麒麟がどういう生き物であるかということを泰麒の目線で読者に説明していくのがわかりやすい。

    泰麒は通常の十歳とは思えないほど気を使う、優しい子で、彼と接したおかげでここに登場する景麒はとても穏やかで優しく思える。それが予王を破滅に導いてしまい、それを悔やんで陽子にはまた憮然とした態度になってしまうのだろうと思うと、それも切ない。

    色々と悩み苦しみもしたけれど、泰麒は無事に間違うことなく己の役目を果たし、泰王とも良好…というより微笑ましいほどの関係であるように見えるのに、前作の中では「王も麒麟も行方不明」となっていて、何が起こったのかが気になる。

  • 上巻から勢いの止まらないまま、下巻に突入。

    天啓がどんなものなのか泰麒は判然としないまま、戴国の玉座を目指して人々が昇山してくる夏至を迎える。
    泰麒と同じく、私たちにも天啓と呼ばれるものの正体ははっきりと判らない。

    けれど、泰麒がとある人物から受ける印象を自分も追いながら、ふとこれは「恋」にも似た感情ではないか、と思えた。
    頭では判っているのに心が追いつかない、あるいは、心が先走って理性では抑えられない。
    そんな状態。

    麒麟は王を選ぶ。
    天が麒麟を王に据えることを良しとせず、麒麟に王を選ばせる理由。
    麒麟と王は一対なのだから、どちらが欠けても立ち行かないし、だからこそ、ないものを補いあうために互いが存在する。
    麒麟は往々にして、慈愛の動物。
    けれどそれにだって個性はあるから、それに選ばれる王も「こういうものだ」と十把一絡げにできなくて、自分にだって「なぜこの人なのだろう?」ってふと考えてしまうことってあると思うのだ。

    うーん、やっぱり恋だよね。この抑えきれない衝動。

  • 「延王にはできなかったことが、これほどたやすい。なんの呵責もなく己の責務を果たすことは、なにやら幸福めいた気分をもたらした。」

    無事に下巻!!
    泰麒の成長っぷりが嬉しく、ちょっと離れていくようで寂しい気分もありつつ、使令に下す、その様子は、誇らしくもあり、いつのまにやら、どっぷりと感情移入してしまったのでした。

    王に関しては、おそらくそうではないかと思いながらも、
    このような展開ににんまり。
    しかし、本編とは全く違うところで、不安がぐるぐる。

    先へ先へとどんどん読み進めたい、
    でも勿体無い、十二国記ワールド!
    次は、どこの国につれてってくれるかなぁ。。。

    【4/15読了・初読・市立図書館】

  • 「月の影 影の海」の続きかと思ったら、まったく主人公が異なるのは初めて読んだときに驚いた記憶がある。年代も十年ほど前だし。
    今回はそれを知りつつ「風の海」を読むか……それとも「風の万里」を読むか悩んで、発売順にしようと読み進めた。

    幼い泰麒の話。
    麒麟というものが何であるのかにクローズアップした話で……「月の影」ではよくわからないままに「麒麟ってそんなものなのか」と読み進めていた色々な疑問に答えをくれるような話だったような気がする。

    景麒、延主従が出てくるところは、「月の影」を読んだ後だとなんだか楽しい。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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